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杉山たかのり議員の一般質問
2007年12月11日

浜甲子園団地建て替え事業の現時点での問題について


浜甲子園団地の建て替え事業については、私自身は今回で4度目の質問となります。5年ぶりになります。
浜甲子園団地は、1962年から64年にかけて建設され、面積約31ヘクタール、総戸数約4,600戸のマンモス団地でしたが、老朽化がすすみ、2001年より建て替え事業に着手しています。その当時、居住者は高齢化がかなりすすみ、15年という長期にわたる建て替え事業には、さまざまな問題が生じること予測されました。
3回にわたる質問での私の基本的な主張は、市として主体性を持って町づくりを進めるべきであるということであります。
着工から6年、第1期1ブロック先工区が完了し、さくら街として、あらたな街ができている現時点においても、この主張は変わるものではありません。
この浜甲子園団地の建て替え事業は、当時の都市公団の事業にとどまらず、西宮市を事業主体とする住宅市街地整備総合支援事業(住市総と呼びます)に組み込み、都市公団には国から助成がされています。
住市総は、臨港線以南の枝川町、古川町の全域及び甲子園九番町、上田西町の一部、地区面積約100ヘクタールに及ぶ地域を対象とするものです。具体的には、公団住宅建てかえ事業で約2,300戸の建設、都市公団等民間で約2,700戸の新たな建設、公営住宅の建てかえなどを含めると、全部で約5,500戸の住宅を供給することになります。そのほか、鳴尾川沿い堤防の整備、歩行者空間の確保を初め、公共公益施設の整備も含まれていました。

さて、浜甲子園団地の建て替え事業ですが、着工から6年が経過したにもかかわらず、着工当時よりも地域住民の不安は逆に大きくなっているのではないでしょうか。
第一に、当初の計画と違ってきていることです。さくら街の南側は、新たな住宅ではなく武庫川女子大のグランドとなっています。これまで一体だったコミュニティが物理的に分断される事態となっています。
第二に、今後の建て替え計画の全体像が具体的に示されていないことです。15年という長期の事業とはいえ、居住者が「自分のすむところはどうなるのか」「いつ新しいところに入居できるのか」などあまりにも不明なことが多すぎます。
第三に、建て替えを前提している団地だということで、建物や道路など老朽化が進んでいるにもかかわらず、対応が取られていない。居住環境の悪化がすすんでいるのです。
第四に、建て替えられた新しい団地では、高額な家賃や管理費、来客用駐車場が整備されていないなどの要望が十分にとりくまれていません。
などなど、さまざまな問題があります。
都市再生機構(UR)は、全国の団地の類型化で「他用途活用団地」に分類された団地では、大規模団地の集約化で30―40%削減し用地を他用途に活用する、小規模団地をつぶし更地化して売却する、建物を民間売却や居住者への払い下げも検討する、という手法で賃貸住宅の削減を進めようとしており、先ごろ賃貸住宅を15万戸削減するという方針が報道されましたが、建て替え計画が不明確な要因となっている。
また、住市総の網がかけられているにもかかわらず、まちづくりに市の主体性が感じられません。

<質問>
  1. 浜甲子園団地の建て替え事業は、当初の計画からどのように変わってきたのか。住宅市街地整備総合支援事業についてもあわせてお聞きします

  2. まだ建て替えの着工にはいっていない部分は、老朽化がすすんでいる。ところが現実には建て替え予定だということで、都市再生機構による対策が取られず、住環境の悪化が進んでいるのではないか。例えば団地内の道路改修、テレビの地上デジタル放送への対応など、市として都市再生機構に住環境整備の対応させる必要があるのではないか。

  3. 先ほど何点か問題点を指摘しましたが、市として今後、より主体性をもって建て替え事業に当るべきだと思うが。