平和資料館について
今年は第2次世界大戦終了60周年。そのため色々な取り組みが行なわれました。日本と同じく侵略する側に立ったドイツではケーラー大統領がベルリンの連邦議会で演説し、「われわれには(ナチス・ドイツが与えた)すべての苦しみと苦しみの原因について記憶を風化させない責任がある。苦しみを二度と起こさないようにしなければならない。責任は終わりのないものだ」と訴えました。広島、長崎両市の取り組みも大きく報道もされました。また国内の草の根の平和運動もさまざまな取り組みを行ないました。また、山田市長は今年度の行政方針で「被爆60年周年という節目の年であります。原爆展や写真展を開催するなど、あらためて平和非核の大切さを訴えてまいります」としています。
西宮市では平和非核都市宣言自治体として、終戦50年記念として広く市民からも募金を募り「恒久平和への願いとその尊さを次の世代に伝える象徴」として、西宮市平和モニュメントが1996年にJR西ノ宮駅南広場に建設されました。2002年12月には、平和資料館がいわば、平和非核都市宣言20周年の一環として、教育文化センター1階に開設されました。このことを報じた同年12月10日付け西宮市政ニュースを読みます。「西宮市は先の大戦で数度の空襲を受け、市街地の大半が焼け野原と化し、多くの市民が犠牲になりました。私たちは、もう一度あの戦争の悲惨さと平和の尊さを考え、戦争を知らない世代にも西宮での戦争被害について、これを風化させないよう語り伝える役割があります」。
しかし、この平和資料館の面積は100平方メートル程度という、大変狭いところに資料や写真、パネルが展示してあります。それなりに工夫はされていますが、市政ニュースで紹介しているような意図が十分に発揮できるような施設ではないといわざるを得ません。来館者の感想ノートにも「展示だけでは説明不足になるので図書館に資料コーナーを設けては」、「戦争に至った流れを展示しては」、「戦争がなぜ起こったかなど資料の説明が少ない」などの意見が寄せられている通りです。
戦争は必ず起こす側があり、先の大戦では日本が常に先制攻撃を仕掛け、戦線を拡大していき、アジアの人々2000万人、国内でも300万人以上の人々が犠牲になりました。このような結果から、憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを」決意しています。
- 質問:
- 1、現在の場所、面積では不充分だが、抜本的拡張を具体的にするべきではないか。
それまでの間に、
2、戦争には必ず起こす側があり、そのことへの洞察なくしては真の反戦平和はないと思うが、アジア太平洋戦争においては日本の加害責任も明らかにしてこそ戦争の全体像がつかめ、このことが恒久平和につながると思うが、その観点からの展示か必要と思うがどうか。
3、戦争は市民に大変な犠牲を負わし、日常生活にも不自由を強制したが、そのことがよくわからない。この点改善すべきではないか。
4、終戦50周年では平和非核のための戦争体験や被爆体験の記録集が発行されたが、60周年の今年度はどう考えているのか。
ウェーブいきいきフェスタについて
男女共同参画センターウエーブは2000年10月に開設されました。その記念行事として作家の落合恵子さんの「女(ひと)と男(ひと) 輝いて生きる〜21世紀に向かって」と題する開館記念講演会が行なわれました。またそれとは別にオープニングイベントして企画されたものが「ウェーブいきいきフェスタ」(以下いきいきフェスタという)です。さまざまな施設がこれまでにも開設されてきていますが、開設記念行事のなかに市民参画の企画が盛り込まれているのはウェーブだけといってもいいのではないでしょうか。それは、ウェーブの開設が行政主導で行なわれたのではなく、草の根の女性団体・グループ、市民、議会などの運動と要求によって開設されたからです。そして、男女平等の考えや、運動は市民グループのほうが先行しており、この人たちのさまざまな活動や能力を生かした運営をウエーブにも取り入れようということで、市民参画のネットワーク委員会やいきいきフェスタ実行委員会がつくられ、活発な事業が展開されてきました。
いきいきフェスタは基本的に毎年秋に開催され、2000年度の第1回目は395人の参加。3回目は280人と下がりましたが以後盛り返して4回目は398人、5回目は336人となっています。予算の面を見てみると昨年度は25万円で、講座が13、パネル展示が7ありました。講師を招いてさまざまな講座が企画されていますが、1講座あたり2万円程度の予算となっています。したがって、少し遠くの講師に来てもらおうと思っても旅費も出ない、名の知れた講師になると講師料がまったく足りないという実態で、各グループは大変苦労しています。
このような苦労を背負いながら、今日までいきいきフェスタが続けてこられたのは各グループの男女共同参画への意欲と熱意だと思います。
ところが今回、いきいきフェスタの大きな特徴の一つである市民参画をぶち壊すような行政からの圧力がかかりました。それは、いくつかの講座の案内チラシに憲法のことがかかれ、それが好ましくないとして、書き換えを迫るというものです。このチラシは案の段階に当然いきいきフェスタ実行委員会で検討され、問題なしとなったものです。それをその後、行政側が書き換えを迫るのは1つには市民参画をうたい、市民の自発性大切にするいきいきフェスタの基本を曲げるものであること。2つにはいきいきフェスタ実行委員会では問題なしとして通ったものを、後から文句をつけるという、民主主義に反すること。
行政というのは憲法や地方自治法、またウェーブにおいては男女共同参画社会基本法に基づいて仕事をしなければなりません。公務員には憲法を尊重し擁護する義務があります。その観点からも、今回の行為は公務員としてあるまじき行為といわなければなりません。
- 質問:
- 1、これまでの5回の「いきいきフェスタ」をどう評価するのか。
2、今年度のいきいきフェスタの企画で実行委員会ではなんら問題なしとして認定されたものが、憲法が前面に出ているとして、行政がチラシの変更を迫ったと聞いたが、なぜ憲法を守るということが、問題なのか。また、市民主体の事業に対する、市のかかわりをどのように考えているのか。
3、一講座あたり2万円程度の予算ではあまりにも少なすぎるので予算を増額するべきではないか。
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