1.甲子園競輪場跡地のまちづくりについて
まず、甲子園競輪場跡地のまちづくりについてです。
いま、南甲子園地域では、甲子園競輪場跡地に超高層の巨大マンションが建設されるということが大問題となっています。昨年の12月議会総務常任委員会所管事務報告で仮称南甲子園計画として報告されました。この計画は、開発面積約6万8159平方メートル、北側は共同住宅ゾーンとして21階建てを中心としたマンション614戸、南側は戸建てゾーンとして244戸の総戸数858戸の巨大プロジェクトです。事業主は長谷工コーポレーションです。特に、地域では、21階建て高さ約60メートルという超高層のマンションが周辺の住環境に与える影響が危惧されています。この間、八町会協議会のみなさんからの市への抗議書、長谷工マンション近隣住民協議会のみなさんの署名運動、今市議会には2本の請願が提出されるなど、市としても地域と調和したものを求める地域住民の声を真剣に受け止めるべきです。
まず、都市計画から見ての問題です。
甲子園競輪場跡地周辺地域は、第1種中高層住居地域、第2種高度地区に指定されており、戸建て住宅を中心とした中低層住宅地で、良好な住環境であることは誰もが認めるところではないでしょうか。競輪場跡地は、第2種住居地域、第5種高度地区で、事実上無制限の高さを容認しています。
私は、昨年の市当局が都市計画マスターを策定する時期に都市計画審議会の委員をしており、6月11日、野口あけみ議員との連名で都市計画マスターの修正を求める意見書を提出しました。そこには、「震災後、顕著に現れた住宅地等におけるマンション建設ラッシュによる住環境の悪化をまねいた。」そして「現行のまちづくり条例は、マンション開発の大幅な規制緩和をしたものであり、思い切った規制強化をはかるべきである」とした上で、その他の問題点で5項目目に「甲子園競輪場の廃止に続き、西宮北口の西宮球場、阪神パークなどの施設が廃止されようとしている。これらの土地利用は、今後西宮市にとって大きな影響を及ぼしかねない。開発抑制の措置をとるべきである。」と、この問題も明らかにしてきました。
しかし、市当局は、そのままの状況を放置してきました。
次に、市民生活からの問題です。
昨年12月議会本会議で、わが党の上田さち子議員が、大型開発やマンション建設による人口急増と市民生活の問題を取り上げましたが、山田市長も答弁の中で人口増加にともない市民生活に支障が出ることを認めています。南甲子園地域も例外ではありません。この間、南甲子園小学校南側の高層マンションをはじめマンション建設はかなりすすんでいます。小学校はすでに空き教室はなく、これ以上のクラス数の増加には対応出来ません。また、保育所については、公立も私立もこの地域にはもともとありません。あらゆる市民サービスが低下する可能性があります。
このようなことのないように、先を見通して計画的にすすめることが街づくりであり、行政の果たすべき役割ではないでしょうか。
開発事業等におけるまちづくりに関する条例に基づく開発面積5ヘクタール以上、戸数300戸以上の大規模開発が対象となる、開発事業審査会は6月5日に開かれ、この開発事業も協議されました。すでに事業者は高さを21階から18階へ、また戸数もマンション574戸、戸建て197戸へ戸数を減らしたものを提出しています。審査会では、公共公益施設用地、そのうち30人程度の保育所用地の確保、公園用地の提供、開発地域を甲子園浜小学校への校区変更、などが示され、開発者への意見が4項目あります。
しかし、これによって住環境や市民生活はなんら守られるものではありません。
- 全市的に見ても高層マンション建設が相次いでいるにもかかわらず、甲子園競輪場跡地についてなんら規制をしてこなかったのはなぜか、お答えください。また、地域住民の超高層マンションを近隣住宅地になじむ開発への変更を求めていることをどう受け止めているのか、お答えください。
- 南甲子園地域の市民生活への影響は大変なものとなります。開発者の責任を求め、住環境や市民生活に極力影響が出ないように、高さや戸数など大幅な計画変更を強力に指導すべきだと考えるがどうか
- マンションの開発規制強化について、昨年12月議会のわが党議員団の上田議員の質問に対して「慎重に検討する」と答弁しているが、すでにそのような段階ではなく、直ちに行うべきだと思いますが。
|