2.中学生、高校生の居場所作りについて
中学生、高校生の年代は、思春期、青年期を迎え肉体的にも精神的にも大きな変化が見られます。そして、社会への関心も広がり、色々なことに興味を持ち、未来に向かって、夢や希望を持っています。しかし日々社会から強い刺激を受け、子供の心身にゆがみが生じ、不安や悩み、ストレスが蓄積されています。その中で、不登校、いじめ、ひきこもり、非行などの子供たちが増えています。
また、子供がかかわる相次ぐ事件に多くの父母が心を痛めています。能力主義の競争教育、消費をあおる商業主義や性の商品化、命の軽視の風潮などのなかで、子供たちが犠牲になっています。兵庫県では中学生の不登校率が全国一高く、2000名近い高校生が中途退学しています。
また、ゲーム、パソコン、携帯電話漬けの生活など情報化社会の発展で新たな犯罪に巻き込まれたり、人間関係の希薄化も進んでいます。本来子供たちは遊びの中で、お互いのよさを発見し理解していきますが、今は小学校時代から遊びが圧倒的に不足をし、多くの友達と頭と体を思いっきり使い、たっぷりの時間の中で、遊ぶ場所がなく、子供たちから「時間、空間、仲間」が奪われています。
特に、中学生や高校生は地域で、安心して話をしたり、気軽にスポーツを楽しむ場所がありません、身近な公園は、野球やサッカーなどは危険であると禁止されていることがほとんどです。公園に中学生が集まっているとそれだけで、小さい子供を遊ばせているお母さんから怖いと見られ、地域で居場所のない子供たちは、ゲームセンターやスーパー、またコンビニエンスストアが、居場所になっています。私の住んでいる地域の小学校では夜の10時過ぎに子供たちが塀を乗り越えて学校に入り、遊んでいたことも報告されています。子供たちは仲間と語りたい、思いっきり体を動かしたい要求を持っていますが、そのような場所が地域にはありません。
東京都杉並区では、児童青少年センター「ゆう杉並」が1997年にオープンしました。中高校生を中心とした大型の児童館です。おしゃべり、飲食、トランプ、ゲームなどが自由にできるスペースがあり、スポーツ施設、スタジオ、ミキシングルームがあります。多くの子供たちが利用し、スタッフの援助を受けて、子供たちが自ら運営をしています。そして、思春期の子供たちの地域での居場所として全国から注目を集めています。
西宮市でも、2002年市長より「メディア社会の進展と青少年施策のあり方」ならびに「青少年が集える場の提供や世代交流ができる仕組みなど、地域における青少年健全育成のあり方」のついての諮問がなされ、2003年4月21日に西宮市青少年問題協議会より答申が出されています。そしてハード面では、青少年の集える場の新たな創設についてその必要性を認めています。また中学生のアンケートでは、町の中の居場所として自分の部屋のような「リラックスできるところ」「くつろげるところ」を求めているなどの結果も出ています。質問します
- 居場所の確保は、すべての人間に必要ですが、とりわけ青少年にとっては急を要することだと思いますが、市としては、中学生、高校生の居場所作りについてどのように考えているのでしょうか。
- 市内には児童館が8箇所あります、利用対象が幼児から、中学3年生までとなっていますが、内容や設備の面でも、利用しているのはほとんどが小学校の低学年までの子供たちで、中学生では利用できない実態です。東京、杉並区のように、思春期の子供たちが魅力を感じ、行ってみようと思うような施設作りをすべきだと考えるがどうでしょうか。
- 中学生、高校生が気軽にスポーツを楽しめるように、バスケットやスケートボードなどができる場所を増やすべきだと思いますがどうでしょうか。
また、瓦林小学校の校庭を学校終了後、小学生、中学生、地域の人たちが自由に使っていますが、他の小学校にも広げていくべきではないでしょうか。
以上で、私の壇上での質問は、終わらせていただき、御答弁によりましては、自席から再質問、要望をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 |