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2009年度予算要望書
2008年09月03日

中央病院


  1. 医療費負担増や医師不足など国の医療費抑制策のもと、中央病院は、経営危機に陥っている。現在、診療機能を充実や経営基盤の確立を図ることにより、地域医療に貢献し市民に信頼される病院づくりをめざすとした第2次経営健全化計画に取り組んでいる。今年3月には「西宮市立中央病院あり方検討委員会」の答申を受け、今年度中に実施計画をまとめる予定である。
    公立病院の統廃合を迫る政府の「ガイドライン」やこれから「財政健全化法」が本格的に実施されるもと、「県立西宮病院との統合」が一部報道されているが、公立病院として再建されることへの市民の期待は強い。再建にあたっては、以下のことに取り組むこと。

    1. 今後とも、高度医療、特殊医療、救急医療など地域医療の中核的な役割をはたせるよう、人的確保も含めて、再建をはかること。

      (回答)
      中央病院については、平成19年度の「あり方検討委員会」答申において、(1)救急医療、(2)緩和ケア、(3)ヘルスケアにおいて新たな役割を果たすべきであると提言されたところです。
      これらの役割を果たすためには、スタッフを含めた体制の整備が必要であることから、今後人材の確保にも努めながら、答申の内容の具体化に取り組んでまいります。

    2. 「西宮市立中央病院あり方検討委員会」の答申では、経営形態を非公務員型の地方独立行政法人を求めているが、現行の市直営を堅持し、再建をはかること。

      (回答)
      「あり方検討委員会」答申は、中央病院が公立病院として市民の医療に対する期待にこたえ、将来にわたり安定的に医療サービスを提供していくための経営形態について、自主性と独立性、目標管理と計画性、透明性、公共性の四つの視点から検討を行った結果、地方独立行政法人が妥当であると提言しています。さらに、公務員型に比べ、非公務員型は、経営状況などを反映させた給与体系や柔軟な人員配置が可能であることや、いわゆる行政改革推進法において、独立行政法人は非公務員型を基本としていることなどから、非公務員型の地方独立行政法人が制度的にも最も柔軟な経営形態であり、望ましいとの考え方が示されております。
      この答申の主旨を踏まえ、今後、ふさわしい経営形態を検討してまいります。

    3. 真の再建にあたっては、病床増と施設改善は不可欠であり、病院そのものの建て替えが必要である。第4次西宮市総合計画に盛り込むこと。

      (回答)
      現在中央病院は、第2次経営健全化計画を実施中であり、経営基盤を確立することが急務となっています。また、「あり方検討委員会」では、今後の中央病院のあり方について、その機能も含めて幅広い提言をいただいております。したがって、経営状況が未だ安定せず、提言により求められた機能の充実等に本格的に着手できない現状では、病院の建て替えを総合計画の事業計画に盛り込むことはできないと考えております。

  2. 現在、内視鏡センターや糖尿病センター、外来化学療法室など、新たな特色をもたせた展開に努力が払われている。しかし、依然として医師不足により、患者数の確保はすすんでおらず、解決は急務である。現在、産科は休診、耳鼻咽喉科は応援医師の確保で外来診療が再開されているが入院は休診のままである。ひきつづき、両診療科、内科、整形外科などの優秀な医師の確保に全力をつくすこと。

    (回答)
    平成16年度から導入された新しい医師臨床研修制度により全国的に勤務医師不足の状況となっております。当院では、優秀な医師を確保するため、これまでから関連大学への医師派遣要請の努力を行ってまいりました。また、センター化などによる診療機能の重点化など、医師にとって魅力ある環境づくりに取り組み、優秀な中堅の医師がそろってまいりました。産科については、当面再開することは極めて難しい状況にありますが、耳鼻咽喉科については、平成20年4月から嘱託医師を確保し全平日での外来診療を再開いたしました。今後とも医師の確保に努めてまいります。

  3. 救急医療では、小児救急や内科、外科の実施日を拡充し、外科系で一次救急に取り組んでいる。さらに全国的に要求の大きい365日、24時間体制が必要な「小児救急」の告知を行い、特色ある病院をめざすこと。それに必要な小児科医の確保もあわせて行うこと。

    (回答)
    現在、中央病院では、阪神南圏域における病院群輪番制のなかで、一次救急として毎週月曜日に外科系一次救急を行い、二次救急については、毎週月曜、火曜日の小児救急に加え、毎週金曜日に内科、外科の二次救急体制を整備しています。また、内科救急として平成18年7月より毎週月曜日?水曜日(祝日以外)の6時から9時に、平成20年7月からは土曜日の午前9時から12まで2次救急を実施しております。これは、地域の開業医からの紹介患者様や救急車による搬送患者様を対象としています。なお、平成19年4月より小児科医の退職にともない金曜日の小児救急を休止しております。小児救急を365日、24時間体制で行う「救急告示」につきましては、医師の確保もあわせて、今後の研究・検討課題として考えてまいります。

  4. 入院、外来患者とも、その7割以上が所在地周辺の上ヶ原、甲陵、甲武、平木、瓦木、深津各中学校区に集中している。これは、他地域からは交通の便がきわめて悪いことも要因の1つとなっている。主要駅からのコミュニティバス導入について、他関係局とも連携して、真剣に検討すること。

    (回答)
    市内のバス交通の改善については、都市局が中心となり、庁内に設置した「交通政策課題検討委員会」において、全市的な視点から、既存バス路線の改善やコミュニティバスなど、バス交通の改善方針を検討しているところです。中央病院といたしましても、今後、引き続き研究・検討を行い、考え方を整理してまいりたいと考えております。