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定例議会

2003年9月議会

たてがき初男議員の一般質問

1.平和非核行政について
2.阪急西宮スタジアム跡地等の開発について
3.四十谷川に再び蛍を


1.平和非核行政について

 今年12月、西宮市は平和非核都市宣言をして20周年を迎えます。非核宣言自治体協議会の調査では2000年度は88自治体が新たに宣言をし、2001年度は37、2002年度は5自治体となっています。宣言する自治体が続々と増え、2002年12月27日現在で、2654自治体で全自治体の約81パーセントとなっています。また、兵庫県下では22市中20市、町では66町中41町となっています。兵庫県下では人口の約9割の県民が非核宣言自治体に住んでいることになります。このように地方自治体は非核平和の道を確実に進んでいます。また、住民運動の面でも日本原水協の地域組織の西宮原水協が取り組んできた核兵器廃絶を訴えた「ヒロシマ・ナガサキからのアッピール」への賛同署名も今年7月、目標の西宮市人口の過半数を達成しました。

 世界の非核平和運動も大きな飛躍点に達していると思います。それは2003年原水爆禁止世界大会に私も兵庫県原水協の代表として参加して強く感じたことです。今大会で5ヶ国の政府代表を含む20の国から集まった7300人が一致して被爆60周年の2005年を核兵器も戦争もない平和な世界への転機とするために国際署名運動に取り組むことを決定しました。この署名は「核保有国の政府が核兵器の使用、威嚇、開発を行なわず、ただちに核兵器廃絶の実行にふみ出すこと」を求めています。

 このような世界的な非核平和の道に強引に反する姿勢をとっているのが国政で、第156国会で武力攻撃事態対処法、自衛隊法等改正、安全保障会議設置法改正いわゆる有事3法案が日本共産党と社会民主党の反対で賛成多数で可決されました。この後、さらに政府与党は自衛隊をイラクに派遣する「イラク特別措置法案」、「テロ対策特別措置法」の期限を2年延長する法案等を6月13日に提出。これらの法案を通すために40日間もの会期延長を強行しました。その結果、「イラク特措法案」が自民、公明などの与党の賛成多数で可決されました。

 「有事法制は、ブッシュ米政権がイラクでおこなっているような乱暴な戦争を東アジアで起こしたときに、日本がそれに全面的に加担する体制をつくるものです」と一橋大学教授 渡辺 治さんは語っています。また、名古屋大学教授 森 英樹さんは「有事三法案は、『自衛のためなら武力行使は可能』という政府が温存してきた論理を、日本領域外で発生している『事態』に自衛隊が『協力』することで『我が国への攻撃』なるものに連動させることで、『自衛隊の海外での武力行使』を初めて合法化する法律なのです。日本を戦争当事国にするのですから文字通りの戦時法です」。と厳しく批判しています。

 このように、有事法制は、米軍が引き起こす海外での先制攻撃の戦争に、自衛隊が公然たる武力行使をもって参加し、罰則つきで国民を強制動員するところに、その危険な本質があります。
 具体的には有事法制は個人や団体の自由や権利、財産に制限が加えられるうえに、市長にとっても次のような矛盾を抱えています。(1)市民の平和な生活を著しく損ない市民の平和や生活を守る市長の立場との矛盾、(2)国家安全保障会議の責任者の内閣総理大臣が自治体の長である市長の頭を超えて指図できることになっている問題、すなわち、地方自治を否定する矛盾、(3)市が所有、管理する用地、施設等の協力義務が付されているが、市のこれらの協力は「平和非核都市宣言」に反することの矛盾。このような点からも2002年6月議会、西村議員の質問に対して市長は答弁で「同法案は、市民生活にも重大な影響を及ぼしかねない内容を含んでおりますが」とし、「市民の生活、財産を守ることは自治体の責務であ」ると認めています。

    1. そこで質問します。有事法制が成立したが、「平和非核都市宣言」市の市長として、市民の平和な暮らしや地方自治を守り、市の用地、施設等を戦争のために使わない、このような立場にしっかりと立つべきと考えるが市長はどうか。
    2. 2点目の質問です。有事法制によって地方自治体が平和非核都市としての存続が危ぶまれています。全国でも、単に宣言にだけに済ませるのではなく東京都中野区やなど約20の自治体で条例を制定しています。宣言文にある「平和を愛する社会をはぐくみ、築くことを誓」っているわけですから、西宮市が所有、管理するすべての施設、用地を宣言の趣旨に反する目的に使用したり、させたりしてはならはずです。平和非核都市宣言の効力を強める意味でも条例化が必要ではないでしょうか。
      そこで、平和非核条例を議会に提案してはどうか。
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2.阪急西宮スタジアム跡地等の開発について

 阪急西宮スタジアム跡地等の開発については西宮市などの競輪事業が廃止されてから跡地利用について多くの市民の関心が高まっていました。本議会の代表質問や一般質問でも多くの議員が取り上げています。これらの質問に対する市長や局長の答弁で共通しているのは「都市機能の適正な配置を行い、この地区にふさわしい均衡のとれた魅力のある都市空間となる町づくりを進めていくべきもの」。そのために、「西宮市、兵庫県、阪急電鉄の3者の協議の場を設け」て「広域的な重要性の観点からさまざまな意見交換を行な」うとしています。土地所有者は阪急かもしれないが、阪急の勝手にはさせませんよというような意味合いが含まれています。それもそのはず、阪急西宮北口駅周辺地区は第3次総合計画において、市民活動や都市活動の拠点となる本市の都市核の一つとしており、西宮市として市役所周辺と同等の重要な地域と位置付けています。すなわち、西宮スタジアム等跡地の開発問題は西宮市のまちづくりの根幹にもかかわる重要な問題であるということです。

 ところが、7月24日付「日経新聞」に「阪急電鉄社長会見 西宮北口に住宅 集客へ商業施設併設」と題して阪急電鉄の角和夫社長の単独記者会見の模様が報道されていました。それによると「西宮北口はマンションや戸建て住宅を建設するほか、商業施設をつくりたい。目玉となる集客施設も必要なので地元自治体と協議する」となっています。この話は西宮スタジアム等跡地の開発計画である事は自明です。この報道を見て、日本共産党西宮市会議員団は去る8月26日に市長申し入れを行ないました。

 このような申し入れを行なった理由は阪急西宮スタジアム等跡地の問題は本年度の市長の行政方針にうたう「これらの跡地利用が今後の本市のにぎわいや活性化につながるよう、事業者の協力も得て、町づくりを進めることが急務」というような単純な問題ではないということです。すなわち、西宮市としても適正な人口の考え方、都市計画のあり方、インフラ整備問題、市内商店街・市場や中小小売業者への影響、総合計画との整合性などさまざまな問題を含んでいます。さらに、まちづくりへの住民の参加と協働、情報公開などの問題もあります。そのうえに市のまちづくりの根幹にもかかわる重要な問題であり、阪急、兵庫県、西宮市の3者で協議がなされた結果とはいえないこと、また阪急電鉄の社長が単独で記者会見して既成事実を積み上げていくようなことはみとめることができない、等の理由によるものです。このような経過を踏まえて質問します。

    1. 西宮市、兵庫県、阪急電鉄の3者協議については昨日の八木議員への答弁でも明らかなように4月9日にあったきりで、何も協議されていない。なのに、阪急電鉄の社長が一方的に考えを記者発表したことは3者協議の信頼関係を崩すものではないか、その記者発表に対して市はどのような対応をしてきたのか。また3者協議のすべての情報を市民や議会に公開するべきではないか。
    2. 単なる民間の大規模開発というのではなく西宮市の重要なまちづくりの根幹として西宮市が主体性をもって指導するべきではないか。また、その際の住民の意見を十分反映できる場を設けるべきではないか。
    3. 西宮市、兵庫県、阪急電鉄の3者協議が整うまでの間、市民のためにスタジアム周辺空き地を緑地公園やスポーツ広場など暫定使用を阪急に要請してはどうか。
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3.四十谷川に再び蛍を

 「わしらが子どものころは蛍がいっぱいいて空が明るいくらいやった」と四十谷川が流れる門戸岡田町の人が話しておられました。西宮市でも、2000年度には夙川上流・仁川中流・有馬川・船坂川等34の地点でホタルの生息が確認されています。北部だけでなく南部地域でも蛍が確認されていますが、これは南部でも山あり、谷ありだから、かろうじてホタルも生存できているのでしょう。ところが山も谷もない隣の尼崎市西昆陽3丁目で昨年の夏140匹のホタルが観察されました。同市のホームページ「見どころガイドあまがさきホタルの里」によれば尼崎市では1960年代前半「まで生息していたホタルをよみがえらせようと1985年に、市営住宅宮の北団地西側の水路、長さ160メートル幅10メートルにわたって、武庫川から良質の流入水を取り入れ整備し」た結果のことです。尼崎市に問い合わせてみると工事費として1860万円かかったそうですが、その後の維持管理費はポンプの修繕費程度でまったくかかっていないそうです。

蛍が住める環境ですが、西宮市環境保全課のパンフレットによると(1)きれいで豊富な水がある、(2)川が暗くなっている、(3)緑におおわれている、(4)川底に砂や石があり、土手も土である、(5)エサになる川ニナがいるとなっています。

 四十谷川は上ヶ原一番町を起点に南昭和町の津門川合流点まで約2.5キロメートルを流れる川です。この四十谷川の水源は新月池ですがこの池の水は仁川から流れてきています。質問するにあたり河川水路課長と地元の人たちと4人で四十谷川にはいって五六百メートル歩いてきました。水温は結構冷たく水質も適しているように思えました。川ニナもたやすく見つけました。緑にも覆われています。暗さも深い谷であり、片側が神戸女学院の斜面になっているため大丈夫ではないでしょうか。問題はコンクリート3面張りであることだと思います。仁川の中流にはホタルの生息が確認されているのですから、その仁川の水が流れている四十谷川の環境を整備すれば昔のように蛍が観賞できるのではないでしょうか。特に神戸女学院のあるあたりなど比較的好条件だと思います。
そこで質問です。

    1. 四十谷川に蛍が生息できるよう河川改修など環境を整備してはどうか。答弁を求めます。
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