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定例議会

2004年12月議会

佐藤みち子議員の一般質問
  1. コミュニティバスとバス路線の充実について
  2. 学校施設(エアコン、エレベーター)の整備について
  3. 少人数学級について
  4. ららぽーと甲子園について

1.コミュニティバスとバス路線の充実について

 バス事業は、高齢者の移動手段の確保や環境対策の面からも、21世紀の持続可能な交通手段として、鉄道とともに、交通政策や街づくり計画に位置づけられるのが、世界の大勢となっています。

 最近の乗り合いバス乗客数は、最盛期だった1968年の半分以下にまで減っています。バス輸送人員とマイカー保有台数を1968年と2001年で比較すると、バス輸送人員は99億人から46億人と半分以下となり、マイカー保有台数は172万台から4210万台と、約24倍になっています。モータリーゼーションの急速な発展がバス事業を衰退させたことがあきらかです。このような結果、自動車の運転免許を持たない高齢者や子どもたちが交通弱者として移動手段に大変不便な思いをしています。高齢者は一般に、加齢とともに脚力、視力、聴力などの身体機能が低下し、移動の際には、階段の昇降、段差の乗り越えなど、物理的に大きな制約を受けることになります。高齢者世帯の増加により、高齢者のみで外出する機会が増えれば、行きたいところへ自由に行けないという移動制約の問題が社会的にますます大きくなるものと考えられます。

 1998年度内閣府がおこなった「高齢者の日常生活に関する意識調査」によれば高齢者が外出する時の障害として (1)道路に階段、段差、傾斜があったり、歩道が狭いこと (2)交通事故が心配 (3)バス、電車など公共の交通機関が利用しにくい等があげられています。これらの改善は、高齢者のみならず全ての人の外出機会を増加させることにつながります。このような点から今、地方自治体では地域巡回バス(コミュニティバス)が多数運行されています。

 さる10月31日にバス交通不便地域の充実、地域巡回バスの実現めざして「西宮市内のバス問題を考える会」の設立総会が開催されました。「市内には東西にJR、阪神、阪急電車が走り、大阪や神戸に通勤や遊びに行くのは便利だが、市内交通のなかでの地域間の移動が特別に不便、巡回バスがあればどれだけ助かるか。」「2時間に1本しかバスが来ない地域があり、これは人の自由を阻むものであり、生存権にかかわるのではないか」との声もでました。北部地域では「幹線道路にはバスは走っているが、急な坂道を上がっていく団地にはバスがない、北部から南部に通学する高校生は時間と多額の交通費に大変な思いをしている、また、バスもタクシーも山間料金で高いこと、買い物も車で行かなければならず、高齢化で運転できなくなればたちまち困る。阪急が開発したところにはバス路線があるが、それ以外はない」「西宮浜では浜の施設では不十分なため市街地に出かけるのに往復420円のバス代が負担になっている」など切実な現状が話されました。私の地元の鳴尾、高須地域でもバス路線が阪神甲子園駅、JR甲子園口駅を拠点にしているため、「目的地に行くのに何度もバスを乗り継がねばならないので不便」高齢者は病院に行くのにタクシーを利用している人が多く、「年金生活で交通費が大変という声」が聞かれます。

 このように、バス路線の拡充や地域巡回バスを要望する市民の声はますます大きくなってきています。バスによる移動は高齢化社会を迎え市民の足としても重要度を増しています。また交通渋滞や排気ガスなどの環境対策としてもその重要性が高まってきています。病院、公共施設、買い物ができるところをめぐる地域巡回バスの要望は、高齢者だけでなく、障害のある人や赤ちゃんを連れた若いお母さんたちの願いでもあり、全市的にコミュニティバスを走らせてほしいという要求が高まっています、市として市民の声に応えるべきではないでしょうか。

<質問事項>

  1. 尼崎市、神戸市では市バスがあります。高齢者には無料パスがあり、気軽にバスを利用して外出されています。2003年9月議会でわが党の上田議員が、西宮浜の問題を取り上げ、100円で乗れる地域巡回バスの実現をと質問しました。その質問に答えて都市局長が「コミュニティバスの運行事例を見ても、ほとんどの自治体が実績のあるバス事業者に運行を委託している、運行主体のあり方や経費の削減方法などにつきましては、今後とも幅広く検討してまいりたいと考えております。」と答弁しました、現在までどのように検討したのか。
  2. 1期目の市長当選後12月議会の施政方針でやるといったコミュニティバスの導入には具体的に何もしてこなかったこの理由はなにか。また採算性に問題があるとした南北連絡バスを今回の選挙公約にあげているが、これはいつまでに実現させるのか。
  3. バス路線がなく交通不便な地域には新規のバス路線を拡充すべきだが、どう具体化するのか。
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2.学校施設(エアコン、エレベーター)の整備について

 小、中学校の普通教室にエアコンを設置すべきと、日本共産党は何回も議会や委員会で質問をしてきました、しかし、教育委員会は普通教室にエアコンを設置する考えはないと拒否をし続けてきました。現在西宮市内の小学校13校、中学校5校、幼稚園5園、養護学校1校にエアコンが設置されていますが、主に航空機や幹線道路の騒音対策の関連で設置されてきました。しかし、近年の夏は大変な猛暑です、今年の夏も連続90日真夏日が続いたと報道されていましたが、時には気温が35〜36℃と異常に高い日もありました。そのような日は子どもたちの熱気もあり教室の中は40℃にもなり、まさに温泉かサウナのような状態です、しかし教室の中は扇風機もありません、窓は開けているものの風が通らない日もあります、子どもたちはこんな過酷な中で勉強をしているのです。もしこれが大人なら1時間でも到底耐えられない環境です。
  また、今年は9月に入っても連日30度を超える暑さが続き、そのなかで子どもたちは運動会の練習をしています、暑さでふらふらになっても体を冷やすこともできず、次の授業に向かわざるをえません、職員室や音楽室、図書室などの特別教室にはエアコンが設置されていますが、子どもたちが1日の大半をすごす普通教室こそ真っ先にエアコンを設置すべきではないでしょうか。中学生の子どもに聞きましたが、「暑いからみんな下敷きで煽いでいる、その音がうるさくて先生の声が良く聞こえない、暑すぎて頭がふらふらする」子どもたちをいつまでこのような環境に置いておくのでしょうか。

 次にエレベーターについてです、
  西宮市では1997年から地域に開かれた学校、障害のある生徒の負担軽減のため、現在中学校8校、小学校7校にエレベーターが設置されていますが、バリアフリーの問題でも学校が大変遅れています。今年の8月に、私の地元の高須東小学校にもエレベーターが設置されました、車椅子を使っている小学校5年生の児童を補助員さんたちが毎日抱えて階段を上っていたのですが、本人も抱える方も双方が大変でしたが、エレベーターが設置されたおかげで自力移動ができるようになり、人に頼らなくても自分で行きたいところに行ける様になったことは子どもにとっては大きな喜びです。教育委員会は来年度3校にエレベーターを設置したいと計画しているようですが、仮に毎年2〜3校だと全ての小、中学校にエレベーターが設置されるのに20年はかかります、身体に障害のある子どもたちが普通学校に入学することも増えています、地域に開かれた学校として、老人クラブの方と交流している学校もあり、エレベーターの設置が急がれているのではないでしょうか。

<質問事項>

  1. 教育委員会は普通教室に市単独ではエアコンの設置はしないと言いますが、真夏の教室の状況、また子どもたちの現状をどのように認識しているのか。
  2. バリアフリーから考えて早急にエレベーターを設置していくべきだと考えるが、エレベーターの設置されていない学校にはいつまでに設置していく計画なのか。
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3.少人数学級について

 兵庫県では日本共産党と市民の長年の運動により、今年の4月から県の新学習システムに「小学校1年生の弾力的学級編成にかかる調査・研究」が追加され、1年生が35人学級になりました、学習集団としての少人数学級についてはその効果が大きく評価されていますが、さらに生活集団としても、担任教師の目が行き届き、きめ細かく個別に対応できるとし、子どもたちにとっても良い効果があることが明らかになってきました。1年生の親は「子どもたちが落ち着いて生活している、先生の話も良く聞いて授業も集中している」と喜んでおられます、「ぜひ、継続して2年生も35人学級にして欲しい」というのが多数の方の思いです。

 2004年兵庫教育白書でも職場の忙しさの原因として、「事務量の増加」に加えて「配慮を要する子どもの増加」が前回の3位から今回は2位になっています。学習障害児・LD、注意欠陥多動性・ADHDといわれる学習面や行動で著しい困難を示す子どもが増えています。特別支援教室がはじまっても、この子どもたちの大部分は通常学級に在籍します。それに加えて、長引く不況、リストラ、長時間労働などによる親の生活悪化、不安が、子どもたちの生活に影響を与えていることで、子どもの育ちに問題がでています、25年間にわたって全国の子どもの「体」を調査している日本体育大学名誉教授の正木健雄氏は「集中力が弱く落ち着きもない」いわゆる「そわそわ型」の子どもは、小学校に入るとぐっと減っていくというのがこれまでの傾向でしたが、最近は小学校に入学しても「そわそわ型」の子どもが4割から5割に及んでおり、「そういう子は教師の話を1分くらいしか聞き続けられない」と報告しています。さらに最近指摘されているのが、学校の授業に集中できず動き回る「多動性」などの子どもが増えている問題です。こうした教室を飛び出したりする子どもの周りに、そわそわ型の子どもたちが学級の半数もいることが、学級崩壊の引き金になっています。だからこそ少人数学級にして、きめ細かい対応をすることが求められているのです。
  実際に少人数学級を実施している県では、学習効果と合わせて「基本的生活習慣が定着した」「仲良く遊んだり、学級の問題をみんなで話し合うなど、学級のまとまりが良くなった」など、生活集団としての効果が確認されて実施学年を拡大しています。

<質問事項>

  1. 1年生の35人学級について、市としてどのように評価しているのか。
  2. 私は今年の6月議会でこの問題を取り上げ、県に学年の拡充を強く申し入れてほしいと質問しました、教育委員会は「本年度行っております35人学級としての研究成果と課題を整理し、他学年への拡充も検討するよう国、県に対して要望するよう考えております」と答弁しました。現在の状況はどうか。
  3. 市としては兵庫県に来年度も引き続き小学校1年生の35人学級を実施すること、2年生にも拡充するように求めていくのか。
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4.ららぽーと甲子園について

 11月25日、阪神パーク跡地にイトーヨーカドーを核とする、ららぽーと甲子園がオープンし、初日は7万人を超す買い物客が詰め掛けたと報道されていました。延床面積8万4883平方メートル、店舗面積4万6298平方メートル、駐車場台数3013台、西日本最大のショッピングセンターといわれています。私も初日に様子を見に行きましたが、平日にもかかわらず新聞報道の通り大変な人出でした、これだけの人がどこから集まってくるのかというほどで、まるで梅田の地下街を歩いているようでした。また人とともに自動車と自転車が多くなり、甲子園筋、臨港線は駐車場への出入りで渋滞し、土、日、はさらに渋滞がひどくなっていました。地元住民にとっては交通渋滞や環境の悪化などの問題がおきてくることが予測される状況になっています。
  また、ららぽーと甲子園は大変な賑わいですが、すぐ東隣にあるコープ、関西スーパー鳴尾店は、人がまばらな状態で、近所の商店街からは「このままだと大型店とコンビニエンスストアだけの街になってしまう」との声があります、近隣のなるお銀座、みやこ商店街、新甲子園商店街の商店にこれから先どのような影響が出てくるのか、計り知れません。

<質問事項>

  1. 臨港線、甲子園筋は自動車が増え時間帯によっては渋滞している、駐車場の出口が道路の構造上大変危険な箇所がある、また道路上でUターンするなど危険である、交通渋滞問題と今後の対策をどう考えるのか。
  2. イトーヨーカドーを核とし、ららぽーと甲子園は専門店が170店舗入っている。周辺商業施設にどんな影響をもたらしているのか。また高齢化社会を迎え、歩いて買い物にいける近隣の商店街の必要性が高まっているが、これらの商店街を発展させるために市はどのような方策を考えているのか。
  3. ゲームセンターが2箇所あり、甲子園警察からも明らかに治安が悪くなると言われている、近隣には中学校や高校があるが教育委員会として子どもたちを守るためにどのように考えているのか。
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