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定例議会

2004年6月議会

佐藤みち子議員の一般質問

1.鳴尾西幼稚園閉園問題について
2.少人数学級について
3.青少年の居場所づくりについて
4.保育所の待機児童解消について


1.鳴尾西幼稚園閉園問題について

 西宮市には22園公立幼稚園があり、2004年4月1日現在の園児数は1683人で、昨年より93人増えています。幼稚園や保育所での就学前教育が準義務教育のようになっています。2003年12月議会でも、市民文教常任委員会に「浜脇幼稚園4歳児クラスの定員増加についての請願」、「希望するすべての幼児が入園できるよう公立幼稚園のクラス増加などを求める請願」が出されました。人口急増に伴って希望する幼稚園に入りたくても入れない、子育てをする若い親にとっては切実な問題です。日本共産党西宮市会議員団はすべての子ども達が、希望する公立幼稚園に入園することは、当然だと請願採択の立場で奮闘しました。
 そのような中で、2004年2月17日に鳴尾西幼稚園に子供を預けているお母さんたちに対して、園長先生から、「鳴尾西幼稚園は2005年末(2006年3月31日)をもって、閉園する」と話がありました。寝耳に水の話で、現在子どもを通園させているお母さんたちから、「あまりにも突然すぎるのではないか」と怒りや不安の声が出ています。
  鳴尾西幼稚園は1946年5月、社会がいまだ終戦後の混乱の最中にある時、幼い子どもたちにいち早く教育をと、当時の鳴尾村関係者の熱意で設立され、58年も続いている西宮市内でも伝統のある幼稚園です、親子3代にわたって通園した人もたくさんおり、地域ではなくてはならない幼稚園です。
 今、子どもをめぐる状況はひどい状態です、児童虐待が社会的に大きな問題になっています。市内にあります児童養護施設三光塾でも入所してくる子どもの多くが実の親から虐待を受けていたといわれています。地域社会が崩壊する中で、子育ての責任が親に重くのしかかっています、公立幼稚園の先生の平均勤続年数は17年、平均年齢が40.3歳とベテランの先生が多く、子育てに悩む若い親にとっては心強い存在ではないでしょうか。また長引く不況で、経済的にも公立幼稚園でないと通園できない家庭もたくさんあります。私学の幼稚園保育料の平均が現在月額2万円です。就園奨励金の平均が約6000円です。公立幼稚園保育料が8000円ですから、現在6000円ぐらいの差があります。特に子育て世代では、生活が苦しいという人が多くなり、少しでも安い方を希望するのは当然のことです。
 鳴尾地域には鳴尾西、鳴尾東、高須西、南甲子園、浜甲子園の幼稚園があります。かりに鳴尾西幼稚園が閉園になっても1キロメートル以内に通える幼稚園があると言いますが、小学校に通うよりも遠い距離です、小さい子どもをつれて、また下にも子どもがいれば、その子も連れて通園しなければなりません。毎日のことであり、親と子どもにとっては大変な負担ではないでしょうか。
 市には西宮市立幼稚園の休級・休園などに関する規定があります。
 第3条 休級の規定では西宮市教育委員会は、幼稚園の翌年度分の園児募集締め切り時において、翌年度の小学校就学前1年または小学校就学前2年の学級の応募者が15人に満たないときは、他の幼稚園への入園調整を行ったうえで、当該学級を休級するものとする。ただし、地域の事情などを勘案して教育委員会が認めたときは、この限りではない。としています。
 第4条 教育委員会は、小学校就学前1年および小学校就学前2年の学級が前条第1項の規定による休級の基準に2年間継続して該当した幼稚園については、休園するものとする。となっています。
そこで質問をします。

  1. 鳴尾西幼稚園は2005年度の募集を停止するとしています、この理由は何か。
  2. 鳴尾西幼稚園は2004年度の応募者が19人です、応募者が15人を越えています。これは、第3条の休級規定にも当てはまらないのではないか。
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2.少人数学級について

 全国の自治体で、公立小中学校の学級定員を、独自に国の基準より少なくする「少人数学級」が急速に広がっています。本年度は、昨年度の1.4倍の42道府県、全都道府県の9割までになりました。一部の学年、学校に限定し、必要な教員増を行わないなど課題も多く残されていますが、少人数学級の広がりは「今こそ国の責任で少人数学級の早期実現を」の声と運動を高めています。
 さて、兵庫県でも本年4月より小学校1年生のみ35人学級になりました。これは長年にわたり多くの親や教師が運動を続けてきた成果であり、市議会でも日本共産党西宮市会議員団が何回も議会で取り上げ、また日本共産党兵庫県会議員団が本会議、委員会で繰り返し取り上げ実に200回にもわたって質問を重ねた結果です。西宮市の2004年度1年生は42校、4455人です。従来の40人学級では131学級になります、35人学級が実現されたことで149学級になり、18学級が増えました。3年前から少人数学級を実施してきた山形県では、小学校の少人数学級の対象学年を段階的に拡大し、3年目の今年4月から小学校全学年が対象になりました。県が実施校で行ったアンケートで、小学4年児童の父母は「教育効果は上がっているか」との質問に54%が「あがっている」と回答しています。また校長を対象とした「子どもの姿から感じる教育効果」について「欠席の減少」が70%、「学級のまとまりが」80%に達しています。県は「年ごとに着実に効果が現れている」とみています。また教師からは「一人一人に目が届くようになった」「授業時間の中で全員が発言でき、話し合いができるようになった、そのことで子どもたちが他者を思いやる気持ちが大きくなってきたように思う、また教師にとっても子どもたち一人一人と密接にかかわれるようになってきた」と答えています。山形県では知事が今年4月、中学校への少人数学級を支援する考えも表明しさらに拡大する方向です。
 全国の自治体で少人数学級が大きく広がってきた背景には、このような確かな教育効果が上がってきているからではないでしょうか。
 今、小学校、中学校では働く親が増えています、両親が必死で働いて生活を維持しているのが現状です。そしてその働き方も長時間労働、土、日、祝日も働き、学校5日制とはいっても子どもたちだけで過ごしている家庭もあり、子どもと向き合ってゆっくり話す時間も取れません。少人数学級で子どもたちの声に真剣に耳を傾け、子どもの思いや意見を尊重し、子どもを一人の人間として大切にする人間関係を作っていくことが、今の子どもたちにとても必要なことだと思います。
 私の知り合いも今年初めて入学するに当たって、1年生が35人学級になったこともあって2クラスで出発することになり、「先生の目が子どもたちに行き届いて、とても安心」と聞いています。子どもたちも落ち着いて始めての学校生活を送っていると、多くの親が喜んでいます。
 しかし兵庫県では35人学級を1年生に限るとしています、実施している多くの自治体では教育効果があるとし実施学年を拡大し、小学校だけでなく中学校でも実施しています。少人数学級は親や教師の強い要望です。日本共産党は、1年生だけでなく段階的に学年を引き上げ、中学生に広げること、そして国の予算での30人学級を実現していきたいと考えています。
 そこで質問します。

  1. 兵庫県では35人学級を1年生に限るとしています、他の自治体では、効果があがっているとして評価をしています。親や教師の願いも引き続き学年が上がっても実施をして欲しいという希望があります。日本共産党は、年々学年を拡充していくべきではないかと考えるがどうか。
  2. 1年生で35人学級が始まって2ヶ月がすぎました。現場の教師や親の意見、また教育効果などどのようにとらえているのか。
  3. 35人学級になり児童数の少ない学校では1クラスが20数人のクラスもあり、40人学級と比べて子どもたちの変化は見られるか。
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3.青少年の居場所づくりについて

 私は12月議会で、中・高校生が地域で居場所がなくゲームセンターやコンビニが子どもたちの居場所になっている、地域の中で中・高校生が安心していられる居場所が必要だと質問しました。
答弁では、中・高校生が、自由にくつろぎ、交流できる施設を作ることは、財政状況からきわめて困難だとしながらも居場所は必要との立場から、スポーツクラブ21、みや水ジュニア事業、みやっこキッズパークなど、スポーツ、文化面から、居場所づくり事業をスタートしている、また地域の青少年関係団体による公民館を活用した中・高校生の、フリースペース事業を行ない、中・高校生が気軽に集まり、おしゃべりやゲーム読書などを楽しみながら、ゆっくりありのままの自分でいられる場所としている、また、西宮浜北西地区にスケートボード広場ができるということでした。
 その後、日本共産党議員団で東京都杉並区の児童青少年センター「ゆう杉並」の視察に行きました。
 1階は子ども達がおしゃべり、トランプ、将棋などをしたり、自由に食べたり、飲んだりできる、ゆったりとしたスペースになっていました。
 地下には570平米ある大きな体育室がありバスッケットゴールが6面ついています、バトミントンは公式が3面取れます。ここでは、中・高校生たちが、バスッケット、バトミントン、バレー、卓球と自分の体を思いっきり動かしています。私たちが視察に行った時も、小学生、中学生がバスケットやサッカーをして遊んでいました。2階には勉強ができる学習コーナーやファミコンのできる鑑賞コーナーも設置されています、「ゆう杉並」が誇るスタジオが3部屋とミキシングルームがあります個人登録・利用講習会・団体登録をすれば無料で利用できます。年に数回行われるライブもここで練習した彼等の絶好の出演機会になっています。また、女子美術大教授の支援を受け、学校と連携して不登校児が参加できる陶芸教室を実施しています。運営も中・高校生の運営委員会が主体的にし、そして、困ったことがあれば、子どもたちに寄り添って、一緒に考えて行動してくれる職員がいることが、大きな支えとなっていました。
 現在、西宮市では勤労会館、勤労青少年ホーム、サンアビリティーズにしのみやの3施設の有効利用を考えています。勤労青少年ホームは市内在勤、居住している30歳未満の青年が利用対象になっていますが、青少年にとって魅力ある場所でなく、利用者が少なくなっています。青少年の意見も聞きながら、行きたくなるような施設作りが必要だと思います。
  そこで質問します

  1. 西宮市で子どもたちの居場所づくり事業としてのスポーツ21、宮水ジュニア事業、公民館を活用した中高校生のフリースペース事業の今の状況はどうなっているか。また、西宮浜北地区のスケートボードができる広場の利用状況はどうか。
  2. 勤労青少年ホームは、阪神西宮、JR西宮からも近く交通の便がいい場所にあります。利用対象者が30歳未満の青年になっていますが、青年にとっては魅力ある場所ではなく、利用率が低くなっています。2003年度の全体の利用率が、1148件、20.2%ですが、原因は何か。
  3. 青年にとって魅力ある施設にしていくことはもちろんのこと、中・高校生も利用できる施設にして子どもたちの居場所として確保すべきではないか。
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4.保育所の待機児童解消について

 このほど2004年5月1日現在の西宮市保育所待機児童状況が明らかになりました。
 今年度は2ヵ所で増設され、81人の定員が増えましたが、さらに公立で90人、私立で116人、合計206人の子どもたちが入所できずに待機となったことは深刻です。特徴は、阪急以北で一定の改善は見られるものの、西宮浜で28人、建石・浜脇・用海などで30人と南西地域で約60人の待機となっていることです。この地域はもともと共働き世帯が多く、その上に酒造会社など工場跡地に相次いで大型マンションが建設され、待機状況が増幅されたものです。また結婚後も出産後も働きつづける女性が増加の一途をたどっており、このような状況のもと、西宮市として子育て支援をしっかり取り組んで欲しいものです。山田市長は人口が増えることはいいことだと、野放し状態で大型マンション開発を促進してきた責任においても市民の保育需要に責任を果たしてもらいたいと思います。
  一方国は、2002年度から3カ年計画で進めてきた「待機児童ゼロ作戦」を今年度で終了させるとしています。しかし昨年4月の数字ですが全国的には100を超える自治体が依然として50人以上の待機児童をかかえ、待機児童総数ではまだ2万6000人を超えており、国の責任としても一層の整備促進こそ必要です。待機児童ゼロ作戦は今年度で終了予定ですが、今後は児童福祉法改正で定められた待機児童50人以上の自治体で「保育計画」を策定し待機児童解消に向けて努力することが義務づけられているとも聞いているところです。
  以上を踏まえて質問します

  1. 開発がまだまだ進められている西宮市として、2006年度以降の待機児童予測をどのように見ているか。
  2. マスタープランでは2005年度に3箇所の新設認可保育所の開設が計画されている。その進捗状況と国県補助の見通しはどうか
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