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定例議会

2005年6月議会

佐藤みち子議員の一般質問
  1. 保育サービスのあり方について
  2. 4年生以上の障害児学童保育について
  3. JR福知山線の事故での西宮市立中央病院の対応について

保育サービスのあり方について

 西宮市では第1次、2次の行革で2001年4月に甲東保育所、2003年4月には安井保育所を民間移管しました。
 さらに、財政難を背景に第3次「行革」で保育サービスを大幅に切捨て、安上がりの保育に変えようと「保育サービスのあり方」を見直すとしています。
このことは国同様、保育の公的責任を投げ捨てるもので、到底認めることはできません。社会保章審議会では市長より、2月24日に「保育サービスのあり方について」4点にわたって諮問を受けました。 その内容は

  1. 保育所運営主体の規制緩和について、2007年、2008年に開園する3園について運営主体を規制緩和し株式会社を参入させる。
  2. 公立は通常保育中心から在家庭の児童を含む子育て支援、民間は通常保育の中心的役割を担うとともに、延長保育の拡充や一時保育、産休あけ保育など地域の多様な保育ニーズに応えていくことが望ましいとし、役割分担を進める。
  3. 市が民間保育所職員の給与を決定することを前提にした給与改善費や保育所保育に重点を置いた助成制度を見直し、民間保育所の助成金を削る。
  4. 保育料のあり方については、国の徴収基準と比較して階層区分は国が7階層であるのに対し、西宮市では15階層とより細分化されており、徴収金額についても国徴収基準よりも低く設定されている。市の考え方は母子・父子家庭世帯を除く市民税非課税世帯(B階層)の有料化について、保育所を利用していない子育て家庭との均衡から一定の負担を求める。

等、5回にわたって社会保障審議会で論議をし、6月7日の社保審で答申が出されました。私は社保審の委員として規制緩和による株式会社の参入、民間保育所の助成金の減額、公立保育所の民間移管、保育料については、国基準並に保育料を引き上げること、特に母子・父子家庭以外の市民税非課税世帯から保育料を取ることなどに反対の意見を言いました。また答申の中身のうち公立・民間の役割分担については、どちらも同じ役割を担うものとして退けられました。

 いうまでもなく保育所は、子どもの発達する権利と父母の働く権利を保障する子育ての専門的な施設です。それは公立・民間の保育所に共通するもので、時代の変化、働き方の多様化により、産休明け保育・延長保育・障害児保育、さらに一時保育・病後時保育・夜間保育・休日保育等など、保育のニーズがますます拡大してきているのが最近の状況です。また保育所は家庭で子育てする母親の相談場所として、さらに虐待や育児放棄など深刻な問題の支援の拠点としても大きな役割を担う時代にもなり、保育所は地域の子育ても支援していくという新たな役割を持っています。このような状況を考えた時、よりいっそうの保育内容の充実、保育所整備こそが、今行政に求められているのではないでしょうか。
 第3回の社保審後、現場の意見を聞く場が設けられました。現場からは民間保育所園長、公立保育所の保育士、臨時保育士、公立保育所の保護者からそれぞれの立場で意見が出されました。現場のことは現場が一番よく知っています。この声こそ真摯に受け止めるべきではないでしょうか。

 そこで質問します。

  1. 規制緩和で株式会社を参入させることについては、他の多くの委員からも規制緩和はやむをえないとしながらも、募集時によりよい保育の質の確保のためにさらに厳しい基準を設け、認可後も第三者評価や苦情解決システムの整備など運営指導やチェック体制を十分整えるとしているが、そこまでして株式会社を参入させる必要があるのか。
  2. 多様な運営主体が参入することにより「様々なニーズに機敏・迅速に対応できる」
    ということですが、裏を返せば公立や民間保育所ではできないということになる。しかし、大阪の枚方市と岸和田市の公立保育所では午前7時から午後7時までの保育を30年前から実施し枚方市では公立で病後時保育もしている。公立こそ様々なニーズに応えるべきではないか。
  3. 民間保育所の助成制度は、これまで一定の保育水準の向上に寄与してきたと市も認めている、特別保育、地域の子育て支援と民間保育所でもベテラン保育士の存在が今まで以上に必要になっている。助成金を減額するのではなく増やすべきではないか。
  4. 長引く不況で若い親は共働きをしていても生活は楽ではない、また低所得者が保育料を滞納していると市は報告している。国基準並に保育料を値上げするとさらに滞納世帯が増えるのではないか。特に母子家庭以外の市民税非課税世帯から保育料を徴収することになっているが、阪神間で西宮市だけが保育料を徴収してこなかったのは、まさしく弱者に配慮したもので「子育てするなら西宮」ではないか、この世帯から保育料を徴収すべきでないと思うがどうか。
  5. 答申には具体的な施策策定を行う場合には、関係者と協議の場を設け、市民の保育サービスの向上にむけて具体的に協議することが大切であるとしているが、今後市として現場の意見をどう反映させていくのか。
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4年生以上の障害児学童保育について

 学童保育が児童福祉法第6条のなかに位置づけられ、社会福祉事業法上の「第二種社会福祉事業」として明確にされました。「放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童であって、その保護者が労働などにより昼間家庭にいないものに、政令で定める基準に従い、授業の終了後に児童厚生施設などの施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう」と規定しています。これは学童保育所を福祉事業として認めたことを意味しています。

 障害をもつ子どもとその家族の悩みは大変深刻です。その悩みは保育・教育から介護・医療・住宅問題、地域環境など生活のすみずみにおよんでいます。親が年老いてくると特に問題は深刻になります。障害をもつ子どもたちが安心して育ち、暮らせるために必要な行政課題はたくさんあるのではないでしょうか。
 そのひとつが障害児学童保育所です。日本共産党西宮市会議員団はこの問題を何回も議会で質問し、障害のある子どもを育てている保護者も粘り強く声を上げ続けてきました。2005年3月に出された、西宮市次世代育成支援行動計画でも障害児の4年生以上の受け入れについては、早期実施に向け取り組んでいくとしています。そういった経過のなかで、西宮市は2005年4月1日から「西宮市障害のある児童の健全育成事業に関する実施要綱」を作成し実施しています。現在は、東山台育成センターで4年生の障害のある子どもが入所し、毎日楽しく生活しているとのことです。4年生以上の障害のある子どもたちの入所が延長されたことは親や子どもたちにとって大変大きな喜びです。

 しかし、この要綱では、障害のある子どもたちが、すべて学童保育所を利用できるようになっていません。要綱の第5条に「資格」として、西宮市立学校条例に規定する小学校の第4学年に在学していること。ア、第3学年まで当該育成センターに入所している児童 イ、指導員が加配されていない児童 ウ、当該育成センターの入所児童が定員内であること エ、当該育成センター運営委員会(指導員を含む)の承諾があること オ、保護者等の責任において、自主的な登下校が可能なこととなっています。

 西宮市内には船坂小学校を除く41校に学童保育所があり、2005年6月1日現在で、1年生から3年生まで2359人の子どもたちを保育しています。待機児童が、上甲子園・神原・浜脇・甲陽園の4学童保育所で26人となっています。障害のある子どもたちは26ヶ所の学童保育所で加配の必要な子どもたちが36人、加配の必要のない子どもたちが7人合計43人を保育しています。
また障害のある子どもは、放課後を過ごす場所が家庭しかなく、母親と過ごすことが多いといわれています。「学校の長期休みは親も子もストレスたまる」これが現状です。障害をもつ子どもたちにとっても学童保育は遊びと生活を保障する大事な居場所です。

質問します。

  1. 3年生までの加配されていない児童と加配されている児童の基準は何か。
  2. 障害のある4年生以上の子どもたちの受け入れについては、早期の対応が求められている。と西宮市次世代育成支援行動計画には書かれているが、来年度からはすべての子どもたちを受け入れるべきではないか。そのためには具体的に何が必要なのか。
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JR福知山線の事故での西宮市立中央病院の対応について

 去る4月25日、JR福知山線で死者107名、負傷者500名を越えるJR史上最大の事故がおきました。安心、安全でなければならない公共交通で、あってはならない事故です。国鉄からJR西日本になった会社の一番の目標が「稼ぐ」であり、安全対策を軽視していたのではないかという問題、また運転士には「日勤教育」と教育とは名ばかりの過酷な制裁を押し付けていたことなど様々な問題が指摘されています。

 また政府が国鉄分割民営化(1987年)の際に、大手私鉄に速度制限型ATS(自動列車停止装置)の設置を義務付けていた通達を廃止し、JRへの適用を避けたことが問題になっています。小泉首相は衆院予算委員会で我が党の穀田衆議院議員の質問に「私鉄に対する対応と、JRへの対応が違うということが事実だとすれば政府にも反省すべき点がある」と政府の責任を認める発言をしました。事故の直接の原因はJR西日本にありますが、おおもとには(速度制限型ATS義務付け通達の廃止など)政府がJRに対して安全指導を緩めてきた問題があり、民営化、規制緩和で国の責任を放棄し、JRの利益第一主義を許してきた政府にも大きな責任があります。

 さて、6月議会では冒頭全会派一致で「JR福知山線快速列車脱線事故」に関する意見書が採択されました。また日本共産党西宮市会議員団はJR事故の翌日4月26日、遺族や、被害者に心のケアも含めた救援、治療などの支援に万全を期すこと、JR西日本に事故原因の徹底究明を行うよう申し入れることなど、JR福知山線列車事故について緊急の申し入れをしました。また5月25日にはJR事故についての報告会を行い、JR名塩駅で市民アンケート調査も行いました。

 さて、今回の事故で西宮市中央病院の危機管理が問題になっています。さる、6月8日厚生常任委員会が開かれ、事故当日の現状が報告されました。

  • 午前9時18分に事故発生、午前9時40分〜45分頃、兵庫県広域災害・球急医療情報システムが運用される。
  • 尼崎消防本部が158病院に一斉通報。アラームを鳴らし、緊急搬送受け入れ可能人数の入力を呼びかける。
  • 当初、この時間帯に当院のパソコンのアラームが鳴ったどうかは確認できず。
  • 午前10時40分頃、総務課職員が脱線事故が報じられていることを講義室内の職員に連絡、職員は院長に事故のことを報告する。
  • 院長としては、その時点では事故の内容や規模など具体的な状況把握が充分にできず報告をうけるにとどまる。
  • 午前11時30分頃、兵庫県広域災害・球急医療情報センターによりFAXにて緊急搬送登録についての連絡が入るが、FAXは医事課事務室と別の部屋にあり、昼前に医事課担当者のところに送られる。
  • 午後0時10分頃、整形外科医師が副院長にテレビ報道に基づき死者23名に上る事故内容と、球急患者でオーバーフローしつつある関西労災病院の状況を説明。午後0時20分頃、院長と副院長が協議のうえ、整形外科・外科医師3名、看護師長1名を救援と情報収集のために関西労災病院に派遣することを決定。
  • 午後1時00分頃、当院の受け入れ可能人数の緊急搬送登録を行う。

 しかし、当日は事故患者の受け入れはなく、翌日事故の負傷者が1名来院したが外来で対処したとのことでした。
  当日は監査が行われる日で、院長、副院長ら全管理職17人が参加しています。通常の監査は、市役所に担当者を呼ぶが、中央病院については緊急時の対応ができるように委員が出向いて行っているとの説明でしたが、まさしく緊急時であるのにまったく事故に対応できていなかったのは大きな問題ではないでしょうか。特に職員がメモを回したときに公立病院の院長として適切な対応をしなかったこと、また鳴ったとされているアラームが、パソコンをクリックして起動させていなかったために鳴らなかったことが明らかになりました。

 今回の事故の対応で市民には中央病院への信頼感が薄れました。JR事故の対応を中央病院としても厳しく反省し2度とこのようなことを繰り返さない、そのことが市民の信頼を取り戻すことにつながるのではないでしょうか。

質問します

  1. 事故が起こってから正確に情報が入ってきたのが午後0時過ぎだと報告されているが、事故発生から2時間30分も対応が遅れている。この間どんな影響を与えてしまったと考えるのか。
  2. この事故についての反省と教訓は何か。
  3. 事故が起こったときの緊急連絡では県の広域災害・球急医療情報システムの専用パソコンだけでは機能しなかった。市全体の連絡体制はどうなっているのか。
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