杉山たかのり議員の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2007年09月13日
学童保育所の指定管理者公募についてさきの6月議会で、私が委員長をしております総務常任委員会に、総合企画局より「外郭団体の見直し」について所管事務報告がありました。その中で、現在西宮市社会福祉協議会が非公募で指定管理者となっている41箇所の学童保育所のうち4箇所について、2008年度より指定管理者を公募するということが明らかになりました。 それから6日後の7月10日に市当局より、「公募の4箇所が津門、用海、瓦木、広田で、7月25日の市政ニュースに募集要項を掲載、開始する」ことと「12日には運営委員会等関係者に公表する」ことの説明を幹事長として受けました。 総務常任委員会では、4箇所については決まっておらず、募集等のスケジュールについても全く報告はなかったので、私にとっては、この性急な日程は“寝耳に水”でありました。 私は総務常任委員長として、「議会への説明が不十分ではなかったのか」と健康福祉局に言うと「総務常任委員会に報告をしている」と、それで十分だと言わんばかりの答えでありました。 7月12日、関係者に公表されて以降、市連協や指導員、対象となっている学童保育所の保護者会、地域の運営委員会など、あまりにも性急で強引なやり方に批判が沸き起こりました。津門学童での説明会は夜中の1時半、2時半にまでに及ぶなど、深刻な事態となったのです。 当初、7月25日市政ニュースに募集要項が掲載されることになっていましたが、二度にわたって掲載が延期され、8月25日に最終的には掲載されました。 また、議会への説明も、「総務常任委員会で報告した」との当初の姿勢でしたが、7月23日開催の厚生常任委員会に急きょ報告事項として加え、各委員から「市当局のやり方」に厳しい批判の声があがっています。 このように、議会への報告、関係者への説明、市政ニュースへの募集掲載、いずれをとっても、市当局が当初考えていたようには進まず、混乱に混乱を重ねる異常な事態となったのです。 日本共産党議員団は、8月9日、市当局に対して、事態の収拾には、「いったん公募の方針を撤回し、関係者に十分市としての考え方を説明するとともに、意見もしっかり聞き、改めて公募の適否を判断する」よう申し入れましたが、市当局は聞く耳をもたない姿勢でした。 そして、関係者の反対を押し切って、8月25日より、公募による指定管理者の募集を、強行したのです。 一連の異常な事態になぜ至ったのでしょうか。 第一に、健康福祉局の指定管理者についての理解不足があったことです。 市は「公募は二年前から決まっていた」と指導員の労働組合に説明しました。その根拠は、学童保育所が「外郭団体等の見直しのために準備期間が必要と考えられる施設のグループに入っており、指定期間2年の後、公募とされる」と言うものでした。 しかし、2005年9月議会総務常任委員会では、このグループも「次期選定時には改めて公募の適否を判断する」と市当局は明確に答えており、当時の説明を全く知らずに、誤った説明をしていたのです。 第二に、議会や市民を軽視する姿勢です。 このような重要な案件を所管である厚生常任委員会に詳しく説明せず、FAXで済ませようとしたのです。7月23日の厚生常任委員会への報告はされましたが、健康福祉局は7月12日の時点で厚生常任委員会の開催予定すらつかんでおらず、わが党や議会からの要請で報告されることになったのです。 また、保護者への説明会では、なぜ公募をするのか、公募にするメリットは何かなどの質問に、市当局は何一つまともに説明をすることはできませんでした。 津門学童への四回目の説明会では、保護者から質問されているにもかかわらず「約束の時間になった」と、逃げるように席を立って出て行ったのです。 第三に、学童保育事業についての理解が不足していることです。 学童保育所の運営は、施設管理ではありません。また、単に子供をあずかる場所でもありません。子供たちの放課後や週末をすごす場所であり、安全と成長を保障するために、指導員や保護者、地域が力をあわせてがんばっているのです。ある保護者の方は、学童保育所は家であり、指導員は親であると言われました。わずか2年程度で公募により指定管理者が変わるということはあってはならない事です。まして民間事業者による指定管理者でこれまでの地域の協力が得られるのでしょうか。学童保育所は公募になじまないことは保護者や地域の声です。 結局、「はじめに公募ありき」の姿勢が今回の事態を引き起こしたと言えるでしょう。 私は、今からでも4箇所の公募は撤回するべきだと考えます。
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