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定例議会

2005年3月議会

たてがき初男議員の一般質問
  1. 高すぎる国民健康保険料の引下げを
  2. ジェンダーフリーについて
  3. 武庫川(リバーサイド)の河川改修について
  4. 自転車道の整備とルールの徹底について

高すぎる国民健康保険料の引下げを

 西宮市の国民健康保険(以下国保という)の加入世帯は昨年11月末日時点で7万9633世帯14万1233人となっています。国保加入世帯の所得は200万円以下が全体の73.7%、100万円以下が約半数となっています。保険料を見てみると給与所得200万円の場合21万550円、実に所得の1割もの保険料となり、あらためて高いものとの思いを強くしました。国保料がこのように高くなってきた原因の1つには政府による市町村への国庫負担の引き下げが大きな原因ですが、さらに西宮市は市民犠牲の「行革」を強行し、保険料を引き下げるために一般会計から5億円を繰り入れていたものを、2001年度は3億円に、2002年度は1億5000万円に2003年度からはなくしてしまったからです。そこでこの国保会計に一般会計からの繰入総額がどうなってきたのかを調べてみました。5億円の繰り入れが行なわれていた2000年度決算とまったくなくなった2003年度決算をそれぞれ比べました。判りやすくするために被保険者一人あたりに直しました。一般会計からの全体の繰入額は2000年度は2万6579円、から2003年度2万2037円に17.1%減少。保険料は10万1339円から11万4333円で、12.8%増加となっています。このように一般会計からの繰り入れをリストラといって減らした結果、保険料が高くなり冒頭にも紹介したように200万円の所得で21万円もの保険料となっています。その上、この保険料は阪神間で一番高くなっています。当然繰入額は最低です。

  次に保険料の納入率を見ると、2000年度は91%、2003年度は88.4%に落ちています。保険料が年々高くなって払えない、払いにくくなっていることが明確になっています。このようなやり方は昔見た映画で極悪非道の高利貸しが借金の形に病気で寝ている父親の布団を剥ぎとっていく場面を思い出させました。低所得者にとって高すぎる保険料、その上に震災、長引く不況、さらに追い討ちをかけるように、新年度から自民・公明両党の政府によって、定率減税の段階的廃止、低所得の高齢者への非課税措置の廃止などにより一層負担増がおしつけられます。

  国保では保険料滞納者に対して罰則として数ヶ月の短期の保険証(短期証)や医療機関で全額支払わなければならない資格証の発効が政府によって義務付けられました。この数は今年1月末日時点で短期証は1962世帯、資格証は412世帯となっています。中でも短期証の発効は増加傾向を示しています。

  山田市長は第二次「行革」で保険料を引き下げする予算は必要ないと5億円をばっさりと切り捨てました。その結果保険料が上がって滞納が増えちゃんとした保険証がもらえない世帯が増える。滞納が増えるとその分まで被保険者が次の年保険料で負担する、当然余分に保険料が上がる、保険料が高くなって、また滞納が増える、それで保険料が上がる、滞納が増える、保険料が上がる、こんな悪魔の循環を繰り返してもなんら解決しません。この悪循環を断ち切る方法はただ1つ。それは一般会計からの繰入額を増やし、保険料を引き下げることです。保険料が安くなって、滞納が減れば、それが次の年にも反映され、資格証や短期証も減り、市民の命と健康を守り、国保会計の健全化につながります。山田市長は無駄な公共事業に税金を使うのではなく、西宮市が地方自治体としての役割である住民の福祉の増進こそとるべき道ではないでしょうか。
  そこで質問します。

  1. 保険料が高すぎるため、滞納が増えそれが短期証や、資格証の増加につながっている。このような悪循環をたち切ることが緊急に必要だが、保険料を1世帯平均1万円引き下げるには8億円あればできるので、一般会計からから繰り入れるべきではないか。
  2. 滞納を避けるためにはきめ細かい減免規定が欠かせない。現行の保険料の減免については前年度所得より半分以下に減少した場合となっているが、長引く不況や、リストラによる売り上げや賃金の減少にも対応できるよう、前年度より3割程度の減少でも減免できるようにしてはどうか。また、借入金の返済のため、保険料が支払い困難な場合にも減免できるようにしてはどうか。
  3. 資格証の発行という国保証取り上げによって、体調を崩してもすぐに医者にかかれないで重篤に陥った事例も各地で出ている。文字どおり国保は市民の命と健康を守る砦でという観点から、医療機関で全額自己負担しなければならない資格証の安易な発効はやめるべきではないか。
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ジェンダーフリーについて

 まず、最初にジェンダーフリーという言葉の説明を念のためにしておきます。西宮市教育委員会が発効したパンフレットでは、「ジェンダーとは、女性と男性という生物学的に異なる性差をセックスとよぶのに対し、『女らしさ、男らしさ』のように社会的・文化的につくられた性差をジェンダーといいます」と説明しています。フリーという言葉はバリヤフリーのフリーと同じで辞書を引くと束縛や障害などがなく自由なという意味とあります。「ジェンダー・フリー」とは、「男らしさ」や「女らしさ」など社会的文化的につくられた性差(ジェンダー)にしばられないという意味です。

  戦前の日本は俗に「女三界に家無し」ともいわれました。女性は結婚するまでは父親に従い、結婚すれば夫に、老いては息子に従い、今日では当たり前の選挙権、相続権などがまったくありませんでした。戦後日本国憲法ができ、基本的人権、個人の尊重、法の下の平等で性別によって差別されないと規定され、さらに24条では婚姻においては夫婦が同等の権利を有し第2項では個人の尊厳と両性の平等と明確に男女平等がうたわれています。しかし永年、日本の実態は男女平等が貫かれないなかで、世界の動きや国内の女性を中心とする大きな運動もあって、1999年男女共同参画社会基本法が成立しました。その前文には「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている」とし、男女共同参画社会の定義として「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」としています。そしてこの法律は「男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを」目的としています。

  この法律の施行によってより一層ジェンダーフリーの考えが広まってきたと思います。ところが、このことを快しとしないほんの一にぎりの人たちが、歴史を後戻りさせようとあがいています。その具体的な例が昨年6月議会に「保育園・幼・小・中・高等教育においてジェンダーフリー教育を行なわないことを求めることについての陳情書」です。またこれに前後して本会議でも何人かの議員が「ジェンダーフリー」を批判する立場で一般質問を行なっています。ジェンダーフリーという言葉を批判している人たちは意図的に男性、女性と言うような性、すなわち生物学的に捕らえるべき問題と、人間社会が作り出したというか、男社会が作り出したのでしょう、男が主役で、女が脇役というような社会的文化的な問題をわざと混同して、ジェンダーフリーは生物学的な「男は男らしく、女は女らしく」まで否定しているとしています。このような論理のごまかしを聞いて思い出すのは歴史認識の問題です。「当時従軍慰安婦という言葉はなかった」「南京大虐殺は日本軍が何人殺したのか明確でない」と言い張って教科書の訂正を求めました。これらの共通点は物事の本質を科学的に捉えようとはせず、自分達に都合がいいように勝手に解釈して攻撃すると言う手法です。これらの人たちは人間の考え方が進歩、発展し、より民主的になって行くことが好ましいと思っていないのではないでしょうか。
  そこで質問です。

  1. ジェンダーフリーとは生物学的な男女を否定しているのではなく、社会的に作られた男女の性差を解消して行こうとする考えに立ち、これまで社会を啓蒙する大きな役割を果たしたと考えるが、当局はどう評価するか。
  2. 男女共同参画社会基本法前文の「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている」とあるように、ジェンダーフリーすなわち、社会的、文化的につくられた性差の解消は今後もさらに強力に進めていく必要があるのではないか。
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武庫川(リバーサイド)の河川改修について

 台風23号による大きな浸水被害が名塩木之元通称リバーサイド住宅地区に起こり、日本共産党議員団は2度にわたる現地調査、被災者からの聞き取りを行ない、市長宛の申し入れや、昨年12月議会の一般質問でも「リバーサイド住宅が今後浸水被害が起こらないようにするため、移転も含めた安全対策について、西宮市として県と協議し、その方針を住民にいち早く報告すべきではないか」と取り上げてきました。土木局長の答弁は「遅くとも今年度中には改修計画を取りまとめ、1日も早く実施したいとしております。市といたしましては、県と同住宅地関係者との協議調整が円滑に進み、関係者が理解できる措置が実施されるよう努力してまいりたいと考えております」というものでした。

  兵庫県は当初、12月中には河川改修の考え方を示すと言っていましたが、地元に説明したのは2月27日でした。日本共産党議員団は12月議会のリバーサイド自治会からの請願第31号「リバーサイド住宅の罹災及び安全・安心のまちづくりに関する請願」の紹介議員団としても、県がどのような考えを示すのか直接知ることが重要と考え私も出席しました。そこで示されたのは上流での雨量や水量をリバーサイド住宅地区に知らせ、回転灯やサイレンで注意を喚起するというもの、このことはわが党が1997年以来一貫して要求してきたものですが、それと河川改修については現在の川幅を12メートル程度広げ、堤防の高さを住宅地盤面より1.2メートルから5メートル近くまでかさ上げし、幅も最上部で4メートルを越える堤防を造るというものです。この計画で気になるのは、堤防築造にかかる宅地については明らかに立ち退きになりますが、それ以外のところは移転の必要がないということです。昨年12月議会の請願第31号の請願趣旨の中で述べられていた「堤防改造に伴う、無条件の全戸移転」とは違う結果になってしまうということです。河川法では第16条の2で河川整備計画が規定され4項では「必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」また5項では「関係市町村長の意見を聴かなければならない」となっています。また、市長の行政方針では「県が予定している河川改修についての地元協議に参画し、県が予定している河川改修についての地元協議に参画し、被災された方々との協議・調整が円滑に進むよう努めます。に進むよう努めます」としています。
 以上ことを踏まえて質問します。

  1. 当局は請願31号で触れられている「堤防改造に伴う、無条件の全戸移転」は地元の総意と考えているのか。
  2. 「無条件全戸移転」が地元の総意とするならば、兵庫県の河川改修計画は地元の総意を満たすものではない。河川法16条の2の5項により、地元市長としての意見を行政方針で言う「被災された方々との協議・調整が円滑に進むよう」というだけでなく、積極的に市長として地域住民の総意を県に表明すべきではないか。
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自転車道の整備とルールの徹底について

 私が自転車に本気で乗り始めたのは1997年7月5日からです。それは、本気で自転車を買ったからです。それまでは人からもらったり、中古の安いのを買ったりしていました。そして本気で自転車に乗り出して、自転車ってこんなすばらしい乗り物だったんかとあらためて思いました。自転車は端に手軽な乗り物というだけではなく、先進国に二酸化炭素などの温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書が発効されましたが、化石燃料を必要としない、環境にやさしい乗り物です。京都ではCOP3が開かれたこともあって、われわれの年代以上に人には懐かしいかも知れませんが、自転車のタクシー・輪タクが走っています。ベロタクシーという名前です。大きなフードで覆われた三輪自転車で大人2人まで乗せられるそうです。2005年度からは全国10都市で運行されるそうです。また、事務所から事務所などへ自転車で書類を届けるバイクメッセンジャーという会社も東京や大阪にできています。

  このように、いまや自転車はタクシー、書類の運搬と環境にやさしく役に立つ乗り物となっています。しかし、私自身自転車に乗っていて色々問題も感じました。その一つが「どこを走ったらええねん」もう一つが「みんなルール守れや」です。自転車が走る環境は大変遅れた状態といわなければなりません。それは政府が自動車中心の政策を取り、高速道路を優先させて建設してきた結果、生活道路の安全対策は後送りにされてきました。増え続ける自転車に対して政府は自転車が軽車両であるにもかかわらず、歩道を通ってもよいとの判断をしました。これが大変な間違いであり、今日の自転車のモラルハザードを助長したと思えてなりません。歩道でも自転車は人の歩く早さより3倍から4倍も早く走ります。しかも、15キログラムほどの金属の自転車が人を乗せて走るのですから、大変危険な車両となります。後ほど述べるマナーの悪さもあってか自転車が絡む事故は年々増えています。日本にも1日も早くヨーロッパのように自転車が安心して安全に走れるような道路環境ができてほしいと思います。

  さて、その自転車道ですがなんと言っても魅力的なのは、自転車専用道です。西宮には武庫川サイクリングロードがあります。西宮市のウエッブサイトの西宮の観光によると「武庫川の松並木に沿って一里山町から東鳴尾町までの河川敷、全長7.1キロ。“全線青信号のフリーウェイ”は休日には、家族づれでにぎわいます」と紹介されています。この自転車道については以前にも本会議で取り上げたことがありますが、この道路はガイドブックにも掲載されているほど有名で、ヤフーで検索すると90件もありました。タンデム自転車で、前に晴眼者が後ろに視覚障害者が乗ってサイクリングを楽しむとか、親子で、ロードレースのトレーニング、通勤にとさまざまな利用の仕方がされています。武庫川サイクリングロードは昨年の台風23号で河川敷公園が浸水し、土砂が流れ込み、自転車道のほうが低くなっているところもあり水溜りがあちこちにできています。その上に建設されてからたぶん一度も補修されたことがないと思いますが、路面が相当傷んでいます。横断する形で亀裂が入っています。また松の根がアスファルトを持ち上げていて、細いタイヤだったらパンクするのではないかと心配です。

  そこで質問です。武庫川サイクリングロードの補修を行なうべきではないか。また、起点は一里山町だが仁川に連絡橋ができたので宝塚へ、終点は東鳴尾町で折り返すようになっているが、海に接する高洲町まで、それぞれ延長できないか。答弁を求めます。

 次にルールの徹底についてです。
 車、自転車、歩行者のうち、一番交通規則を守っていないのが自転車ではないでしょうか。自転車のマナーの悪さについて本会議で何人かの議員が取り上げてきました。私も日ごろから自転車に乗り、そして自転車を愛するものとして、何とかしなくてはならないと思います。夜間に無灯火で、しかも右側を走ってくる自転車に何回かヒヤッとさせられました。信号を守らない、歩道で歩行者が邪魔だといってベルをじゃんじゃん鳴らす人。あまりにもひどい状態です。この原因に自転車を歩道に上げたことがあると思います。交通規則にあまり関心のない人が本来車道の左側を通行しなければならない軽車両である自転車が歩道が通れるようになって、守るべきルールもどこかへ行ってしまった感があります。国土交通省の自転車先進都市として指定されている高崎市を日本共産党議員団で視察しましたが、同市では「自転車利用者交通安全ガイド〔ルールとマナー〕」という冊子を発行して市民に呼びかけています。

  そこで、西宮市としても市民を対象に交通規則の周知徹底をいろんな機会を通じて行なうべきではないか。答弁を求めます。

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