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2008年度予算要望
2007年09月04日

総務局


  1. 「骨太の方針2007」で安倍内閣は「美しい国」づくりの経済システムの構築にむけて、「新しい経済成長」「日本経済のオープン化」などを掲げ、小泉内閣からの「構造改革路線」の推進、「歳出・歳入一体改革」「公務員制度の改革」「道州制を含む本格的な地方分権改革」など、地方自治体と地方制度にかかわる新た攻撃がすすめられようとしている。
    以下、国に強く求めること。
    1. 地方交付税の一方的な削減と制度改悪はやめ、地方財源を充実させること。

    2. 地方交付税を使った国の政策誘導をやめ、制度本来の財源保障・調整機能の充実と、住民福祉を保障するため総額を確保すること。

    3. 福祉や教育など国の補助負担金の削減をしないこと。


  2. 震災後作成されてきた「西宮市財政の現状」は、その中の財政収支試算表の赤字額により「財政危機」を強調し、3次にわたる「行革」の根拠となってきた。日本共産党議員団は、その財政収支試算表が意図的に「収入は少なく、支出は多く見積もる」というしくみを明らかにし、「つくられた財政危機」だということを主張してきた。
    事実、第3次「行革」において、2004年2月の試算表では「2008年度末321億円の財源不足になる」と"大宣伝"していたが、2007年8月に明らかになった2006年度決算では、約30億円の剰余金が生じ、今年2月の試算表の「38億円の黒字」とあわせると約68億円、さらに07、08年度決算で生じる剰余金を加えれば100億円以上の黒字は必至の状況となり、その主張の正しさは明らかである。
    今後、財政危機をあおるための財政収支試算表は絶対に作らないこと。また、市財政の改善については正確に市民や市職員に周知すること。


  3. 小泉、安倍内閣とつづく自民・公明政権のもとで、老年者控除の廃止、年金課税強化、定率減税の廃止など、この間の庶民増税が強行されている。今年も、住民税のフラット化とともに、定率減税が全廃され、増税に対して怒った市民が市役所に殺到した。貧困と格差のひろがりにより増税による生活苦が生じており、その対策として以下のことに取り組むこと。
    1. 今年の住民税増税を中止し、実施された増税分は「戻し税」方式で返還するよう、国に求めること。

    2. この間の住民税増税に対して、市独自の市民税減免措置を拡充すること。

    3. 安倍内閣がすすめようとしている消費税の引き上げについては、絶対に行なわないよう国に要請すること。

    4. 税を軽減するため、障害者控除や寡婦控除など、確定申告を積極的に周知徹底すること。また、税のフラット化に対する特別措置(調整控除)について、周知徹底すること。

    5. 学童保育の育成料のように市民税の金額により減免額が決まるような、税額方式で公共料金に影響のでるものについては、早急に負担増や減免減とならないよう対応すること。


  4. 1994年度から1999年度に借り入れた政府資金による既発債について、高利率地方債の借り換え(利下げ)および、地方債残高の償還期限の延長等、条件変更について可能となるよう法令の改正を国に要望すること。

  5. 5、市民の暮らしは引き続き厳しい状況がある。固定資産税を引き下げること。

  6. 戸建住宅であれば、私道でも固定資産税減免の制度がある。一方、分譲マンション内の同様の通路には適用がなく不公平な扱いとなっている。公道につながる敷地内通路を公衆用道路あつかいとし、免除対象とするなど課税の見直しを行なうこと。

  7. 都市計画税の税率を0.3%から0.2%に引き下げること。

  8. 悪質な大手企業の市税等の滞納については厳しく指導し、早急に回収すること。

  9. 随意契約については慣例的に行なわれているのも見受けられる。そのため契約価格が高止まりとなっている。地方自治法に基づき厳格に行なうこと。

  10. 市発注の公共事業は、市民生活の向上と地元中小零細企業の育成の観点からも生活密着型に切り替え、以下の施策にとりくむこと。
    1. 市発注の公共事業のうち、金額での発注率を市内中小企業むけに75%以上とすること。

    2. 工事の指名競争入札参加資格が経営事項審査結果通知書の総合評点にもとづいて行なわれるようになったが、特に中小企業については市内に本店を有する市内業者を優先すること。

    3. 公共工事、物品購入、委託等については、分離分割発注し、市内中小業者を優先すること。

    4. 特定業者との癒着につながりやすく、受注の独占化になりかねない一括単価契約はやめること。

    5. 工事の元請け業者が下請け業者をつかう場合には、「公共工事適正化法」及び付帯決議にもとづき、元請、下請けの契約書と支払い領収書の提出を引き続き元請けに求めること。

    6. 「公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保に関する意見書」を議会は採択したが、これにもとづき市として、担当の部署も決め、早期に「公契約条例」を制定すること。

    7. 市発注の一定金額以下の工事等に、市の競争入札参加資格のない市内業者に直接発注する「小規模工事等契約希望者登録制度」がはじまった。しかし、発注数は、06年度で15件と非常に少ない。制度の活用を広く庁内に徹底し、市全体として、中小業者の仕事づくりを進めること。また、金額については、06年4月より所管課契約の金額を50万円未満に引き上げられており、現行31万5000円以下を当面50万円未満に引き上げること。


  11. 市からの工事、管理、委託などすべての受注業者に対して労働組合法など労働三法を契約書に明記し、遵守するよう周知徹底すること。

  12. 土地開発公社がかかえている土地は2007年3月末時点で、約10万9627平米、取得金額は126億5548万円(うち、甲子園浜下水道用地78億円)となっており、いわゆる"塩漬け土地"がかなり残っている。公社保有の処分困難な用地(上大市4丁目、高畑町等)については福祉施設など広く市民に役立つ施設の用地に活用するなど早急に結論を出すこと。

  13. 西宮市は第3次行財政改善実施計画によって2008年度までに250名の職員を削減するとしている。消防職員は、今後4年間で67名の増員を計画しているが、緩和された国基準以下である。福祉・暮らしや教育などの市民サービスにも支障をきたしてはならない。職員は単純に減らせばよいという観点ではなく「全体の奉仕者」としてあくまで住民サービスを担うという観点から適正配置を行うこと。

  14. 職員人事について
    1. 職員の能力や指導力に応じた適材、適所で公平、公正に行なうこと。また、労働組合活動を理由とした昇進、配置などの差別は絶対行なわないこと。

    2. 2007年4月1日現在西宮市の事務職員における、女性の比率は23.6%だが、係長級以上の管理職での女性の占める割合は11.4%で、前年より0.8ポイント上昇しているが極めて低くなっている。特に上級の管理職をふやせるよう環境作りや女性管理職の育成などに取り組み、積極的に登用すること。

    3. 障害のある人の雇用を広げすすめること。特に視力障害者の採用についてはまったく積極性にかけている。コンピューター化が進んでいるなかで民間職場ではコールセンターで活躍している視覚障害者もいる。早急に職域の開発を行なうこと。

    4. すべての職員に、研修の機会を均等とすること。

    5. 今後も団塊の世代が大量に定年退職をむかえる。なかでも管理職の相当数が退職することになるので、後進の人材育成などを早急に進め、市民サービスに影響が出ないようにすること。

    6. 職員の在職死亡や長期にわたる病気休業が見受けられる。特に、メンタルケアの必要なケースも多い。職場環境の点検を行なうとともに、人的配置や人事管理を適正に行なうこと。また、職場への復帰支援も十分におこなうこと。


  15. 嘱託調理員、嘱託介助員、嘱託看護士、老人ホーム嘱託職員、嘱託司書などの常勤的非常勤職員は、労働時間数に違いがあるだけで労務内容は正規職員となんら代わりがない。待遇は正規職員と均等にすること。
    特に、給与面では、就業時間外に別の仕事をすることがないよう、生活の成り立つ額に改善すること。

  16. 西宮市は、2008年4月1日より中核市をめざしている。市民の福祉増進の立場から業務の改善を行なうこと。特に、市立児童相談所の設置について早期に研究、実施すること。業務量の増加に対応した職員の増員と研修をすすめること。

  17. 市役所庁舎の北東の出入り口(国保、年金等の窓口の近く)は、一階では唯一自動ドア未設置となっている。直ちに設置すること。