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2008年3月議会 上田さち子議員の代表質問
2008年03月03日

緊急に人口増の抑制対策を


 西宮市の人口は47万7000人を超え、新年度も人口急増対策の関連予算が多額にのぼりました。特に学校の教室不足対策費は過去最高ではないでしょうか。問題は教室不足だけにとどまりません。団塊ジュニアの出産ラッシュに加え、「子育てするなら西宮」という言葉を信頼し、新しいマンションに他市から転居してきた多くの若い世代が、「保育所に入れない」と悲鳴を上げておられるのをご存知でしょうか。2月1日現在で保育所待機児は401名です。この他に認可保育所に入れなかったために、家庭保育所などの認可外保育所に入所中の子どもや、求職中で子どもが保育所に入れたらすぐに働きたいと入所を申し込んでいる方々を含めると全体で待機児の数は実に588名となっています。まさに、西宮市は「子育て世代受難市」といわなければならない状況です。

 市長は行政方針で、「本市は都市核を中心に一層まちの機能が整いつつあり、少子高齢化の流れを受け、多くの都市では人口減少が社会問題となり、増加対策が講じられる中、本市では着実に人口増が続いております。」と言い放たれました。なんと、悲鳴を上げている市民に無責任な発言でしょうか。日本共産党議員団は震災後、減少した人口を呼び戻すためにと、マンション等の開発規制を緩和したことが、現在の無秩序な開発を招き、人口急増につながったと指摘するとともに、一定期間は全市でマンション建設をストップさせるような規制が必要だと主張してきました。市長がもっと先を見据え、市民のよりよい生活環境を守る立場を持っておられたらと、改めて行政執行の誤りを指摘したいと思います。

  1. 市長は行政方針で、「着実な人口増」と言われましたが、「着実」という表現は、あらかじめ策定した計画通りにことが進んでいる場合に使われるものです。市長は、今日の西宮市における人口急増という事態は想定内だとお考えなのでしょうか。必要な受け皿も準備万端整えてきたということなのかお答えください。
  2. 児童急増に伴う教室不足対策(プレハブ・校舎の増改築)にかかる費用の総額と、その中で、当然国の補助が受けられるのに、学校規模等が基準に合わず、浜脇小学校や高木小学校の増改築など、単独事業で整備しなければならない事態も生まれていますが、一体それらの額はどれくらいか。
  3. さらなる開発規制の強化が緊急に必要です。私が住む香枦園校区は社宅が次々とマンションに変わり、予測地区となっていますが、いまだ開発はおさまる気配はありません。いくつかの社宅で入居者に対し来年3月までに退去命令が出ていたり、ほとんどが空き家となった社宅などもいくつかあります。これらの動きや状況は人口予測にはまったく反映されておらず、したがってマンション開発は野放しのままです。午前中の答弁で規制強化策を早急に行うとありました。この議会中から協議し、間髪いれずに行うことと、駆け込みは絶対許さない対策もあわせて要望しておきます。
  4. それにしても600名に迫る保育所待機児童の解消は最重要課題です。行政の持つ未利用地が高畑町や上大市5丁目、西福町などに数多くあります。それらを思い切って活用し、今春、長田町に開園される分園のような、緊急保育所設置計画を全庁挙げて進めるべきと考えますがどうでしょうか。