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たてがき初男議員の一般質問
2007年03月05日

ダムに頼らない武庫川の総合治水について


兵庫県は100年に1度の洪水から武庫川下流地域を守るとして、JR西宮名塩駅から上流へ歩いて30分ほどのところに、高さ73メートル、幅160メートルのコンクリートダム建設計画を立てました。
当時の兵庫県の資料によると「ダムサイトは市街地に近く自然環境の豊かな武庫川渓谷に位置することからレクレーション多目的ダム事業により、環境保全に十分配慮しつつ」とし、ダムに上下2箇所、計4個の穴を開け、常時そこから水が流れるから環境に問題はないとしていました。

その後1997年には一旦「足踏みダム」に指定され、その必要性に旧建設省も疑問を投げかけました。1998年には「足踏み」は解除になりましたが、県が作成した「環境影響評価概要書」に対して708件もの意見書が提出され、西宮市も「試験湛水を実施する場合は、これにより動植物が死滅し、貴重な自然が失われることが予測されますので、適切な調査を実施し、環境への影響を最小限にとどめる措置を講ずるべき」としました。

この結果、環境保全に十分配慮したとする穴あきダムも環境を破壊するとして県は、ダムに頼らない総合治水を基本とする河川法の抜本的改正もあり、2004年3月に「武庫川流域委員会」に「総合的な治水対策についても検討を進め、ゼロベースから武庫川水系の河川整備基本方針を策定」するとし「河川管理者が提示する武庫川水系の河川整備基本方針及び河川整備計画の原案について意見を求めると」とする諮問が県知事から行なわれました。

2006年8月30日「武庫川の総合治水へ向けて」と題する提言が武庫川流域委員会で全員一致採択されました。その内容は総合治水への転換で向こう30年間、新規ダムは位置づけないというものです。
これに対する当局の見解は去る9月議会わが党の野口議員への答弁―引用します。
「武庫川流域委員会におかれましては、平成15年度の準備会議を初めとして、49回の委員会、多数のワーキンググループなどで、長時間にわたりまして、武庫川の治水、利水、環境について議論していただいたところでございます。従来、行政サイドで検討されていた計画策定過程におきまして、学識者並びに市民による幅広い方々の意見を取り入れた提言が取りまとめられたことは意義深いこと」としています。

しかし一方では治水安全度30年に1回の確率になっていないとの理由で「早期に効果の上がるダム建設を行うことが有効」とダムにこだわる見解を示しています。この30年確率についても武庫川流域委員会で議論、検討されての結果であることは明確です。

武庫川流域委員会の提言を受けて兵庫県は地元説明会を行ないました。いろんな意見が出ましたが、西宮の田畑を遊水池にするのは反対だからダムが必要とする意見や、武庫川の決壊よりも集中豪雨で鳴尾地域は浸かるのと違うかとの意見が出たようです。前者の意見は提言の内容をまったく把握せずに言っているものですが、後者の意見については現実の問題をついたものだと思います。
武庫川の氾濫について鳴尾村史1889?1951によれば「1897年9月台風のため武庫川が氾濫し枝川堤防(80間余)などが決壊する」とあり「1920年8月1日第一期武庫川改修工事開始」とあります。
これ以後110年間鳴尾村史にも西宮市史にも武庫川の氾濫、決壊の記述は皆無ですが、台風による高潮被害や内水域浸水の記述が見られます。
このように、武庫川堤防決壊よりも内水域浸水対策の方が現実的です。

<質問>
  1. そもそも環境保全に十分配慮したダムとして穴あきダムの建設計画があったが、それも環境保全にはならないとの結果が出ている。市長がいう環境に配慮したダムなどありえないのではないか。いったいどんなダムなのか。
  2. 武庫川流域委員会はさまざまな専門家、関係者、市民代表などを交え49回開催その上に、2つのワーキングチーム、3つのワーキンググループ、さらにはリバーミーティング、流域7市との意見交換会等の結果出された答申であり、西宮市長もその意義を認めておきながら、それに反する意見を表明しているが、そのような態度では行政秩序は成り立たないのではないか
  3. 市長はダムで市民の命と財産が守られるとしているが本当の安全なのか、それよりも内水域での浸水被害のほうが問題ではないか。