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野口あけみ議員の一般質問
2007年06月27日

JR地下道[甲子園口五?天道町]の早期改修


 次に、甲子園口五丁目と天道町を結ぶJR地下道について質問します。
 この問題の議会での議論は、2000年12月議会本会議で日本共産党議員団がはじめてとりあげて始まりました。以来、今回、党議員団として7回目、私は4回目の質問です。初めてお聞きになる議員もいらっしゃるかと思いますので、問題の概要、経過について申し上げます。

 1970年、昭和45年に、中津浜線のJR線をまたぐ跨線橋建設に伴い、瓦木なかの道にあった瓦林踏切が廃止され、歩行者等の通行を確保するために現在の地下道が市によって設置されました。幅員3メートル、その中央に幅1メートルの自転車押し上げ用のスロープが設置されている斜路つき階段です。斜路の勾配は、北側は40%、南側は35%ときつく、現行の立体横断施設技術基準に示されている25%を超えており、特に自転車利用者にとって、非常に利用しにくい危険な施設です。この近辺に他にJRを横断する道路が少ないために、利用者も1日約2850人、うち自転車は2500人と、大変多くなっています。これは2001年の市の調査によるものです。また、南北とも出たところは自動車道となっているのも危険度を高めています。これが、れっきとした市道なのです。

 党議員団の追及で、市はこの道路=地下道が、「危険道路」であり、「違法・欠陥道路」であることを認め、2001年3月以来JRとの協議を進め、2002年2月には幅員3メートル、車椅子の自力歩行が可能な8%のスロープ化を基本とした市の改修計画案がまとめられました。2003年3月議会では、明確に2004年度から2008年度までの第3次総合計画の中でとりくむことが表明され、同年には土質調査も行なわれています。

 ところが、2006年3月議会で、突如として市は2008年度までの第3次総合計画内でとりくまず、後年度に繰り延べるとしました。市が言う繰り延べ理由は「この事業が国の補助採択基準に適合しないために、実施するための費用、約4億5000万円を一般財源で賄う必要がある。市の厳しい財政状況や緊急性などを勘案して、後年度に繰り延べざるを得ないという判断に至った」というものです。

 これにはまったく納得がいきません。第1に2008年度までにやると議会本会議で1度ならず表明したことをくつがえしたということ。市民の代表で構成する議会での発言は「市民への約束」です。これをひるがえすことは市民を愚弄するものです。
 第2に厳しい財政事情といいますが、これも事実に反します。当時、散々宣伝していた「321億円の財源不足」は大幅に改善し、70億円までに圧縮されていました。党議員団が指摘してきたとおり、福祉・くらしの市民サービスや市民要求を切り捨てるために、過大な財源不足が宣伝されてきたといっても過言ではありません。
 第3に緊急性がないかのような言い方をされていますが、地域では切実な願いです。今回の繰り延べという仕打ちで「市は誰か犠牲者、死人が出ないと動かないのか」こんな声も出ています。

 市の繰り延べ表明後、昨年8月に地元住民有志による「JR地下道改修を早期に実現する会」結成が準備され、9月に発足しました。私もその世話人のひとりですが、署名運動に取り組むことになりました。周辺の町内会・自治会の皆さんにも協力をお願いしましたら、「地下道改修は地域全体の願いだということ市に示したい」との役員の方の後押しで瓦木連合町内会は、挙げて取り組んでくださいました。2ヶ月足らずで4234筆が集まり、12月4日、副市長に手渡しました。その場で連合会長さんは、「人命にかかわるような道路を放置しておくことは市の恥」という指摘をしておられます。
 そして、この2007年度予算で、国の補助獲得にむけての調査費として300万円の予算が計上されました。いったん休止・繰り延べされていたものが動いたわけで、これはこの署名の重みを受け止めたものとして一定の評価をしておきたいと思います。一刻も早く、JR地下道の改修をすすめるよう求めるものです。

【質問項目】
  1. 今年度とりくまれる調査の内容と、スケジュール。国庫補助獲得の見通しはどうか。

  2. これまで国の補助基準に適合しない単独事業としてきました。今回、補助事業の可能性がでてきたのはどんな要因によるのか。