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2009年度予算要望書
2008年09月03日

消防局


  1. 消防力の整備指針の改定により、施設や人員について大幅に緩和されたが、西宮市の消防力はいずれも下回っている。人口急増が続く西宮市では、施設や人員の整備は急務である。消防力の増強を以下の点に取り組むこと。
    1. 消防署所は、整備指針では13署所必要だが、8署所、充足率61.5%となっている。鳴尾浜の一部、段上町6丁目の一部、田近野町、柏堂町の一部、鷲林寺の一部などは、走行限界時間内に到着できない。全市域カバーできるよう、署所の配置について、早期に増設すること。

      (回答)
      本市の場合、かねてから市街地区域については、概ね走行限界時間内で現場到着できる半径2?の円を署所担当面積として署所を配置しております。しかしながら、今後におきましても、人口の増加や消防需要の変化など、当市に見合った消防力の整備は引き続き必要であると考えております。署所の配置につきましては、「消防力の整備指針」を目標としてとらえ、全市的視野にたって総合的な消防力について研究してまいります。
    2. 消防職員についても、2008年度から4年間で67人の増員を計画しているが、それでも充足率は70.3%にしかならない。消防署所増や消防車両の配置増とあわせて計画的に増員すること。なお、現時点で人員不足となっている部署については、直ちに配置すること。

      (回答)
      消防職員定数については、67人の増員により平成19年4月1日からは426人とし、平成21年度からの4年間で指揮隊の配置や救急隊を増隊するとともに、人員が不足している部署へ職員を配置し、乗組み人員の確保や乗換出動の解消等に努めてまいります。
      また、増員に必要な諸施設の整備や既存庁舎の耐震化及び老朽化した庁舎の建替え等、喫緊に取り組むべき事業を順次計画的に実施していくとともに、引き続き「消防力の整備指針」を目標として、総合的な消防力の向上に努めてまいります。
    3. はしご車は、整備指針の1署1台の基準で、西宮の4署に各1台、計4台整備されているが、高層化のすすむ中で不十分である。特に、西宮浜出張所に配置すること。

      (回答)
      はしご自動車の配置状況は、「消防力の整備指針」の基準どおり、4消防署に4台を配置し中高層建物火災等に対応しており、西宮浜地区につきましては、西宮、鳴尾両消防署配置のはしご自動車により対応しているものです。
      高層マンション火災は、直近署所からはしご自動車が出動し対応しておりますが、これらの建築物は内装の不燃化やバルコニーを利用した二方向避難が確保されるなど、建物の用途、高さによって防火安全対策が設計の段階から検討されています。また、防火区画の形成による延焼拡大の防止、特別避難階段を利用した避難経路の確保、非常用エレベーター、連結送水管などを活用した消防活動の実施など各種対策が講じられております。
      従いまして、高層マンションの火災対応は、はしご自動車のみに頼る活動ではなく、これらの建築物の事前の防災対策と、はしご自動車を含めた、部隊連携による総合的な消防活動により対応することとなっており、西宮市の高層建物の状況と西宮浜における現在のはしご自動車の現場到着時間等を考慮した場合、市内の4消防署に分散配置している現在の配置状況で、市民の安全、安心を守る消防活動は可能と考えております。
      しかし、ご指摘の趣旨を十分に理解し、市民の生命、身体及び財産を守るために、今後も更に効率的な部隊の運用に努めてまいります。

  2. 西宮市のドクターカー制度は全国に先駆けて行なわれた。救急救命は1分1秒を争うため、今後も引き続きも協力病院を増やすこと。また、救急救命士は、現在資格取得者が68名となっているが、今後の救急隊増強から考えても、さらに積極的に増員すること。

    (回答)
    ドクターカー制度につきましては、平日の昼間を兵庫県立西宮病院と兵庫医科大学病院、夜間と休日は、西宮市医師会に所属する14の参画医療機関により年中24時間体制で運用しておりますが、現在のところ、この16医療機関の運用で当制度に関する障害は発生しておりません。しかし、さらなる制度の充実を図るため平成20年11月から上ヶ原病院の参画を得ることができ、今後も更に関係機関に協力を求め、参画医療機関の増加に努めてまいります。
    救急救命士につきましては、有資格者を消防署所の救急隊1隊に3名を配置し、さらに救急業務の円滑化を図るため救急課と指令課にもそれぞれ配置しております。今後も毎年度4名程度の救急救命士の養成を計画しており、また、気管挿管及び薬剤投与認定救急救命士の養成も積極的に推進し、救急業務の充実に努めてまいります。

  3. 運動中だけでなく安静時にも突然死する原因の多くが心室細動(心臓のけいれん)といわれ、応急処置としてAED(自動体外式除細動器)の設置が普及しつつある。西宮市もこの間、学校をはじめ計画的に導入している。引き続き、設置、普及に力を入れるとともに、広報や取り扱いの講習をさらに充実するなど取組みを強めること。

    (回答)
    AED(自動体外式除細動器)については、市立小・中・高等学校をはじめ各公共施設に配置されており、非医療従事者や一般市民が使用可能となっております。民間においても、駅やスポーツ施設をはじめ事務所、作業場に配備が進んでいると聞いておりますが、今後のAED普及については、このように多数の集客がある施設側で配備されることが望ましいので、広く導入促進が図られるよう啓発に努めてまいりたいと考えております。
    消防局では、平成18年度から開始した地域のイベント開催に対するAEDの貸出し事業を継続するとともに、市立小・中・高等学校等をはじめ128か所の公共施設に配置しておりますAED設置場所を西宮市ホームページ「道知る兵衛」に掲載する作業も設置時に実施し、この掲載により多くの市民が設置場所を知り、施設利用者のみではなく、設置施設付近で発生した事案にも対応できるようになっております。また、AEDの取り扱いについても西宮市ホームページに動画を掲載しており、さらに取り扱い講習にあっては、普通救命講習会をはじめ各種講習会において取り扱い実技を主にして開催しております。今後もAEDの取り扱いを含めた応急手当のさらなる普及啓発に努めてまいります。

  4. 消防団の団員数は、新たに機能別団員21人を加えても、定数755人に対して724人で、定員割れとなっている。消防団の役割は重要であり、広く募集し、補充につとめること。

    (回答)
    西宮市消防団は、すべての災害活動に出動する基本的な消防団員と大規模災害時に限定し出動する機能別消防団員から構成され、消防団長以下、7副団長、33分団長を中心に、消防団の特性である地域密着性(市内に居住)、要員動員力(消防職員の2倍の人数)、即時対応型(日頃からの訓練により、災害対応の技術・知識を習得)により活動しております。
    団員数は平成20年11月1日現在725人(基本団員704人・機能別団員21人)となっております。機能別消防団員の採用により、一定の定員補完を行い、現在行っている団員募集で、ここ数年は700人台を推移しておりますが、定員を完全に充足するまでの効果は上がっておりません。引き続き、ポスターやチラシを作成し自治会を通じての回覧の他、立看板の掲出やホームページによる募集を行うとともに、団員の採用条件を緩和するなど、幅広い層の住民の入団や、消防団員が活動しやすい環境整備について検討を行い、消防団員の確保に努めてまいります。

  5. 消防車両の進入できないところが、まだまだ残されており、消火等の作業の妨げになるケースがある。関連局と協議し、早急に対策をとること。

    (回答)
    消火活動に支障をきたす可能性のある道路につきましては、各消防署において大型車通行不能道路、車両通行不能道路等調査を行ない、人事異動時期には異動者を対象に試運転走行時や特別地水利調査等により道路状況の把握に努め、事前措置としまして警防計画を作成し、職員間での共通認識として徹底を図り、また、地域の実情に精通されている消防団との連携を深め、職員と団員が合同で地域実情に応じた消防訓練を実施しております。
    対応策としまして、消火用ホースを積載したホースカーの採用やホースを折りたたんで収納するなど消火活動を1分1秒でも早く着手する工夫を施しておりますが、今後、このような道路状況を把握し、その情報を関係機関に提供するとともに調整を図り、解決策を検討してまいります。

  6. 2011年6月から住宅用火災警報装置の設置が義務付けられる。特に、戸建て住宅への設置は把握しにくい。広報を強め早期に設置がすすむよう取り組みを強めること。

    (回答)
    既存住宅への強制的な設置確認は、個人住宅内であり行うことはできないため、平成19年度市民意識調査(平成19年8月1日現在の市民意識調査9月1日?30日に実施)を実施し、その結果を参考に広報に努めております。
    調査により、マンション設置(87.2%)に比べ、戸建て住宅、長屋での設置率が29.3%と低いことから、自治会等を通じて案内や回覧、FMラジオ、市ホームページ、市政ニュース、ポスター等での普及促進、各種催し(各講習会、消防教室、消防訓練等)など、あらゆる機会を通じ積極的な広報に努めてまいります。