1.鳴尾西幼稚園閉園問題について
西宮市には22園公立幼稚園があり、2004年4月1日現在の園児数は1683人で、昨年より93人増えています。幼稚園や保育所での就学前教育が準義務教育のようになっています。2003年12月議会でも、市民文教常任委員会に「浜脇幼稚園4歳児クラスの定員増加についての請願」、「希望するすべての幼児が入園できるよう公立幼稚園のクラス増加などを求める請願」が出されました。人口急増に伴って希望する幼稚園に入りたくても入れない、子育てをする若い親にとっては切実な問題です。日本共産党西宮市会議員団はすべての子ども達が、希望する公立幼稚園に入園することは、当然だと請願採択の立場で奮闘しました。
そのような中で、2004年2月17日に鳴尾西幼稚園に子供を預けているお母さんたちに対して、園長先生から、「鳴尾西幼稚園は2005年末(2006年3月31日)をもって、閉園する」と話がありました。寝耳に水の話で、現在子どもを通園させているお母さんたちから、「あまりにも突然すぎるのではないか」と怒りや不安の声が出ています。
鳴尾西幼稚園は1946年5月、社会がいまだ終戦後の混乱の最中にある時、幼い子どもたちにいち早く教育をと、当時の鳴尾村関係者の熱意で設立され、58年も続いている西宮市内でも伝統のある幼稚園です、親子3代にわたって通園した人もたくさんおり、地域ではなくてはならない幼稚園です。
今、子どもをめぐる状況はひどい状態です、児童虐待が社会的に大きな問題になっています。市内にあります児童養護施設三光塾でも入所してくる子どもの多くが実の親から虐待を受けていたといわれています。地域社会が崩壊する中で、子育ての責任が親に重くのしかかっています、公立幼稚園の先生の平均勤続年数は17年、平均年齢が40.3歳とベテランの先生が多く、子育てに悩む若い親にとっては心強い存在ではないでしょうか。また長引く不況で、経済的にも公立幼稚園でないと通園できない家庭もたくさんあります。私学の幼稚園保育料の平均が現在月額2万円です。就園奨励金の平均が約6000円です。公立幼稚園保育料が8000円ですから、現在6000円ぐらいの差があります。特に子育て世代では、生活が苦しいという人が多くなり、少しでも安い方を希望するのは当然のことです。
鳴尾地域には鳴尾西、鳴尾東、高須西、南甲子園、浜甲子園の幼稚園があります。かりに鳴尾西幼稚園が閉園になっても1キロメートル以内に通える幼稚園があると言いますが、小学校に通うよりも遠い距離です、小さい子どもをつれて、また下にも子どもがいれば、その子も連れて通園しなければなりません。毎日のことであり、親と子どもにとっては大変な負担ではないでしょうか。
市には西宮市立幼稚園の休級・休園などに関する規定があります。
第3条 休級の規定では西宮市教育委員会は、幼稚園の翌年度分の園児募集締め切り時において、翌年度の小学校就学前1年または小学校就学前2年の学級の応募者が15人に満たないときは、他の幼稚園への入園調整を行ったうえで、当該学級を休級するものとする。ただし、地域の事情などを勘案して教育委員会が認めたときは、この限りではない。としています。
第4条 教育委員会は、小学校就学前1年および小学校就学前2年の学級が前条第1項の規定による休級の基準に2年間継続して該当した幼稚園については、休園するものとする。となっています。
そこで質問をします。
- 鳴尾西幼稚園は2005年度の募集を停止するとしています、この理由は何か。
- 鳴尾西幼稚園は2004年度の応募者が19人です、応募者が15人を越えています。これは、第3条の休級規定にも当てはまらないのではないか。
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