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定例議会

2006年3月議会

たてがき初男議員の一般質問
 

「戦争を想定した『国民保護計画』よりも憲法9条にもとづく平和非核行政を」について

 アメリカが引き起こす無法な戦争に日本も参戦しようとするための有事関連7法案がこれまでに成立しました。国民保護計画はその有事関連法の一つである、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」の規定によって西宮市も2006年度中には策定が求められているもので、今議会にも関連条例案が提案されています。内閣官房の国民保護ポータルサイトによれば国民保護計画とは「国民の保護のための措置を行う実施体制、住民の避難や救援などに関する事項、平素において備えておくべき物資や訓練等に関する事項などを定めます」としています。そして国民を保護すべき事態については「武力攻撃事態等において」としています。武力攻撃事態等とは1つには文字通りどこかから武力攻撃される事態をいい、もう一つは武力攻撃予測事態等を加えたものとして定義付けています。武力攻撃予測事態については「武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態を」いうとしています。日本が武力攻撃されるような事態が起こる可能性について、この議場でも「北朝鮮が攻めてきたらどうするねん」のような野次が聞かれますが、この点についてテレビでもよく登場する「軍事評論家が、『北朝鮮は日本に攻めてくる国力は無い。テロとちがって、国家で管理できる軍隊なので、国家間の交渉で解決できる』」と昨年11月6日開かれた県主催の「兵庫県国民保護フォーラム」の講演で話をしたとのことであります。それもそのはず、政府自身が日本が攻められる可能性は「万万が一」と答えているわけですから、武力攻撃事態はもちろん武力攻撃予測事態さえも起こりえないと言うことを明らかにしています。だからこそ「兵庫県国民保護フォーラム」の参加者がフロア−から、「そうすると、この計画はいらないではないか」と発言する一幕があったそうですが、まさにその通りだと思います。

  そこで、政府自身も日本が現状では攻めて来られる可能性がないのになぜ「備えあれば憂いなし」と言って有事関連法を制定させたのでしょうか。この点について、私は2004年12月議会でも国民保護計画の質問を行いました。そのときにも指摘をしましたが、1997年に日米政府間で合意をした「新ガイドライン」が根源です。新ガイドラインは3つの取り決めを行なっています。1つ平素からの協力、2つ周辺事態での協力、3つ日本有事での協力です。このなかの周辺というのは日本近海だけではなく中東までもが周辺と政府が答弁しています。このようなことから具体的になって来ることはどんなことでしょうか。そのことを端的に語っているのが自衛隊元幹部の次の言葉です。「わが国が直接攻撃される事態があるとすれば、それは、わが国の米軍基地から出撃する米軍を周辺事態法(戦争法)にもとづき、後方支援する場合だ」。要するにアメリカが引き起こす戦争に日本が協力参戦し、そのことによって日本に武力攻撃事態等が起こることになると言うものです。結論を言えば、こんなアメリカへの協力を止めれば武力攻撃事態等もなくなり、国民保護計画も必要なくなります。

  ここに、政府が国会に報告した「国民の保護に関する基本指針」と言うものがあります。この第2章には「武力攻撃事態の想定に関する事項」があり第1節で「武力攻撃事態の類型」として1着上陸侵攻の場合、2ゲリラや特殊部隊による攻撃の場合、3弾道ミサイル攻撃の場合、4航空機攻撃の場合。続いて第2節で「NBC攻撃の場合の対応」として1核兵器等、2生物兵器、3化学兵器をあげています。一部を紹介します。着上陸侵攻の場合の特徴は地域が広範で比較的長期に及ぶ。武力攻撃予測事態において住民の避難を行なう。弾道ミサイル攻撃の場合は攻撃目標を特定することはきわめて困難、さらに極めて短時間で着弾する、さらに弾頭の種類の特定は困難としています。要するに、武力攻撃事態は色々想定できるが、いざとなったら時間もないし何がくるかわからんと言うのが本音のようです。そのうえに、内閣官房が発行している「武力攻撃やテロなどから身を守るために」という国民向け啓発冊子では核爆発の場合の留意点として「閃光や火球が発生した場合には、失明するおそれがあるので見ないでください」と今から60年も前に広島や長崎に世界で始めて原爆が落とされた直後のような非科学的な時代錯誤のことまで大真面目で書いてあります。

  そこで自衛隊は何をするかを見てみると防衛庁の国民保護計画によると自衛隊は「主たる任務である武力攻撃の排除を全力で実施するとともに、国民保護措置については、これに支障の生じない範囲で、住民の避難・救援の支援や武力攻撃災害への対処を可能な限り実施」するとあります。要するに国民を保護するよりも敵と戦うことが最優先だとするものです。したがって国民保護措置についてはそのときになって見なければ具体的なことは判らないということでもあります。ところで国民を保護する事態は何も武力攻撃事態だけではありません。先ほども述べたように武力攻撃予測事態においても発令されます。有事関連法によれば武力攻撃事態に至る前の予測事態でも当然自衛隊やアメリカ軍が戦闘体制に配置することになります。自衛隊ですら国民を保護するのは最優先課題ではないのですからアメリカ軍などまったく考慮に入っていないと思います。武力攻撃事態等では自衛隊もアメリカ軍も出動することになっているのに、その具体的なことはなんら判らない。こんな状態でいったいどんな計画が出来上がるのか、想像すらできません。

  国民保護法計画の次の問題点は市民の自由と権利の問題です。武力攻撃事態法第3条4項は「武力攻撃事態等への対処においては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず」としながらも、「当該武力攻撃事態等に対処するためこれに制限が加えられる」としています。確かにこの制限は必用最小限としていますが、昨年5月9日に行なわれた近畿地区国民保護ブロック会議で参加者から「必要最小限との基準は何か。わかるように説明してほしい」との質問に内閣官房担当官からは「その時々による」と言う回答からも明らかなように「武力攻撃事態等への対処」が最優先され、国民の自由と権利が制限されることは明らかです。このたび兵庫県が発表した「兵庫県国民保護計画案」に対して兵庫県弁護士会は「人権保障に関する具体的な言及がほとんどなく、極めて不充分な内容である」と反対の声明文を発表しています。 

  そこで、国民保護計画の罰則を見ると第10章188条から194条まで定めています。189条では物資の保管命令に違反すると6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金となっています。自分はこのようなことに協力できないとする市民には罰せられます。また義務化はされていませんが普段から市町村等が行う訓練の参加もあります。自分はこのような訓練に参加しないという市民がいた場合、どうなるでしょうか。戦前の事例は訓練が戦意高揚の手段であり、これに参加しないものは非国民として厳しく非難されました。国民保護法においてこのようなことが絶対ないとは言えず、逆に戦前の日本国民を戦争への協力者に仕立て上げた国家総動員法の生まれ変わりと思わざるを得ません。

  西宮市は平和非核都市宣言をしています。また日本は世界に誇るべき憲法があり、なかでも第9条は戦争放棄、戦力及び交戦権否認として世界的に有名です。政府のさまざまな資料を見ても共通しているのは自然災害と抱き合わせをして、戦争への協力体制を強いるものとの本質を覆い隠していることです。先ほど紹介した内閣官房が発行している啓発冊子にも「武力攻撃やテロなどに際して、みなさんがどのように行動すればよいか、あるいは普段から何を備えておけばよいか、などについてとりまとめたものです。こうした対応は、地震などの災害時における対応と共通することも多くあります」としている通りです。しかし、地震や台風など自然災害は防ぎようがありません。しかし戦争などは人間が起こすもので、人の力で防ぐことができます。現に日本はこの60年間戦争で誰一人殺されていなし、殺してもいません。それは憲法9条がありこれを守ることが最大の国民保護になると思います。また平和非核都市宣言都市西宮市のとるべき道ではありませんか。 そこで質問します。1、武力攻撃事態を想定しても「地域が広範、攻撃目標の特定困難、きわめて短時間」などと政府自身が認めている上に、自衛隊やアメリカ軍の行動もまったく不明でどのように西宮市としての保護計画を策定するのか。2、憲法が保証している基本的人権や、自由については最大限守る必要があるが、国民保護計画においてはこの点はどのように考えているのか。3、自然災害と違って「武力攻撃事態」というのは人間の行為によって起こるので、防ぐことが可能だし、防がなければならない。平和非核宣言都市として憲法9条の立場にたち国民保護画の策定は中止すべきではないか。

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利用料の大幅引上げとなる障害者自立支援法に負担軽減を

 この法律は障害者団体や幅広い国民の反対の世論で1度は廃案になったものが、先の国会で再度提出され、共産党、民主党、社民党の反対、自民党、公明党の賛成多数で可決しました。そして、半年も経たない来月4月1日から福祉サービスの利用料に対して原則1割負担が導入されます。また10月1日からは障害認定区分の施行と大変あわただしく、複雑なことになっています。しかも、この法律の一番大きな問題は障害者やその家族の生活実態を無視して、障害が重く制度を多く利用せざるをえない人ほど費用負担も重くなると言う「応益負担」が導入され、これまでの経済的能力に応じて負担する「応能負担」と根本的に変わっていることです。

  西宮市では各種障害者手帳所持者は1万6350人となっています。そのうち居宅介護やデイサービスなどの居宅生活支援を受けている人は1120人、授産施設や更生施設に入所、通所している人が718人、精神障害者居宅生活支援事業を利用している人は55人となっています。これら制度利用者のうち居宅生活支援利用者の所得階層は市民税非課税が72.7%、生活保護受給者とあわせて81.5%が負担額0円となっています。また、施設訓練等利用者は同様に63.7%が負担額0円となっています。これが4月1日から障害者自立支援法によって上限額が設定されたとはいえ原則1割の利用料を払わなければなりません。支援費制度の下では収入は6段階に分かれていましたが、自立支援法の下では4段階に圧縮され、今までと同じように負担額が0円は生活保護受給者のみで、低所得1−市民税非課税で本人収入が80万円以下の人は1万5000円、低所得2−市民税非課税で1より収入の多い人は2万4600円、それ以上の人は一般で3万7200円を負担しなければなりません。さらに施設入所者には食費、光熱水費、通所施設には食費がそれぞれ自己負担となります。大変な負担額です。

  先日、私のところに視力障害の方から電話がかかってきました。自分は按摩、針、灸で80万円を超える収入があるので、低所得2になり、夫婦ともまったく見えないのでヘルパーさんの費用の負担が大変になる。特に妻はガイドヘルパーさんに月30時間来てもらっている。専業主婦なので現在は負担がないが、4月からは世帯の収入で見られるので5100円の負担となる。市民福祉金も削られたうえに出費が増えるのはしんどい。しかも収入があるとはいえたかだか80万円を少し超える程度で、市民税は非課税だ。300万円の世帯と同じ負担になるが収入の区分があまりにも大雑把過ぎるというものでした。

 次に施設利用者でこの費用負担が具体的にどうなるのか調べてみました。津門大箇町に名神あけぼの園という通所授産施設があります。ここは定員100名で現在98名が通所しています。2005年1年間の平均授産工賃―施設で仕事をして得る賃金ですが、平均2万1744円となっています。これに対して利用料を負担している人は2人で、1人は月額1万6000円、もう1人は2900円です。ところが4月からは全員に利用料の負担が生じます。新たに発生する負担額はサービス利用料と食費で社会福祉法人減免を適用しても、所得によりますが最低でも1万2600円の負担となります。通園生の工賃を見ると1万円未満が12人、1万円から1万5000円未満が7人で1万2600円以下の人は16人います。この16人は働いて得る工賃より施設利用料の方が高いと言う逆転現象が生じ、旭川市や東大和市などでは通所を断念したり退所せざるを得ない人たちも出ています。

 以上のように、障害者自立支援法によって負担が重くなると言う問題点を少しでも緩和しようと、京都市では低所得1の世帯と障害基礎年金1級及び特別障害者手当てのみの世帯は月額負担上現額1万5000円を7500円に、またそれ以外の市民税非課税世帯は2万4600円を1万2300円に市民税課税世帯の一般のうち市民税所得割り4万円未満は3万7200円を1万8600円にそれぞれ2分の1に引き下げ案を発表しています。また横浜市では低所得1、2の在宅サービスは負担なし、東京都でも低所得1、2のホームヘルプサービスは3%負担のみとするとしています。
  自立支援法のもう一つの変更点は10月1日から実施される6段階の「障害程度区分」です。介護保険と同じように福祉サービスを利用したい場合は、この認定審査を受けなければなりません。この審査が障害を持つ人や家族にとって正確に実態が反映されるのか大いに心配のあるところです。
そこで質問します。

  1. 応能負担から応益負担になったことにより必要とするサービスも受けられなくなるような事態は絶対避けなければならないが、西宮市として京都市で示されたような負担額の減免を行なうべきではないか。
  2. 「障害程度区分」の認定にあたっては本人や家族の事情や実態、必要度など正確に把握する必要があるが、積極的な聞き取り調査や専門性をもったスタッフの配置など、十分な調査、認定審査会の体制をととのえる必要があるが、この点、問題はないのか。
  3. 利用者の負担軽減策を国に要求すべきではないか。
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