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定例議会

2004年3月議会

杉山たかのり議員の一般質問

1.県「行革」について
2.県立西宮今津高校の総合学科への改編と総合選抜制度について
3.図書館の整備について


1.県「行革」について

 兵庫県は昨年12月4日、「行財政構造改革推進方策後期5か年の取り組み(案)」を発表しました。
この「行革」案は5年間の収支不足2550億円を解消するためとして一般財源で1750億円削減するとして、 (1)組織の再編 (2)県職員の定員削減と給与引下げ (3)事務経費の削減(4)使用料・手数料等の適正化による自主財源の確保 (5)先行取得用地の有効活用等、見直しの内容となっています。
  中でも医療助成の改悪等は、「弱者ねらいうち」の中味となっています。
  乳幼児医療では無料だった入院を1割負担に、通院は1医療機関月1500円までの負担となります。特に0歳児通院は現在市独自に無料化を行なっており、改悪による影響は大変です。その他母子・父子医療は無料から有料に、重度障害者の福祉医療も有料化し、老人医療では1割の自己負担を2割にし、所得制限も厳しくする、入院食事代補助の廃止など、これまでの福祉施策を大きく破壊するものと言わなければなりません。
  日本共産党は11月に示された原案の時から反対をしてきましたが、この「行革案」が発表されるやいなや、神戸市議会では負担転嫁反対の意見書提出、神戸市医師会が撤廃の署名をはじめる、さまざまの団体や県下市町から批判が相次ぐなど、県「行革」案撤回の大きな世論となりました。
  このような中、兵庫県は、一部をのぞいて新年度当初予算へ盛り込むことは断念しましたが、今年2月18日行革計画をほぼそのまま決定し、なお実施強行をねらっています。
  この県「行革」は財政が厳しいといって、県民には命にかかわる施策を切り捨てる、一方では開発事業はそのままに継続するという、言語道断なものであり、日本共産党は断固反対をするものであります。
  市長は行政方針の中で、「自治体の真価が問われる時代」だと言っていますが、私は、このような悪性が強行されようとしている時にこそ、地方自治法に基づいて、住民のくらしを守ることにこそ、自治体の真価があると思います。

  1. 兵庫県の行革計画は、5年間で約263億円もの県民負担となるものだが、西宮市の新年度および今後の影響額等は、どれぐらいの試算になるのか。
  2. 兵庫県は、各市町に行革計画に対する意見を求めたが、西宮市はどのような意見を提出したのか。
  3. 市民負担につながる県行革計画は、市として撤回を強く求めるべきではないか。
  4. 県は、わが党や医師会をはじめとした計画に反対する大きな世論により、福祉医療助成など新年度からの実施は見送ったが、入院生活福祉金や重度心身障害者介護手当て、人生80年いきいき住宅改造助成は新年度実施を強行しました。これらについては、市民負担とならないよう市として支援すべきだが、どうか。
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2.県立西宮今津高校の総合学科への改編と総合選抜制度について

 みなさんは、県立西宮今津高校がなくなってしまうという話をお聞きになったことがあるでしょうか。
  「今津高校がなくなるってほんと?」大変唐突な呼びかけの案内チラシが、地域で反響を呼んでいます。これは、高校と小中学校の教職員組合が出されているものです。
  どういうことかといいますと、県立西宮今津高校を3年後には普通科から総合学科に改編してしまう計画が着々とすすめられているというのです。
  本当にそんな話があるのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、根拠のない事かといえばそうではありません。
  現在、兵庫県教育委員会は、「県立高校教育改革第1次実施計画」にもとづき、新しいタイプの学校の設置として、単位制や総合学科制への改編をすすめています。すでに、西宮市でも、定時制の市立西宮西高校が廃止され、単位制の県立甲風高校が設置されています。
  総合学科については、来年度は、今年開校した武庫之荘総合、豊岡総合を含め全県下10校2320名の定員となっています。
 その他にも同計画では入学者選抜制度・方法の改善として、今年度は神戸第3学区で複数志願選抜と特色選抜という新しい選抜制度を導入、新年度は姫路福崎学区でもおなじ制度をスタートさせています。
  県教育委員会は昨年12月、『「県立高校教育改革第1次実施計画」における後期計画の推進』を示しましたが、そこでは、後期計画2004年度から2008年度までの計画を明らかにしており、西宮学区には2006年度から2008年度にかけて総合学科を設置するとしています。
  これらを総合的にみると、県教育委員会が西宮今津高校を総合学科に改編しようとしていると、言えると思います。
 西宮市の公立高校普通科は、現在県立6校、市立2校です。そして総合選抜制度が1953年度から約50年にわたって実施されてきました。問題になっているのは、北部に公立高校がないことも大きな要因となり公立高校の設置場所にかたよりがあり、通学が困難な生徒が多数いることではないでしょうか。
  さて、西宮今津高校が総合学科に改編されたらどうなるでしょうか。
  今年開校した県立武庫之荘総合高校のホームページを見てみますと、Q&Aの「総合学科とはどのような学科ですか?」という問に「生徒は入学後、基礎学力をつけながら、科目「産業社会と人間」で各種の体験や実践を通して自分の進路を考え決めていきます」「生徒は自分の夢実現に向けて普通科目と専門科目の両方から幅広く科目を選択して学びます」「生徒は自己決定、自己責任の精神が求められます」とあります。武庫之荘総合高校では、定員320名、半数は全県から推薦で、残る半数を学区から試験で入学をしています。
  西宮学区でも同様の措置がとられると、現行の入学試験制度に大きな影響を及ぼす事になります。
  第一に、普通科定員が西宮今津高校1校分減員され、開門率が現行約60%より大きく後退することになり、普通科を希望する生徒の道を閉ざす事になります。
 第二に、高校の設置場所が今以上に偏る事となり、全市的に校区が大幅に変わり、希望する居住地に近い公立高校にいけなくなる生徒が大幅に増えてくると考えられます。もちろん、西宮今津高校は普通科としてなくなるのですから、今津や真砂などの中学校の生徒は地元の高校へいけなくなります。
  第三に、総合選抜制度をやめさせようという動きがありますから、結論として、新たに生じた問題を総合選抜制度にあるかのようにして、その見直しにつなげるということが考えられます。
  私は、50年以上続いている総合選抜制度は、第一に中学生にとって、安心して高校受験に望める、第二に西宮学区の公立高校では学力の格差がない、など、国連も是正を勧告するほどの異常ともいえる競争的な教育制度のもとで、それを大きく緩和する役割を果たしてきていると思います。
  何人かの中学校長にも総合選抜制度に対する評価を聞いたことがありますが、一様に評価をするとともに、西宮市の中学校教育の前提となっているとの趣旨を言われていました。
  「15の春を泣かせない」という意味でも、安定した中学校生活、高校生活をおくる上でも、現行の総合選抜制度を堅持し、その一角でもある今津高校は総合学科などというものへの改編は必要ないものではないでしょうか。

  1. 西宮今津高校の普通科を総合学科へ改編するという問題についての市教育員会はどう認識しているのか
  2. 地元の普通科高校がなくなるということは、地域に大きな影響を及ぼす事になる。西宮今津高校校区の子供たち、教師、地域住民等、地元の意見を十分に聞くべきだと思うが、どうか。
  3. 新年度教育委員会行政方針で「選抜制度のあり方についても県教育委員会の方針・方向を注視しつつ本市としての課題を整理するなど研究してまいります」としているが、総合選抜制度を堅持することが大事だと思うが、どうか。
  4. 現行制度で問題があるとすれば、高校設置が偏在していることによって、地域から大きく離れた高校の通学を余儀なくされる高校生が多数いるということです。このことを解決するためにも北部に県立高校を設置することこそ最大の課題であり、教育委員会が責任をおうことではないのか。
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3. 図書館の整備について

 西宮市の公共図書館は、中央図書館、北口、鳴尾、北部の3つの拠点館、段上、甲東園、高須、上ヶ原、越木岩の5つの分室、及び移動図書館という体制がとられ、多くの市民が利用しています。
  教育委員会は図書館整備について、図書館のエリアは拠点館では、半径約1.5kmから2km、分室では半径約1kmという考え方をもっています。ですから、それにあわせて整備をしていることになっていると思います。
 しかし、私は、生活圏という考え方からすれば、小学校区あるいは公民館整備の基準となっている中学校区が、子供やお年寄りが利用できるエリアであると思います。そうすると、教育委員会の言うエリアは、現行の図書館整備にあわせた都合の良い考え方だといわなければなりません。
  今後、さらに図書館の整備をすすめていくべきことは、当然の事です。
  特に私は、津門・今津地区が三つの図書館のエアポケットに入り込んだようになっており、図書館が必要ではないかということを申しあげてきました。これは地域のみなさんも以前から要望をしているものです。
  より高い図書館サービスの実施を求めて、3点質問をいたします。

  1. 今後の図書館配置については、さらに設置箇所をふやすべきだと考えるが、どのような展望を持っているのか。
  2. 特に、要望の強い津門今津地区は、生活圏に図書館や分室がありません。新たに設置すべき地区だと思うがどうか。
  3. 新年度北口図書館の開館時間が金曜日夜8時までに延長される事になりました。しかし、各分室の開館日や各館・分室の開館時間はこの間あまり変わっていない。全館一律とはいかないが、立地等にあわせて改善すべきだと思う。北口図書館についても、金曜日だけでなく平日もふくめて8時、さらに9時まで延長すべきだと思うが、今後の見通しはどうか。
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