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2008年度予算要望
2007年09月04日

環境局


  1. 21世紀の世界を持続可能な経済・社会とするために、温暖化ガスの大幅削減を実現する対策など地球環境保全の見通しをたてるとともに、国内においては、大気汚染対策など身の回りの環境対策に真剣に取り組むことが必要である。将来にわたって良好な環境を維持していくために環境汚染を規制し、生態系をまもるとりくみを強化しなければならない。
    1. 西宮市でも環境計画が今年度から第2期に入っている。現在、第4次西宮市総合計画との調整期間にも入っており、その計画策定全体にわたって環境保全の位置づけが明確になるよう環境局として主張すること。

    2. 今年度から地域における計画を実施していくことになる。組織づくりや行動計画、具体的な目標数値など、市民参加により、実効性あるものへ引き続き充実させること。

    3. 特に温室効果ガス削減については、京都議定書も発効されており、その取り組みが急がれている。本市の「西宮市地球温暖化対策実行計画」にもとづく実績報告でみてもまだまだ不十分な状況である。庁舎も屋上緑化で一定の効果があったといわれているが全面緑化を実施するなどリーダシップを発揮し、事業者として市役所内での取り組みをさらに強化すること。また、家庭版ISO(石川県の取り組み)など、市民への啓発を含め、引き続き積極的に取り組むこと。

    4. 計画推進にあたっては、行政、市民、事業者の参画と協働が求められるが、特に事業者に計画を徹底するとともに、事業者責任を果たさせること。


  2. 自然海浜について
    1. 阪神間で唯一残された自然海浜である甲子園浜、香櫨園浜の浜辺は、鳥獣特別保護区もあり、野鳥や水生生物の観察、市民の貴重な憩いの場ともなっている。
      この間、県によりヘドロ調査や実証実験施設をつくっての水環境再生実験もおこなわれているが、ひきつづきヘドロの排出や養浜、浜をつなぐ海流の復元に取り組むなど、干潟、自然浜、海の再生をはかること。

    2. 第3次総合計画に盛り込まれている西宮浜北護岸と御前浜を総合公園として一体整備する計画については、市の関係部局による臨海整備部会のなかで検討されているが地域住民の声も反映させ、第4次総合計画前期に位置づけすすめること。

    3. 西宮浜に西部総合処理センターの余熱を利用した温水プール付きの地区体育館を建設するための調査費を計上すること。


  3. 市内の貴重な生態系や住環境を破壊しかねない武庫川ダムや阪急甲陽線地下化事業などの大型公共事業について直ちに中止を求めること。

  4. アスベスト対策について
    アスベストは、吸い込んでから20年?30年以上も後に悪性腫瘍をひきおこす。その一種である中皮種などの被害が明らかになり、その影響は、事業者・従業員だけでなく家族、周辺住民にもおよんでいる。政府がILO条約の批准を先延ばしにし、WHO基準の200倍も緩い基準を放置し、被害をひろげてきた結果である。関連業界と政府の責任は重大といわなければならない。昨年のアスベスト対策法の施行後も認定対象がせまく、救済数も少ないなど様々な問題点も指摘されている。市民の命と健康を守り、不安を取り除くためにも、アスベスト対策について以下のことを実施すること。
    1. 市内での具体的被害が明らかになった場合、迅速に対応すること。

    2. 解体による飛散防止策を強化するとともに、解体業者への飛散防止費用の助成制度を新設するよう国・県に求めること。また、鉄道駅、市内の公共施設、民間施設を含めアスベスト使用の現状把握と安全な除去、対策を引き続き講じること。


  5. ゴミをめぐる問題について。
    1. 循環型社会形成促進基本法をはじめ、リサイクルにかかわる法律も順次制定され、さまざまな取り組みがおこなわれているが思うような効果はあがっていない。
      大型焼却炉によるごみの‟焼却中心主義”からの脱却を図ることが求められている。ごみの発生を設計・生産段階から削減するために、OECDも勧告している「拡大生産者責任制度」にたって、自治体と住民に負担を押しつける現行のリサイクルシステムを抜本的に見直すよう国に求めること。

    2. ごみ減量、再資源化には徹底した分別が必要である。ペットボトルの分別に続いて、その他プラスチック類、びん等の分別収集についても、市民の協力をえてただちにおこなうこと。また、ビンなどのリターナブル化等も促進すること。

    3. にこやか収集の対象をさらに拡大すること。

    4. 燃やさないごみなど、収集の際に利用しているコンテナが重く高齢者などの負担になっている。軽量化の要望もひきつづきあり、軽量のコンテナに切り替えているが、充分に知られていない。市民に広く知らせ、軽量化や運搬しやすい工夫をおこなうこと。

    5. 市民に負担を強いるゴミ回収有料化は絶対におこなわないこと。

    6. 事業系などのごみ処理手数料等がこの10月1日から有料化されることになっており、零細な業者から苦情が寄せられている。中小零細業者のくらしを圧迫する有料化を中止すること。

    7. 粗大ごみや家電4製品の不法投棄が多くなっている。引き続き、パトロールや啓発を強めること。

    8. 東部総合処理センターの更新にあたっては、何でも燃やすという立場でなく、ゴミ発生を抑制していくという立場から、施設が過大とならないようにすること。


  6. 大阪空港について
    大阪空港は市街地の上空を航空機が航行し、住民の安全を脅かすという点で「欠陥空港」であり、大阪空港の早期の撤去を求めること。それまでの間、第1種空港(国が整備費を全額負担)を堅持し、航空機騒音問題解決に引き続き努力すること。環境対策や空港の維持管理について国の責任の後退を絶対許さないこと。
    11市協は、あくまで「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」が目的である。しかし利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調する中で、名称が大阪国際空港周辺都市対策協議会に変り、実態としても変質している。11市協から脱退すること。

  7. 幹線道路の騒音・公害防止について
    1. 国道43号線、阪神高速道路は、「欠陥道路」であると明確な判決が下されている。環境防災緑地の整備など沿道対策では、一定の改善が取り組まれているが、道路交通対策として環境ロードプライシングの促進を含む自動車、大型車の総量規制をおこなうことなど、引き続き取り組みを強めること。

    2. 大気測定局の測定項目および配置について見直す方向が検討されているが項目の見直しではなく測定局も増設し、その結果については市民に積極的に公表すること。

    3. 国道176号線などもいぜんとして交通量が増大し、渋滞に伴う環境悪化も懸念されている。環境対策をとること。


  8. 山陽新幹線沿線の騒音、振動被害はのぞみ中心の運行により相変わらずひどい状況であり、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」も達成されていない。被害の軽減には減速が最も有効である。市としても引き続き、新幹線の振動騒音対策を講じるよう、JR西日本に強く求めること。

  9. 神戸製鋼所石炭火力発電所からのばい煙について、市民への影響がないと断定はできない。神戸市とも連携し、対応すること。また、煙突から吐き出される浮遊粒子状物質の環境基準は、PM10が対象になっているがPM2.5の微小粒子状物質のほうが毒性がつよく肺がんや喘息を引き起こすといわれている。神戸製鋼所に対してその測定を義務づけるよう県にもとめること。

  10. 産業廃棄物の不法投棄について若干減っているとはいえ、引き続き監視カメラの設置や徹底した立ち入り調査が必要である。不法投棄のルートと関与者を解明すること。違反者はもちろん、排出者の責任で撤去させること。

  11. 食肉センターは毎年赤字で、市民にとって何のメリットもないにもかかわらず、市から毎年約3億円の多額の繰り入れがおこなわれている。この食肉センターのあり方について、指定管理者制度導入の方向も検討しているやに聞いているが到底認めることはできない。食肉センター検討委員会の「提言」では、「食肉センターは今年度末までに県への事業主体移管、完全民営化の方向をとること」としている。現時点では、いずれも不首尾に終わる状況である。ただちに「提言」の立場で結論を出すこと。

  12. 公園整備について
    1. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしている。しかしながら雑草が生い茂り、ゴミ箱からゴミがあふれ、ゴミが散乱している公園もある。市民参加を大切にしながらも、公園の維持管理についての予算を増額し、最終的には管理者である市が責任を持って管理すること。

    2. 老朽化した遊具やベンチ等で子どものケガが全国で多発し、安全点検もおこなわれてきた。市内の全公園もひきつづき点検をおこない、計画的に修繕・修理すること。老朽化した遊具、ベンチなどを撤去している場合もあるが、新しいものと取り替えること。

    3. 公園のトイレについては市内80ケ所あるトイレを順次改修し、要望のあるところでは、設置すること。身障者用のトイレも整備すること。

    4. 緑の基本計画では、一人当たりの公園面積を2012年に12?、2022年には20?を目標にしているが、公園整備は進んでいない。大幅に公園整備を進め、街なかに公園を新たに確保すること。とくに甲子園五番町の公園整備を急ぐこと。また、公園を整備あるいは改修するときは、利用者の意見を取り入れること。

    5. 武庫川河川敷公園の仁川部分に沈下橋が架けられ、田近野町と往来が可能となったので、遊歩道、サイクリング道の整備を早急におこなうこと。

    6. 西宮市営白水峡公園墓地のトイレは、一部簡易水洗化がおこなわれたが、異臭や清掃などまだ課題は、残されている。早期に改善すること。