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2007年予算要望書
2006年11月30日

環境局


  1. 持続可能な経済・社会のために、温暖化ガス削減を実現する対策など地球環境の保全とともに、国内の大気汚染対策など環境保全に真剣に取り組む必要がある。将来にわたって良好な環境を維持していくために、環境汚染を規制し、生態系を守る取り組みを強化しなければならない。
    西宮市でも、05年3月に新環境計画が策定されており、2007年度からは第2期に入る。今後その実施のために、次のことに取り組むこと。
    1. 新年度は、地域における計画を実施していくことになる。組織づくりや行動計画、具体的な目標数値など、市民参加により、実効性あるものへ引き続き充実させること。特にCO2削減については京都議定書も発効されており、市役所内での取り組みを強化するとともに、家庭版ISO(石川県の取り組み)など、市民への啓発も含め、引き続き積極的に取り組むこと。

    2. 第4次西宮市総合計画との調整期間にもなる。総合計画の全体にわたって環境保全の位置付けを明確にするよう環境局として主張すること。

    3. 計画推進にあたっては、行政、市民、事業者の参画と協同が求められるが、特に事業者に計画を徹底するとともに、事業者責任を果たさせること。

  2. 自然海浜について
    1. 甲子園浜、香櫨園浜の浜辺は、阪神間で唯一残された自然海浜で、鳥獣特別保護区もあり、野鳥や水生生物の観察、市民の貴重な憩いの場ともなっている。ヘドロの排泄や養浜、浜をつなぐ海流の復元に取り組むなど、干潟、自然浜、海の再生をはかること。

    2. 西宮浜北護岸と御前浜を総合公園として一体整備する計画については、第三次総合計画に盛り込まれており、早急に実施計画を策定の上、取り組むこと。

    3. 西宮浜に西部総合処理センターの余熱を利用した温水プール付きの地区体育館を建設するための調査費を計上すること。

  3. 宮市は県の武庫川治水対策にダム建設を要望している。しかし、ダムが建設されれば、生態系が破壊され、貴重な動植物が失われることになる。また、阪急甲陽線地下化事業では、自然環境と住環境が大幅に破壊される。このような、市内の貴重な生態系や住環境を破壊しかねない大型公共事業については、直ちに中止を求めること。

  4. アスベスト対策について
    アスベストによる健康被害が大問題となって以降、今年3月27日には被害者を救済するとしたアスベスト新法が施行、10月1日には石綿被害から労働者を保護する措置を定めた石綿安全条約が発効した。しかし、まだまだ不十分な内容となっている。
    市民の命と健康を守り、不安を取り除くためにも、アスベスト対策について以下のことを実施すること。
    1. 市として国、県に対してアスベスト使用禁止、被害者救済、安全対策などさらに強化を求めること。

    2. 解体による飛散防止策を強化するとともに、解体業者への飛散防止費用の助成制度を新設するよう国、県に求めること。

    3. 過去においてのアスベスト関連事業所の所在地と稼動時期を調査、公表すること。

    4. 引き続き、市民の健康被害の実態を調査すること。市民の死亡原因の調査については、調査結果を明らかにすること。

    5. 公費による住民検診と健康調査を実施すること。

    6. 鉄道駅、市内の公共施設、民間施設を含めてアスベスト使用の現状把握と安全な除去、対策を引き続き講じること。

  5. ゴミをめぐる問題について
    1. 循環型社会形成推進基本法をはじめ、リサイクルにかかわる法律も順次制定され、ごみを出さないようにして、ごみの発生を抑制する、繰り返し使用し、資源の浪費、ごみの発生を減らす、リサイクルによって資源を循環させる、など取り組まれているが、思うような効果はあがっていない。大型焼却炉によるごみの“焼却中心主義”からの脱却を図ることが求められる。ごみの発生を設計・生産段階から削減するために、OECDも勧告している「拡大生産者責任制度」にたって、自治体と住民に負担を押しつける現行のリサイクルシステムを抜本的に見直すよう国に求めること。

    2. ごみ減量、再資源化には徹底した分別が必要である。ペットボトルの分別に続いて、その他プラスチック類、びん等の分別収集についても、市民の理解と協力も得て、早期に実施すること。また、ビンなどのリターナブル化等も促進すること。

    3. にこやか収集の対象を拡大すること。

    4. 燃やさないごみなどの収集の際に利用しているコンテナが重たくて、高齢者などの負担になっている。要望があれば軽量のコンテナに切り替えているが、充分に知られていない。市民に広く知らせること。また軽量化や運搬しやすい工夫を行い、収集ステーションによってはその場での保管を認めること。

    5. 市民に負担を強いるゴミ回収有料化は絶対に行わないこと。

    6. 粗大ごみや家電4製品の不法投棄が多くなっている。引き続き、パトロールや啓発を強めること。

    7. 東部総合処理センターの更新に当たっては、何でも燃やすという立場でなく、ゴミ発生を抑制していくという立場から、施設が過大とならないようにすること。

  6. 大阪空港について
    1. 大阪空港は市街地の上空を航行するという住民の安全を脅かすという点で「欠陥空港」である。大阪空港の早期の撤去を求めること。

    2. それまでの間、航空機騒音問題解決に引き続き努力すること。第1種空港(国が整備費を全額負担)を堅持し環境対策や空港の維持管理について、国の責任の後退を許さないこと。

    3. 11市協は、あくまで「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」が目的である。しかし利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調する中で、名称が大阪国際空港周辺都市対策協議会に変り変質しているが、市にはその認識がない。状況を正確に把握し、11市協から脱退すること。

    4. 共同利用施設や公共施設防音対策のため、国の費用で、維持管理費の対策を要求すること。

  7. 日本共産党は神戸空港建設に反対してきたが、すでに開港された。しかし、指摘してきた通り、需要予測を大きく下回る結果となっており、これ以上の公費を投入すべきではない。空港に対して補助金支出の中止を県に求めること。
    また、神戸空港と関西国際空港を結ぶ海底トンネル構想についても撤回を求めること。市民の生活を守るために、開港後の実態調査を行ない、騒音、公害の対策を神戸市に求めること。

  8. 幹線道路の騒音・公害防止について
    1. 国道43号線、阪神高速道路は訴訟の結果、「欠陥道路」であると判決が下されている。その後、一定の改善が取り組まれているが、環境ロードプライシングの促進を含む自動車、大型車の総量規制をおこなうことなど、引き続き取り組みを強めること。

    2. 大気測定局を増設し、その結果については市民に積極的に公表すること。

    3. 国道176号線なども交通量が増大している。環境対策をとること。

  9. 山陽新幹線沿線の騒音、振動被害はのぞみ中心の運行により相変わらずひどい状況であり、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」も達成されていない。被害の軽減には減速が最も有効である。地元では、阪急今津線付近の速度制御発信機の地上子を六甲トンネル内に移動させることを要求している。市としてもこのことを含め、引き続き、新幹線の振動騒音対策を講ずるよう、JR西日本に強く求めること。

  10. 神戸製鋼所石炭火力発電所については、これまでも日本共産党は反対してきたが、この間、ばい煙に含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物のデータを改ざんしていたことが明らかになった。神戸製鋼所に対して情報公開を求めるとともに、必要があれば再調査も求めること。

  11. 産業廃棄物の不法投棄については監視カメラの設置や徹底した立ち入り調査をおこない、不法投棄のルートと関与者を解明し、違反者はもちろん、排出者の責任で撤去させること。

  12. 食肉センターは毎年赤字で、市民にとって何のメリットもないにもかかわらず、市から毎年約3億円の多額の繰り入れがおこなわれている。この食肉センターのあり方について、いまだに検討をしている状況である。食肉センターは完全民営化か施設の廃止かを2006年度中に結論を出すこと。

  13. 公園整備について
    1. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしている。雑草が生い茂り、ゴミ箱からゴミがあふれ、ゴミが散乱している公園もある。日常的な除草、清掃等の維持管理を市民団体に委託している公園が多数ある。
      1. 市民参加を大切にしながらも、公園の維持管理についての予算を増額し、最終的には管理者である市が責任をもって管理すること。

      2. 老朽化した遊具やベンチ等で子どものケガが全国で多発している。市内全公園を総点検し、計画的に修繕・修理すること。老朽化した遊具、ベンチなどを撤去している場合もあるが、新しいものと取り替えること。

      3. 公園のトイレについては市内80ヶ所あるトイレを順次改修すること、障害者用のトイレを整備すること。

    2. 緑の基本計画では、一人当たりの公園面積を2012年に12平米、2022年には20平米を目標にしている。ところが、甲子園口四丁目では、民間から借り上げて整備した公園がなくなり、マンションにかわる事例など市内各所で相ついでおり、公園整備は大きく後退している。大幅に公園整備を進め、街なかに公園を新たに確保すること。特に、甲子園五番町、段上町四丁目、堤町の公園整備を急ぐこと。
      また、公園を整備する時や現状の公園を改修するときは利用者の意見を取り入れること。

    3. 甲子園浜の下水道高度処理用地を、当面緑地やスポーツ広場として活用すること。

    4. 武庫川河川敷公園の仁川部分に沈下橋が架けられ、田近野町と往来が可能になったので、遊歩道、サイクリング道の整備を早急に行うこと。

    5. 西宮市営白水峡公園墓地のトイレが、不衛生で異臭があると市民から議会に陳情が出され、全会一致で採択されている。早期に改善すること。