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野口あけみの一般質問
2007年12月10日

国民健康保険料の引き下げについて


これまで日本共産党は議会ごとにこの問題をとりあげるとともに、2006年7月に発足した「国保料の引き下げを求める西宮市民の会」の皆さんとご一緒に、署名宣伝活動や集会、2回の市との話し合いなどに取り組み、引き下げを強く求めてきました。
この間明らかにしてきたのは次の点です。
1) 西宮の国民健康保険料は県下41市町の中で一番高いこと。所得300万円5人家族の保険料は、芦屋市や宝塚市民より年間約10万円高い49万9800円。所得200万円、5人家族でも同じく約8万円高い39万9800円もの高額であること。
2) 払いたくても払えない滞納者が増えていること。少しずつ払う分納も含め、実に加入者の16.57%が滞納です。滞納者の未徴収分8億7000万円を、何とか払っている人に肩代わりさせているため、保険料はますます高くなり、滞納者がさらに増えつづけるという悪循環に陥っていること。
3) にもかかわらず、西宮では保険料抑制のための一般会計からの繰り入れが一切おこなわれていない。引き下げるために阪神間他市並みに繰り入れを行なうべきである。などです。きわめてわかりやすい内容ではないでしょうか。

西宮の国保料がいかに高いか。今回は、政府管掌社会保険との比較をしてみたいと思います。収入や所得のとらえ方に違いがありますが、ほぼ近い数字を担当課で調べていただきました。それによれば所得300万、5人家族の社会保険料は20万1720円、約20万円です。西宮の国保料は49万9800円、約50万円ですから、社会保険の2.5倍です。所得200万円、5人家族の場合で社会保険料は、14万7600円。約15万円、同じく国保では約40万円で2.6倍にもなるのです。
社会保険では家族数が増えても保険料はかわりません。一方で国保は一人当たりいくらの均等割りがかかっています。今年度西宮の均等割りは3万4800円ですが、世帯人数が増すごとにこれだけ高くなる、過酷な制度になっています。
すべての国民が保険に加入する国民皆保険制度の下で、同程度の所得でこれだけの差がつく、誰が納得するでしょうか。

市当局は私たちの引き下げ要求に対し、一般会計から繰り入れすれば保険料は引き下げられ、過去の実績からも滞納者が減ることは認めながら、これ以上の繰り入れは困難。とかたくなな態度をとってきました。必要な経費はできるだけ保険料でまかない、赤字をださない健全経営していく。保険料抑制のための繰り入れは行なっていないが、低所得者に対する減免繰り入れは他市より手厚い、などというのです。

ところが、今年に入って市の答弁は少しずつ変化してきました。
まず2月7日の第1回市民の会との話し合いの場での当時の総務局長の発言です。保険料が高いことを認めたうえで「安くする努力をしなければいけない」と明言されました。
7月26日、国民健康保険運営協議会では市民局長が「国民健康保険料は基本的に高い。明らかに高い。県下で一番高い。所得100万円から200万円の方々の保険料を少しでも軽減できる方策を考えていかなければならない」
9月議会では、市民局長が「今後、世帯の所得にしめる保険料の割合が著しく高い世帯など、なお保険料負担が厳しい世帯により有効な減免制度について、減免の対象、規模、減免総額など検討する」と明言し、総務局長も「このような方々に(世帯所得にしめる保険料負担が厳しい世帯に)どのような支援が可能か、関係部局と調整していく」としました。
そして10月25日の2回目の市民の会との話し合いの場で、最後に感想を聞かれた総務局長は「国保料が高いと言う知識はあったが、いかに高いか改めて認識した。『安くしなければならない』と言う前総務局長に同感だ。命と健康は重視している。いくら財政出動できるか、考えたい」。市民局長は「保険料ははっきり高い。今年度はささやかだが均等割りを600円下げた。与えられた条件の中で、一過性でなく、なんらかの手を打っていかなければならない」
このように、かたくなだった市の態度も、市民のくらしの実態の前に、「何らかの手を打たねばならない」「減免制度を拡充する」という風に変わってきています。

2月、10月の話し合いの場にはそれぞれ90人以上の市民が参加し、提出した署名も1万筆を超えています。「市民の声が行政を動かしているな」ということを実感します。
国保には所得が比較的低い方々を中心に市民の4割の世帯、約8万世帯が加入しておられます。今は社会保険で国保は無関係でも、退職後、あるいは失業、休廃業したら加入しなければなりません。国民健康保険をよくすること、保険料引き下げは市民全体の問題です。市や担当者は自信を持ってすすめてほしいと思います。

<質問>
  1. 先ほど紹介した、「国保料の引き下げを求める西宮市民の会」との10月25日の話し合いでの総務局長の発言「高い保険料を安くしなければならないという前局長に同感だ。いくら財政出動できるか検討したい」。この発言に間違いはありませんか。もう一度この場でお聞かせください。この発言の方向で関係部局と鋭意協議中、努力していただいていると思いますが、いかがでしょうか。

  2. 現行減免制度の内容と適用者数、そして現在検討中の減免拡充については、どのような基本的考え方か、聞かせてください。また実施時期について、明確にお答えください。

  3. 西宮市民の会との話し合いの場で、国保課長から、資料が配布され減免対象の事例として、保険料が所得の2割を超える世帯の超える部分を減免すれば、約15000世帯、約3億円との説明がありました。これが検討中の減免対象、規模、総額と考えていいのか、お答えください。