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定例議会

2003年12月議会

佐藤みち子議員の一般質問

1.障害児学童保育について
2.中学生、高校生の居場所作りについて


1. 障害児学童保育について

 日本共産党西宮市会議員団を代表して一般質問を行います。傍聴席のみなさんご苦労様です。
 親が仕事をしている子供たちの毎日の放課後、学校休業日の生活を守るのが学童保育です。学童保育は、子供たちが学校から「ただいま」と帰ってくる生活を営む場所で、家庭と同じように休息をしたり、おやつを食べたり、友達と遊び、宿題や掃除をするなどまさに「放課後の生活の場」そのものです。長引く不況でお母さんが働かないと生活が成り立たない、また子供を取り巻く環境が年々悪化し、子供が犯罪に巻き込まれることも増えています。
 西宮市では、船坂小学校を除く41校に学童保育があり、11月1日現在で1年生から3年生まで1916人の子供たちを保育しています。そして28箇所の学童保育では32人の障害のある子供たちを保育しています。学童保育が地域に整備されていないところもある中で、西宮市では安心して働くことができると多くの親から喜ばれています。西宮市でも、働くお母さんが増え、人口急増で、今後もますます学童保育を必要とする人が増えてくるのではないでしょうか。
 私は、先日、養護学校1年生の子供さんを育てておられる母子家庭の方から相談を受けました。「養護学校に通学しているが、地域の学童にお世話になり、親も子もたくさんの友達ができた、そして入学当初は話すこともたどたどしかったのが、健常児の子供たちと遊ぶ中で、言葉も出てきて、表情も明るくなってきた、養護学校の先生からも学童に入れて本当によかったねといわれている、しかし、西宮市の学童は3年生で終わってしまう、この子は4年生になっても一人で留守番をすることはできない、でも母子家庭のため私が働かないと生活できない、6年生まで預かって欲しい」と切実な相談です。
 1997年6月に「児童福祉法などの一部改正に関する法律」が成立し、学童保育が始めて法制化されることになり、働く親たちの長年の運動がやっと実りました。
 学童保育は、「放課後児童健全育成事業」という名称で「国と地方自治体が児童の育成に責任を負う(第2条)と定めている「児童福祉法」にはっきりと明記されるものになりました。この「放課後児童健全育成事業実施要綱」では、対象児童について、保護者が労働などにより昼間家庭にいない小学校1〜3年に就学している児童であり、そのほか健全育成上指導を要する児童も加えることができるものであることと書かれています。実施についての通達文章には、本事業の対象児童に「その他健全育成上指導を要する児童も加えることができるとは、(1)一部に10歳を超える放課後児童も含まれうること、と明記されています。
 場合によっては、高学年も学童保育に引き続き入所できるという事ではないでしょうか。障害児の子供を育てている親は、3年生で学童が終わってしまうと、特に、母親が正規で働いていたのをパートに変わったり、働く時間を短くしています。
 最近では、障害のある子どもたちに豊かな放課後を保障する運動も各地で取り組まれています。学校を終えて家に帰ってきても、テレビを見るかビデオを見るなど家の中で過ごすことがほとんどです、一人では外に遊びに行くこともできない子供たちにとっては、学校の長期休みには親も子もストレスがたまる、これが現状です。そこで養護学校にも学童保育を作ろうと運動がすすめられているところもあります。障害を持つ子供たちにとっても学童保育は遊びと生活を保障する重要場所になってきています。以下質問です。

  1. 西宮市でも、要求の強い障害のある4年生以上6年生までの子供たちの入所を早急に認めるべきではないでしょうか。
  2. 養護学校でも父母の就労保障、また家に閉じこもりがちな長期休み中の子供の生活を豊かにするためにも学童保育を設置すべきではないでしょうか。
  3. 養護学校に通うこどもたちはバスで通学しています、バス停から学童保育までは自力で行かなくてはなりません、それができない子供は、親が連れて行くか、または代わりの人に頼まなければならず、働いている親にとっては大変です、そのために学童に預けられないという人もいました。親がボランティアを見つけることも容易ではありません、送迎保障を市のほうですべきではないでしょうか。
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2.中学生、高校生の居場所作りについて

 中学生、高校生の年代は、思春期、青年期を迎え肉体的にも精神的にも大きな変化が見られます。そして、社会への関心も広がり、色々なことに興味を持ち、未来に向かって、夢や希望を持っています。しかし日々社会から強い刺激を受け、子供の心身にゆがみが生じ、不安や悩み、ストレスが蓄積されています。その中で、不登校、いじめ、ひきこもり、非行などの子供たちが増えています。
 また、子供がかかわる相次ぐ事件に多くの父母が心を痛めています。能力主義の競争教育、消費をあおる商業主義や性の商品化、命の軽視の風潮などのなかで、子供たちが犠牲になっています。兵庫県では中学生の不登校率が全国一高く、2000名近い高校生が中途退学しています。
 また、ゲーム、パソコン、携帯電話漬けの生活など情報化社会の発展で新たな犯罪に巻き込まれたり、人間関係の希薄化も進んでいます。本来子供たちは遊びの中で、お互いのよさを発見し理解していきますが、今は小学校時代から遊びが圧倒的に不足をし、多くの友達と頭と体を思いっきり使い、たっぷりの時間の中で、遊ぶ場所がなく、子供たちから「時間、空間、仲間」が奪われています。
 特に、中学生や高校生は地域で、安心して話をしたり、気軽にスポーツを楽しむ場所がありません、身近な公園は、野球やサッカーなどは危険であると禁止されていることがほとんどです。公園に中学生が集まっているとそれだけで、小さい子供を遊ばせているお母さんから怖いと見られ、地域で居場所のない子供たちは、ゲームセンターやスーパー、またコンビニエンスストアが、居場所になっています。私の住んでいる地域の小学校では夜の10時過ぎに子供たちが塀を乗り越えて学校に入り、遊んでいたことも報告されています。子供たちは仲間と語りたい、思いっきり体を動かしたい要求を持っていますが、そのような場所が地域にはありません。
 東京都杉並区では、児童青少年センター「ゆう杉並」が1997年にオープンしました。中高校生を中心とした大型の児童館です。おしゃべり、飲食、トランプ、ゲームなどが自由にできるスペースがあり、スポーツ施設、スタジオ、ミキシングルームがあります。多くの子供たちが利用し、スタッフの援助を受けて、子供たちが自ら運営をしています。そして、思春期の子供たちの地域での居場所として全国から注目を集めています。
 西宮市でも、2002年市長より「メディア社会の進展と青少年施策のあり方」ならびに「青少年が集える場の提供や世代交流ができる仕組みなど、地域における青少年健全育成のあり方」のついての諮問がなされ、2003年4月21日に西宮市青少年問題協議会より答申が出されています。そしてハード面では、青少年の集える場の新たな創設についてその必要性を認めています。また中学生のアンケートでは、町の中の居場所として自分の部屋のような「リラックスできるところ」「くつろげるところ」を求めているなどの結果も出ています。質問します

  1. 居場所の確保は、すべての人間に必要ですが、とりわけ青少年にとっては急を要することだと思いますが、市としては、中学生、高校生の居場所作りについてどのように考えているのでしょうか。
  2. 市内には児童館が8箇所あります、利用対象が幼児から、中学3年生までとなっていますが、内容や設備の面でも、利用しているのはほとんどが小学校の低学年までの子供たちで、中学生では利用できない実態です。東京、杉並区のように、思春期の子供たちが魅力を感じ、行ってみようと思うような施設作りをすべきだと考えるがどうでしょうか。
  3. 中学生、高校生が気軽にスポーツを楽しめるように、バスケットやスケートボードなどができる場所を増やすべきだと思いますがどうでしょうか。
    また、瓦林小学校の校庭を学校終了後、小学生、中学生、地域の人たちが自由に使っていますが、他の小学校にも広げていくべきではないでしょうか。

 以上で、私の壇上での質問は、終わらせていただき、御答弁によりましては、自席から再質問、要望をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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