杉山たかのり議員の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2007年09月13日
財政問題と第3次行財政改善実施計画について今議会、市長はあいさつの中で、本市の財政状況について「3次にわたる行財政改善の取り組みや競輪事業からの撤退、また景気の回復等による市税収入の伸び等により、ようやく明るい兆しが見えてきたところです」と述べられました。また、2006年度の決算を受けて、一般会計で約30億6900万円の黒字で、29年連続の黒字で1979年以降最高の黒字額だと、黒字額の大きさを誇っているようでありました。2年10ヶ月前に、市長は第3次行財政改善実施計画提案の際、「2008年度末、321億円の財源不足になる。民間企業の倒産となる赤字再建団体への転落を阻止するために市民にも痛みを。」と、財政危機を大宣伝していた頃を思えば大きな差を感じます。 約30億円の黒字決算を受けた現時点での財政収支試算を財政課に問い合わせますと、「2008年度末には約81億3300万円の基金積立」となるとの説明を受けました。つまり累積黒字です。 大事なのは実質収支の黒字額ではなく、決算剰余金の額ですが、2006年度の決算剰余金は、黒字額とほぼ同じ30億7300万円、2年連続30億円を超えました。この現時点での財政収支試算には2007年度、2008年度の決算で生じるであろう剰余金は反映していません。この間決算剰余金は20億円から30億円程度毎年生じており、二か年分は40億円から60億円程度と考えられますので、それを加えると、2008年度末の基金積立、つまり黒字は120億円から140億円程度と予測されます。 実質公債費比率など各財政指標は、まだ市債残高がかなり高い水準のため、相当悪い数値を示しています。しかし、人口47万人で、市税収入が800億円以上、一般財源が1000億円を超える財政の豊かな西宮市が、1年半後には100億円を超える基金を持つということは、一定の財政再建は果たしたといえるのではないでしょうか。もちろん不要不急の大型公共事業や非効率な行政運営はしないということが前提です。 日本共産党西宮市会議員団は、これまでも、財政危機の根拠としてきたその時々の財政収支試算表は、収入は少なく、支出は多く見積もり、毎年の決算剰余金が反映しないなど、財源不足が実際より多くなる仕組みを明らかにし、ムダな大型公共事業などを省けば、市民サービスを切り捨てなくても、財政再建は可能であることを主張してきました。 第3次行財政改善実施計画の効果額が200億円前後であることを考えれば、わずか3年程度で、321億円の赤字が120億円を超える黒字になったことは、財政が改善したのではなく、市の財政見通しがいかに精度が低いのかということになります。私は市当局の能力を過小評価しておりません。つまり、「321億円の財源不足」が市民サービスの切捨てを強行するための「つくられた『偽りの財政危機』」だったということは、もう誰の目にも明らかではないしょうか。 「第3次行財政実施計画」については、もともと「赤字再建団体への転落阻止」を理由に強行され、財政が少し改善し、赤字再建団体転落を回避すると、今度は財源不足の解消、さらに黒字が見えてくると「将来のための積立に」と、ころころとその実施根拠を市当局は変えてきました。将来の不安を理由に今痛みを押し付けることはすべきではありません。小泉、安倍と続く自公政権のもと、貧困と格差がひろがり、市民はかつてないほど厳しい生活を余儀なくされています。市財政が一定の改善をしてきたのであれば、切り下げた市民サービスを元に戻すのは当然ではないでしょうか。 このことを踏まえて質問をします。
|