西宮市議会の役選が終わりました。
昨年までの議長・副議長選挙は、傍聴もできず、議事録の公開もされない、「会派代表者会議」などで協議調整し、全会一致すれば指名推薦で、不一致なら投票で選挙していくというやり方をとってきました。日本共産党市会議員団は、議事録の公開などを求め、公開性を高める努力を行ってきましたが、裏で多数派工作し投票で決めていくということよりは、道理に基づいて協議をすることによって決定するというやり方の方が、はるかに透明性が高く、会派の人数に応じて役職を割り振ることによって、一部の会派が役職を独占したり、少数会派や野党などが排除されたりすることなく、議会運営も民主的に行われることから、話し合いで議長や副議長などの役職を決めていくことを求めてきました。
今回、与党会派は公開された議会運営委員会という場での協議をはじめから拒否し、投票による選挙を主張しましたが、「投票ならクリアだ」という勝手な決め付けを根拠にするものだったのです。
しかし、白票を投じた与党会派のある議員はホームページで表向きは投票でやった選挙を「談合場所の移動だ」と指摘していますが、与党会派の議員がそう言っているのですから間違いないでしょう。
これまでは、少なくとも議会内で協議調整していたものが、議会の外へ移動をしたのですから、過去とは違いまさに「密室による談合」をしていたということになります。しかも、正規の議会運営委員会を「協議する場でない」とまで言い放つのですから、少なくとも以前の「道理の通る議会」ではなくなっています。そして、「投票」は密室談合を偽装するためのカモフラージュでしかなかったのです。
神戸新聞は、議会運営委員会での議論や確認をねじまげ「議長選挙の事前調整廃止し候補者を本会議で投票する方式に変更すると決めた」と、誤った報道をし、今回議会外での密室談合をしたと思われる議員の「密室で議長を決めるという慣例はなくなるだろう」という発言を掲載しました。また、日本共産党議員団の動向について、取材もせず一方的な報道をしています。投票で「偽装」された「密室談合」を見抜けずに、逆に「偽装」に手を貸した神戸新聞の責任は重大ではないでしょうか。
与党会派はマスコミも利用し、議会の外での密室協議をカモフラージュする投票による選挙を仕組みました。ところが、詰めが甘く、候補者を一人ずつしかたてないで、「事前に一人に絞り込んでますヨ」と言わんばかりですし、「議会運営委員会で一致しなければ投票」つまり、立候補やその候補者に対する賛否の態度、意見表明など協議して一致をみなければ投票で選挙をするという、議会運営委員会の議論した内容を無視するなど、民主的な運営を放棄し、裏の談合が透けて見えるような、稚拙なやり方をなんとか数の力で押し切っただけのことでしょう。
しかしこのような異常なやり方と議会運営により、市民の信頼を失い、今後の議会運営にも悪影響を及ぼしかねない事態を作り出したのではないでしょうか。
(記:杉山たかのり)