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佐藤みち子議員の一般質問
2007年09月13日

多重債務者救済対策について


 今年の6月議会で野口議員が、昨年12月議会で、私がこの問題で一般質問を行いました。サラ金利用者は全国で約1,400万人、そのうち5件以上の利用者、いわゆる多重債務者は230万人、将来に希望を見出すこともできずに過ごしています。8年連続で3万人以上が自殺し、その約4分の1が経済苦・生活苦が原因で自殺している現状を国・地方自治体は真剣に受け止めなければなりません。この間、関係者の長年の運動が実り、昨年12月の臨時国会で、グレーゾーン金利の撤廃など貸金業法が改正され、4月には「多重債務問題改善プログラム」で自治体の対策強化を求めています。また、多重債務者が増加した背景には格差・貧困問題があり、根本的には雇用改善や社会保障の充実など貧困からの救済が必要です。債務整理とともに生活再建が課題で、そのような観点からも自治体の役割に期待が高まっています。

 2007年6月16日に金融庁で、「多重債務問題解決のためのカウンセリング」が開催され、全国の自治体から相談・カウンセリングの担当者が参加。多重債務問題の解決に不可欠な自治体の役割を強調し、長野県や盛岡市など先進的な取り組みが交流されました。7月16日には尼崎市で、「自治体の多重債務窓口のスタートに」との表題で、多重債務者自立支援講演会がおこなわれ、尼崎市も後援しました。尼崎市の白井市長、全国クレッジト・サラ金問題対策協議会の弁護士、被害者の方等から報告があり、京丹後市、尼崎市の取り組みの報告がありました。市からも、消費生活センターのグループ長が参加されていました。

 西宮市では、消費生活センターが多重債務の相談を受けています。2006年度「西宮消費生活行政の概要」によると、融資サービス(フリーローン・サラ金・ヤミ金融等)の相談件数は、2005年度は260件、2006年度は296件の相談があり、30歳の給与生活者の相談が多いとなっています。相談事例が載っています。たとえば、50代女性、大手消費者金融数社から借り入れ。900万近い借金がある。自己破産したい。アドバイスとして、取引履歴等書類を準備して法律家に相談するよう伝え、取り合えず無料相談窓口を案内した。となっています。これ以外に3例の事例が載せられていますが、最終的に解決したのかどうかわかりません。

 尼崎市では、消費生活センターと市民相談窓口で多重債務の相談をしています。以前から取り組んでいますが、この間、内容を充実し相談にこられた方の債務状況を、くわしく、ていねいに聞き取り、自己破産、特定調停等、解決方法を示し、同時に「借金は必ず解決できます」と、励ます。これがとても大事だと話されていました。弁護士、司法書士への紹介状を渡し、その後、実際に相談に行ったかどうかチェックをしているとのことです。今後は、役所内の関係部署とも連携をとって、様々な問題を解決していきたいとのことでした。

 盛岡市では、市民を多重債務問題から解放し、くらしの安心・安全を守るため、20年以上前から多重債務問題に取り組んでいます。困窮した市民を面前にして、支援の手を差し伸べてこそ、自治体としての価値があると話されています。

<質問>
  1. 7月に尼崎市で「多重債務問題」の集会があり、尼崎市も後援し、積極的にこの問題に取り組もうとしています。西宮市では、どう考えるのでしょうか。

  2. 西宮市のサラ金等の相談件数が、2005年260件、2006年度296件となっていますが、相談事例も含めて、解決状況はどうなっているのか。お聞きします。