杉山たかのり議員の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2007年12月11日
全国学力テストの結果公表について10月24日、文部科学省は今年4月に小学六年生と中学三年生全員を対象とした全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果を公表しました。全員対象のテストは、中学生では43年ぶり、小学生では初めてとなります。 調査結果は、基礎的な知識についてはおおむね理解はあるが、知識の活用には課題があるということ主な内容となっています。また、朝食を毎日食べる児童生徒の方が正答率が高い、などが示されています。 また、都道府県別に平均正答率が示され、都道府県別に47位までの序列がつけられました。 この全国学力テストには、準備も含めると100億円近い税金が投入され、テストの問題、解答用紙の発送から、回収、採点、集計まで全てを受験産業の民間企業であるベネッセコーポレーションやNTTデータに丸投げしましたが、4月時点の児童生徒の個々の学習達成度はわかりましたが、それ以外は、これまで行なわれていた抽出調査や現場の教師によるテストなどで、すでにわかっていたことばかりといえます。 そして、都道府県の序列化により、教育関係者からは、自治体間、学校間の点数競争の激化を懸念する声があがっています。 このような状況で、西宮市教育委員会は10月30日、市全体の平均正答率を公表しました。これは、県下では神戸市に続いて2番目でした。 市や町が平均正答率を公表することについて、兵庫県教育委員会は、市町の教育委員会に対して、口頭で自粛するようにとの要請がなされていましたが、西宮市教育委員会は、公表は市教委の判断にゆだねられているとして、(1)市独自の学力検査の結果をすでにホームページ上で公表していること、(2)情報開示を求められれば公表せざるを得ないこと、を根拠に、公表に踏み切ったのです。 日本共産党西宮市会議員団は、11月8日、市教委に対して申し入れを行い、西宮市が正答率を公表したことは競争や序列化の激化をまねく誤った判断だと厳しく戒めるとともに、学校ごとの正答率の公表は絶対にしないよう、関係者への情報保護の徹底を含め求めました。 現時点で正答率を公表した自治体は、県下では神戸市、西宮市、伊丹市の3自治体とのことであり、西宮市がいち早く公表したことは、余りにも性急であり、不適切な判断だと言わなければなりません。 さて、今回の全国学力テストによって、点数をあげるために学校教育がゆがめられている事態について触れておきたいと思います。 京都府八幡市では、市教育委員会が全国学力状況調査に向けての取り組み計画を全小中学校につくらせ、「プリントの実施」や「予備テストの実施」等を記入例として示し、3月12日から4月24日まで、毎日の計画を出させています。 大分市では、市の基本計画で学力テストの数値目標を設定し、全国平均を100として、2011年度には104以上にすると決めています。 東京都足立区で、区の学力テストの中で、小学校1校で、障害のある3児童の答案を保護者にも無断で除外し、採点をしなかったり、試験中に誤った回答をしている児童の問題文を校長や教諭が指をさして気づかせるなどの不正行為が行なわれていたことが大問題となりました。 しかし、もともと「競争意識の涵養(かんよう)」のためとして2004年に当時の中山文科相が導入を提唱したものであり、点数競争を激化させるのは当然です。全国の学校を平均点競争にかりたてるような、全国学力テストは今回で中止すべきです。 <質問>
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