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2007年3月 上田さち子議員の代表質問
2007年02月28日

教育行政について


 教育行政方針では、「家庭における児童虐待等、家庭や地域社会の教育力の著しい低下や、学校におけるいじめ、不登校などさまざまな課題を抱えており、とりわけ子どものいじめによる自殺が深刻な社会問題になっている」としていますが、社会現象の指摘はあっても、西宮市教育委員会としての具体的対応策はまったくみあたりません。それどころか、西宮市が市民とともに長年にわたり守り発展させてきた、高校の総合選抜制度を、市民への周知もはからず合意もなく捨て去り、子ども達にいっそうの競争と学校の序列化をつくる複数志願制を、県教委に要請したことは許しがたいことです。また教育基本法の改悪については、「将来に向かって新しい時代の教育の基本理念が示された」と述べていますが、深刻な教育をとりまく問題が、教育基本法の改悪で改善されるものではありません。改悪教育基本法は、思想信条の自由を蹂躙し、また教育への国家権力の介入が無制限に行なわれる仕組みをつくるものであり、日本共産党は、改悪教育基本法の具体化に反対し、教育現場へのおしつけを許さないたたかいを、引き続き取り組む決意です。
 今回は、西宮市の子どもたちがどの子も健やかに成長することを保障するためにつぎの質問をします。

全国いっせい学力テストについて

 今年4月24日に小学6年生と中学3年生、240万人を対象に全国一斉学力テストが実施されようとしています。文部科学省が1月19日付で各教育委員会に送付した「全国学力・学習状況調査実施マニュアルについて(通知)」では、小学校は(株)ベネッセコーポレーションに、中学校は(株)NTTデータにそれぞれ文科省が67億円で委託するという中身です。委託先の株式会社が採点・集計を行うことにより、こうした受験産業に個人情報が流れる危険性は明らかです。2月21日の衆院文部科学委員会で日本共産党の石井郁子議員は「個人情報を受験産業と国が握ることになり重大な問題だ」と指摘し、学力テストの中止を求めたのは当然のことです。さらに石井議員は、昨年11月から12月に行われた全国いっせい学力テストに向けた予備調査では、通塾状況など受験産業が欲しくてたまらないような質問ばかりが並んでいたことも明らかになりました。
 日本共産党は、全国いっせい学力テストが競争教育を激化させ、子どもと学校を序列化するとして反対してきましたが、今回指摘したような状況の中で、西宮市として、子どもと学校を序列化し、競争教育を激化させる「全国いっせい学力テスト」は実施すべきではないと思いますが、答弁を

学校配分予算

 新年度は小学校、中学校、養護学校、高校、幼稚園における、学校園運営経費の総額は、7億4888万円で昨年度とまったく同額が計上されました。昨年を下回らないという点では、実に14年ぶり。これまでは前年に比べ、マイナスシーリングであっただけに画期的であります。私はこの壇上から、「学校現場では子ども達に配布するプリント1枚を始末しなければならない事態だ」と実態を明らかにし、真鍋教育長は「教育予算は一円でも多いほうがいい」と現場の実態を熟知された実感を込めた答弁をされました。そのような経過から。私は新年度予算に大きな期待をもってみてきましたが、昨年を下回らなかったとはいえ、子どもの数が増え続けていることから、児童・生徒一人当たりの予算は昨年と比べて小学校では415円、中学校では789円と、やはり減額となっています。こどもは宝だとする行政方針は絵に描いた餅でしょうか。抜本的な増額をなぜ行なわなかったのか聞く。

マンション開発規制の強化を

 震災以降、西宮市はマンション開発規制を大幅に緩和して、市内中でマンション開発を促進してきました。その結果、若い世代を中心に爆発的に人口が増え、その結果、住環境は悪くなるとともに、保育所や学童、学校の教室が不足するという、市民生活に重大な事態がひろがっています。日本共産党はこの間、「これ以上のマンション開発は止めよ」と求めてきましたが、やっと2005年4月より、「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」が施行され、教室不足となる地区でのマンション開発を抑制する対策をとるようになりました。昨年はさらに要綱を改正し、規制する地区を増やしています。
 しかし、私が住む香枦園地域では、大企業の社宅跡や酒造会社の所有するテニスコートなどが次々マンションに建て替えられ、まだ、これからも開発は続く勢いです。当局は、開発を規制する要綱は一定の効果があったとしていますが、私はとてもそのようには思えません。
  1. 昨年5月の推計時と比べて、今後の教室不足の見通しはどうか

  2. 全市的に一定期間のマンション開発を規制するため、「要綱」を「条例」にすべき