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2006年12月 上田さちこ議員の一般質問
2006年12月01日

偽装請負について


 いま、偽装請負が大きな社会問題となってきています。11月29日付神戸新聞では、篠山市偽装請負の疑い、行革、雇用ルール逸脱、業務に合わぬ人員減背景・・・という見出しで、「派遣労働にもかかわらず請負契約を結ぶ『偽装請負』を行なっている疑いが浮上、兵庫労働局が近く、調査に入ることが分かった・・・」と報じました。

 本来の請負とは、請負会社が業務の発注を受け、請負会社の指示命令で労働者は仕事を行なう形態をいいます。いま民間で起こっている「偽装請負」とは、人材派遣会社がメーカーなどに労働者を送り込み、メーカーの指揮のもとで仕事をさせる職業安定法や労働者派遣業法に抵触する違反行為です。10月13日、参議院予算委員会で日本共産党の市田忠義議員がこの問題を取り上げました。派遣大手のクリスタルグループから労働者の供給を受けていた事業所は、キャノングループが3033人、松下グループが2701人、ソニーグループが1485人等々で、日本の名だたる大企業がずらりと並んでいますが、派遣労働の場合には受け入れ企業側に生じる労働安全衛生上の責任や、一定期間以上継続して働いた労働者を直接雇用する努力義務がありますが、それらを避けるための「偽装請負」は、大企業の身勝手な違法行為だとして改善を求めたのに対し、安倍首相は、「厳格な対応」を約束しました。いま、これと同様の問題が篠山市で指摘されているのです。

 西宮市でも官から民へとのかけ声のもとで、多くの業務が民間委託されていますが、業務請負契約で働いている労働者の実態はどうなっているのでしょうか。

 また市内の事業でも、派遣や請負で働く人達が急増しています。平成17年3月にまとめられた「西宮市労働実態基本調査報告書」によると、派遣労働者は4881人、請負が含まれると思われるその他は3434人となっています。いま問題になっている偽装請負は、行われていないかどうか調査の必要があると思います。
派遣や請負の仕事に就いているのは多くは青年労働者です。まじめに働いても生活保護水準以下の賃金しかもらえず生活もできない、いわゆる「ワーキングプア」と呼ばれる劣悪な労働条件で働いており、国をはじめ、自治体の改善に向けた積極的な対応が求められているのではないでしょうか。
  1. 西宮市の業務委託契約の件数は全体でどうか。この指示命令はすべて受託事業者が行っているか、実態はどうなっているか

  2. 西宮市の秘書業務に派遣労働者の受け入れを行っていたが、労働組合から脱法行為を指摘されていた件はどうなったか

  3. 市内企業で、8000人を越える派遣労働・請負労働の実態があるが、偽装請負などの違法行為についての調査を行うべきと思うがどうか

  4. 勤労会館のシルバー相談センターの有効活用