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2006年12月 佐藤みち子議員の一般質問
2006年12月30日

いじめ自殺問題について


「だめ息子でごめん。・・・いじめられて、もう生きていけない」(中2男子)という悲痛な遺書を残したいじめ自殺が相次いでいます。まさに異常な事態です。
今、子どもをめぐる状況は大変深刻です。本来、子どもたちにとっては楽しいはずの学校で守られなければならない命が亡くなっていることに、多くの国民が胸を痛めています。
国会では、いじめ自殺の問題、高校の履修不足の問題、また、タウンミーティングでのやらせ質問の問題を充分議論しないまま、与党だけで教育基本法改定法案を強行採決しました。このことに多くの国民から「なぜ拙速に決めるのか。教育基本法を変えたら問題が解決するのか。」と怒りの声が上がっているところです。
子どもたちが、命を懸けて投げかける重い課題を真剣に受けとめ、本気でこの問題に取り組み、子どもが安心して生きられる学校、地域、家庭を作っていかなければなりません。
 文部科学省は、1999年以降いじめ自殺はゼロであると公表してきました。しかし毎日新聞の記事によると、1999年の5人をはじめ2005年までの7年間で少なくとも16人の子どもがいじめで自殺していると報道しています。
 西宮市では、1994年に出された文部科学省のいじめの定義に基づいて実態の調査をしています。いじめの定義とは
(1)自分より弱いものに対して一方的に
(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え
(3)相手が心理的な苦痛を感じているものとするとし、
起こったところは学校の内外を問わないこととするとしています。2004年、2005年の2年間で小学校での件数は11件、6件、中学校では22件、21件となっています。いじめの種類では、言葉での脅し・冷やかしからかい・仲間はずれ・集団による無視・たかり等です。教師が発見、いじめられた児童生徒から、保護者からの訴えでいじめが把握されています。いじめがどうして起こるのか。直接には子ども同士の関係から起こりますが、根本的な原因としては、「学校で子どもたちが非常に強いストレス、抑圧感にさらされている。そのはけ口としていじめという行動を起こす」ここに原因があると、多くの専門家からも指摘をされているところです。大阪大学教授の調査では、ストレスが「とてもたまっている」という中学生のなかで、「誰かをいじめたい」という答えが約30%にのぼると報告しています。学校におけるストレスの最大の原因が、子どもを点数で競わせる競争主義的な教育です。教育における競争と序列を進め、強めてきたのが政府と文部科学省です。しかし、国はいじめなど学校問題の解決に大きな役割を果たしているスクールカウンセラーを、今年の秋から削減しています。西宮市では、現在、全中学校と小学校3校にスクールカウンセラーが配置され、教師や保護者、子どもが悩みを相談しています。
いじめが原因でわが子を亡くした福岡のお母さんが「いじめられる子も、いじめる子も、もうこれ以上子どもたちを苦しませたくない」と語っておられます。このことは、多くの親の思いです。

  1. 競争教育の中で子どもたちにストレスがたまり、いじめを引き起こしていると多くの専門家から指摘されている。市教委はいじめの根本的な原因は何と考えるのか。

  2. 教育再生会議では、みてみぬふりをするのも加害者であるなど子どもたちに罰則を課すような内容になっているが、このような対応でいじめがなくなると考えるのか。

  3. いじめを解決するには教師集団の対応が重要である。しかし、教師も管理職から評価を受けるなど、教師自身が締め付けられバラバラにされている。これで教師集団として子どものいじめにむきあえるのか。

  4. スクールカウンセラーが、教師や保護者の悩み子どものいじめ等の相談にのるなど重要な役割を果たしている。西宮市では、今後スクールカウンセラーの配置はどうなるのか。