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2009年度予算要望書
2008年09月03日

健康福祉局


  1. 介護保険について
    この間の国による社会保障費の連続削減は、国民に負担増、給付減を押し付けているが、2006年4月施行の介護保険法「改正」も、介護予防重視と持続可能な制度への転換を進めるとしながら、実際は保険給付費削減と、被保険者の負担増によって制度存続を図ろうとするものであった。
    介護保険料の徴収対象を、現在の40歳以上から引き下げたり、障害者福祉のうち介護サービスに当たる部分を介護保険に統合するなど、介護保険の被保険者・受給者の範囲の見直しも今回の「見直し」の焦点の一つとなっている。いずれも国民や介護を必要とする人にとって歓迎されるものではない。制度の改悪を許さず、保険料値上げの中止、減免制度の充実など「改善を進める見直し」が求められる。
    2009年度からの西宮市第4期事業計画づくりが始まっているが、その計画策定にあたっても、その観点で、以下の項目に取り組むこと。
    1. 介護保険料が高額になっている最大の原因は、介護保険の創設時に、国の負担を2分の1から4分の1に引き下げたことにある。国庫負担を30%に引き上げるようもとめること。当面、国負担を25%とし、調整交付分の5%は別枠とするよう、引き続き国に求めること。また国の制度として保険料、利用料減免制度の創設を国に求めること。

      (回答)
      介護給付費に対する公費の負担につきましては介護保険法で定められており、国の負担は、20%の国庫負担金と5%の調整交付金に分けられています。5%の調整交付金については第1号被保険者の年齢階級別の分布状況や、所得の分布状況に応じて増減されることになっておりますが、国の負担を25%とし、調整交付金を別枠とするよう全国市長会を通じて国に要望しております。また、低所得者対策としての保険料・利用料負担の軽減につきましては、国の制度として財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じるよう抜本的な見直しを国に要望しております。
    2. 保険給付が大きくなれば、それが保険料の値上げの要因になるというのは介護保険制度の最も大きな矛盾の一つである。第4期保険料については、全国的に値上げになるとの予測を聞くが、税や健康保険料の負担増、諸物価の高騰などでこれ以上の高齢者の負担増は限界である。市の第4期保険料については基金の取り崩しをおこなうとともに一般財源を投入し、現行保険料を引き下げること。また、市独自の保険料減免を行なっているが、対象はわずかである。拡充すること。

      (回答)
      第4期保険料につきましては、第1号被保険者の負担割合が第3期の19%から1%引き上げられ、20%になります。また、介護報酬が3%引き上げられる予定であり、これらの要因から保険料の上昇が見込まれることになります。一方、保険給付や地域支援事業の財源に不足が生じたときの財源に充てるために積み立ててきました介護給付費準備基金を取り崩すことによって保険料の減額を図り、結果的に上昇を抑えることができます。また、介護報酬のプラス改定による保険料上昇分を約半分に抑制するため、国から経費が交付される予定です。これらを踏まえて現在、介護保険事業計画策定委員会で慎重に検討を行っているところであります。
      なお、市の負担割合につきましては介護保険法で決められており、市独自に一般財源を繰り入れることはできないことになっております。保険料段階に新たな軽減段階を設けたり、課税段階の細分化をはかることにより、可能な限り保険料基準額の上昇を抑え、低所得者の負担を軽減していきたいと考えております。また、市独自に行っております生活困窮減免におきましても、収入要件等の拡大を行い、対象者を拡充することも検討しております。
    3. これまで過去2回の介護報酬はマイナス改定となっており、介護労働者の劣悪な労働条件、介護人材不足、深刻な経営難のもとになっている。第4期の介護報酬は引き上げ改定が多くの関係者の望むところである。市としても介護報酬引き上げと、あわせて保険料値上げに連動させないことを国に求めること。また、介護サービスの質を確保するうえでも介護労働者の待遇改善は急務である。市として実態をつかみ、具体的な対策を検討すること。

      (回答)
      新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議が10月30日にまとめた生活対策に、介護報酬を引き上げる方針が盛り込まれました。介護報酬を3%引き上げて介護従事者の処遇改善を図ることにより、介護人材の10万人増加をめざす方針を打ち出しています。また、介護報酬のプラス改定による保険料上昇分を約半分に抑制するため、国から経費が交付される予定です。
      介護労働者の基盤整備につきましては、サービスが適切に提供できるよう、人材の確保、養成を含め基盤整備について充分な財政措置を講じるよう、今後も引き続き国に要望していきたいと考えています。
    4. 今回の見直しに当たっては、介護保険法「改正」によって導入された「介護予防」について「費用対効果」を踏まえて見直しすることが定められている。要支援1・2の要支援者にはホームヘルパーなどの利用時間や回数が大幅に減らされ、要介護1以下の軽度の高齢者は、車椅子や介護ベッドなど福祉用具貸与への保険給付が原則なくなるなど、「介護予防」導入が「介護とりあげ」になったことは明らかであるが、市はこれら高齢者の実態をつかみ、改善すべき点、課題を明らかにすること。たとえば通院介護への制限など、国の法令に照らして行き過ぎた指導で「介護」をとりあげている。このようなことはやめること。

      (回答)
      平成18年度の介護保険法改正により、要介護1以下の利用者について、基本的に車椅子・介護用ベッドの貸与ができなくなりましたが、平成19年度より一定の条件のもとで例外的に保険給付できる制度が創設されました。本市においても介護ベッド等貸与の取り扱いの運用を一部見直して、原則対象外とされる事例であっても、国が定める一定の状態像に該当すれば、申請により保険給付の対象とする取り扱いとしております。また、車椅子利用につきましては、ケアマネジャーやサービス事業者等で行うケアカンファレンスで必要性が認められれば、貸与が可能となっております。
      なお、予防給付として提供される介護予防サービスについては、軽度者の状態を踏まえつつ、自立支援の観点にたった効果的・効率的なサービス提供体制を構築し、目標指向型のサービス提供を徹底する観点から、制度が改正されたものであり、この趣旨に基づき適正に制度を運用していきたいと考えております。
    5. 特別養護老人ホームの待機者は以前1,700人を超えている。さらに療養病床削減の国の方針により、施設不足がいっそう深刻化する事態が起きてくる。整備計画の見直しでは実態をよく分析し、特別養護老人ホームや地域密着型施設等の増設をめざす計画とすること。

      (回答)
      療養病床削減により療養病床を有する病院等は、介護老人保健施設等へ転換しなければならないこととなりますが、床数を減少することなしに転換することで介護保険施設等及び療養病床の床総数は変わらないこととなります。
      また、特別養護老人ホームにつきましては、介護保険事業計画に基づき計画的に整備を進めることとなっておりますが、居宅サービス等の充実により可能な限り在宅生活を継続するという観点などから国が参酌標準(平成26年度における要介護2?5の認定者に対する介護保険三施設入所者及び介護専用居住系サービスの利用者の割合を37%以内とする基準)を設定し、これをもとに介護保険事業計画を立案しなければならないこととされております。
      したがって次期計画においては、上記参酌標準の範囲内で特別養護老人ホーム入所待機者の状況を勘案し施設整備数を計画する予定にしております。
    6. 「地域包括支援センター」は、介護・医療・福祉の連携で地域の全高齢者の生活を総合的に支える拠点である。しかし、マンパワーが不足し、介護予防ケアプラン作成に手いっぱいで全高齢者を掌握、支援できていないのが現状である。市独自で一般財源を投入し、全高齢者に責任を負える体制をつくること。

      (回答)
      地域包括支援センターには、介護予防ケアマネジメント業務、総合相談支援業務、包括的・継続的ケアマネジメント業務、権利擁護業務等の事業を行うため、担当する区域における高齢者の数がおおむね3,000人から6,000人ごとに、保健師又は看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーの3職種を各1名ずつ配置することとされており、本市におきましても、事業を行うために必要な人員について国の定める基準に応じた必要人員をそれぞれ配置しております。さらに、平成19年10月より、担当する区域の高齢者の数が国の定める基準の1.5倍である9,000人程度に達する2ヶ所の地域におきまして、1名の増員を図っております。
      介護予防支援業務と他の業務における業務量のバランスにつきましては、他の業務を行いながら介護予防支援業務を担当できる件数としまして、職員1人あたりのケアプラン作成件数は概ね40件を目安とし、ケアプラン作成件数が40件を超える場合については、各受託法人側で指定介護予防支援業務専任職員を配置することとしております。
      今後も他市町村の状況も踏まえながら、全ての業務を遂行できる体制整備に努めてまいります。
    7. 不正請求など不適正な運営を行う事業者が少なからず存在している。県とともに十分に、指導監督すること。

      (回答)
      平成18年4月の介護保険法改正により、地域密着型サービスについては、市町村が事業者の指定、指導監督権限を有することとなりました。本市においては、平成19年度より、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の事業者から順次、質の向上、よりよいケアの実現を目的とした実地指導を実施しています。また、都道府県が指定、指導監督権限を有する事業者についても、市町村による監査が可能となったことから、今後も、県や他市町村の保険者とも情報を共有し、個々の事案に合わせて、県の監査に合同するなど事業者に対する指導・監督の強化に努めてまいります。

  2. 市立軽費老人ホーム「雅楽荘」は施設の老朽化、狭い居室や相部屋など居住環境の劣悪さが問題となっている。これらの改善に取り組むこと。

    (回答)
    施設の老朽化による居住環境の悪化を防ぐために、平成12年度には外壁の改修や冷暖房設備改修・浴室の改修などの大規模改修工事を実施しました。その後も南北居室棟の屋上防水改修工事・入所者用トイレの便器の和式から洋式への改修・屋外給水管取替などの改修工事を順次計画的に実施してまいりました。今後とも入居者の居住環境改善のために努力してまいります。
  3. 第3次行財政改善計画で財政難を理由に、敬老会のおみやげや敬老祝い金制度、原爆被爆者扶助費などは廃止、特定疾病患者見舞金は減額された。市の財政状況は改善されていることから、廃止・削減した各種福祉サービスについては元に戻すこと。また、高齢者交通助成制度も、5000円の現金支給に戻すこと。

    (回答)
    今後の高齢者福祉には介護予防の観点が求められていることもあり、第3次西宮市行財政改善実施計画において高齢者施策全般の再構築という方向が示され、それに基づいて敬老事業のあり方を検討した結果、対象者の増加や高齢者の生活水準の向上等、社会情勢が変化していることを踏まえて、敬老会のおみやげや敬老祝い金を廃止いたしました。よって、復活させることは困難であると考えております。
    市単独扶助費につきましては、第3次行財政改善実施計画において、近隣他都市のサービス水準との均衡を考慮し見直しを行っていることから、原爆被爆者扶助費については廃止、特定疾病患者見舞金については減額して継続いたします。
    高齢者交通助成制度は、高齢者の外出を支援することによって、社会参加の促進と生きがいの向上を図ることを目的として実施している制度であり、その趣旨に沿った運用を図れるよう、公共交通機関を利用される場合に5,000円を限度として高齢者交通助成割引購入証を交付するもので、現金支給に戻すことは困難と考えております。
  4. 福祉タクシー制度は障害のある人や高齢者の外出支援策として有効な施策であり、ますます充実が図られるべきものである。助成額の増額や行き先の拡大など、制度の改善をはかること。

    (回答)
    現在、福祉タクシー派遣事業は高齢福祉グループと障害福祉課の2課で行っております。利用方法としましては、予約制と初乗り制の2種類があり、主な相違点としましては、予約制は行き先に制限があるが乗車1回につき助成額が2,000円(北部地域は4,000円)まで、初乗り制は行き先の制限はないが助成額が初乗り料金分のみとなっております。
    現在、高齢福祉グループでは予約制のみ、障害福祉課は予約制と初乗り制の選択可となっておりますが、来年度からは高齢福祉グループにおきましても、予約制と初乗り制の選択性の導入を予定しております。これにより、65歳以上で要介護4・5の方全員が行き先制限のない初乗り制を選択することが可能となります。今後、予約制利用における行き先制限の拡充について、引き続き検討したいと考えております。
    助成額の増額につきましては、利用者数の増加に伴い事業費が年々増加していることもあり、助成額の増額実施は困難と考えておりますが、近隣市町村のサービス実施状況も踏まえながら検討を続けたいと考えております。
  5. 障害のある人もない人も、ともに安心して暮らせるまちをつくるための、「障害者権利条例」を制定し、実効あるものとすること。その際には、西宮市地域自立支援協議会など障害者団体等とともにとりくみをすすめること。

    (回答)
    国連で「障害者権利条約」が採択され、日本においても条約を批准するための法整備を検討しているところです。西宮市においても国の動向を見ながら、障害のある人もない人も、ともに安心して暮らせるまちづくりをすすめていきたいと考えております。また、実行あるものとするため、障害福祉推進計画に沿って各種施策等の推進に努めるとともに、「西宮市地域自立支援協議会」においても協議を行い、障害者団体等と連携して取り組みを進めることとしております。
  6. 施行されて2年余りが経過している障害者自立支援法だが、原則1割の応益負担による利用者負担増や利用の手控え、報酬の激減による施設運営への圧迫、労働者の条件悪化などますます深刻になり、同法の抜本的な見直しを求める声が強まっている。障害のある人が安心して生活するために以下の項目を実施すること。
    1. 施行後3年をめどにした障害者自立支援法の見直しにあたっては、「応益負担」をやめ「応能負担」に戻すよう、抜本的な見直しを求めること。

      (回答)
      国においても各種の負担軽減策を講じていることから、市としましても適正に活用して、利用者が障害福祉サービスを利用できるよう努めてまいります。
    2. 負担増に反対する世論と運動に押され、見直しまでの緊急措置として09年3月まで利用者負担上限月額が軽減されている。引き続き軽減策がとられるよう国に要望するとともに、更なる減免や上乗せを市独自で行うなど、必要なサービスが制限なく受けられるようにすること。

      (回答)
      市としましては、地域生活支援事業における移動支援事業の利用者負担軽減を平成21年度においても継続して実施を検討する等、障害のある人の日常生活・地域生活を支援してまいりたいと考えております。
    3. 通所・入所施設の運営を困難にしている低すぎる報酬単価を引き上げ、日額制を月額制に戻すよう国に要望するとともに、市で改善策を講じること。

      (回答)
      通所・入所施設の報酬につきましては、平成21年度において単価の引き上げが予定されており、制度の改正に応じまして適正に実施してまいります。
    4. たとえば、介護デイサービス利用の際に視覚障害者が気おくれを感じ、利用を見合せているなど事例を聞いている。障害者の社会参加を促進するための配慮などがまだまだ必要である。関係者の意見や要望を聞き、施策にいかすこと。

      (回答)
      介護保険サービスにおけるデイサービスは、個々の能力に応じ、できるだけ自立した日常生活を居宅において営めるように、必要な日常生活上の世話と機能訓練を行うもので、利用者の社会的孤立感の解消と心身の機能の維持、家族の身体的、精神的負担の軽減を図るものです。
      視覚障害者の方々にも安心してご利用いただけるよう介護事業者説明会等を通じてサービスの質の向上を図っていきたいと考えています。

  7. 多くの社会福祉法人は、報酬減や国などからの補助減で収入が大きく減少しているうえ、福祉労働者も不足するなどして経営は悪化しているが、特にこの間の原油価格の高騰は大打撃となっている。福祉サービスを後退させないために、財政的支援を行うこと。

    (回答)
    県においては、原油価格の高騰に関する福祉施策として、平成20年10月1日より社会福祉資金融資制度の融資利率の軽減を行っております。これは、資金繰りの悪化が懸念される社会福祉法人等を支援するため、県社会福祉協議会が実施する社会福祉資金融資のうち施設運営に必要な資金について、融資利率を軽減するものです。
    本市においては、各社会福祉法人に対して、本融資制度の周知に努めるとともに、引き続き、原油価格及び国・県の動向に注視してまいります。
  8. 社会福祉法人及び社会福祉施設等に対する指導監査は、適正な運営の確保と提供する福祉サービスの質の向上を目的としているが、その目的を達成できるよう必要な人員も確保して厳格に行うこと。

    (回答)
    社会福祉法人及び社会福祉施設等に対する指導監査については、適正な法人運営と円滑な社会福祉事業の経営を確保するため、平成20年4月に法人指導グループを新設し、国の示す要綱等に従い市で要綱を定め、各施設の所管課等と合同で実施しているところで、平成21年度以降も、指導監査の重点化・適正化という国の方針も踏まえつつ、適切に実施してまいります。
  9. 生活保護について
    生活保護世帯が増えている。政府は「老齢加算」に続いて「母子加算」の廃止にふみだしている。さらに「生活保護基準より低い年金」の存在を楯に、いっそうの保護基準の引き下げをねらい、支給額の減額、住宅扶助費の見直し、医療費の1割負担導入などが言われている。最低生活保障制度である生活保護を充実させるために、以下の項目を実施すること。
    1. 生活保護法では生活に困っている人は誰でも生活保護を申請でき、条件にあっていれば、平等に受けることができることを明記している。この規定や憲法25条の具体化として、より適正な事務を行うこと。特に、生活保護受給要件が満たされている世帯にもまず援護資金貸付をすすめる事例があるが、適切に対処すること。

      (回答)
      憲法第25条に規定する理念に基づき、生活に困窮する者が、その利用し得る財産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活維持のために活用することを要件として、生活困窮の程度に応じて必要な保護を受けられるよう、迅速かつ適正に生活保護事務を執行してまいります。生活保護の申請用紙も相談者面接室に常備し、生活保護の相談で、申請の意思をお持ちの方については、保護申請書をお示ししながら制度の趣旨や申請手続きの援助、指導を行い、保護の申請をしていただいております。
    2. 補助額の削減や給付削減攻撃を許さず、老齢加算や母子加算の復活、生活扶助費、住宅扶助費など保護基準(最低生活費)の引き上げを国に求めること。

      (回答)
      生活保護制度の在り方につきましては、平成20年6月20日に策定された「地方分権改革推進要綱」の中で「平成20年度中を目途に制度改正の方向性を得る」こととされており、これに基づき、国と地方の代表者が協議を行っており、これらの動向について注視してまいります。
    3. 第3次行財政改善実施計画により、夏季冬季見舞金、上下水道基本料金減免などが廃止になった上に、この間の原油価格や物価高騰で被保護者の生活は逼迫している。何らかの財政的支援を行うこと。

      (回答)
      金融危機による経済状況の悪化が懸念されていますが、生活保護費は国の定める基準に基づき支給しており、被保護者を対象とした本市独自の財政的支援につきましては、実施は困難と考えております。
    4. ホームレスに対する保護適用では、NPO法人が運営する低額宿泊施設入所など一定の手立てが取られているが、住居の確保が要件となっており困難がある。テント生活者にはそこを居住地として認定する、あるいは確保のための貸し付けなど、支援策を実施すること。

      (回答)
      NPO法人等が運営する無料低額宿泊所への入所によるホームレスの保護適用は、平成14年の施設開設以降継続しており、今後もNPO法人等と連携を図り、保護の適正実施に努めてまいります。
      また、テント生活者に対しての生活保護の適用につきましては、当該テント生活者の状況に応じた保護を行うため、保護施設やNPO法人等が設置している無料低額宿泊所への入所の他、医療機関への入院等により実施してまいります。
    5. 保護相談や申請、適用が急増している。相談者の立場にたった親身な相談を行うためにケースワーカーは引き続き増員すること。これらの職員は社会福祉士とすること。

      (回答)
      平成19年度から平成20年度にかけて管内の被保護者の増加率は減少傾向にありますが、被保護者の絶対数の増加に比して、ケースワーカーの不足が恒常化しております。平成12年度以来、毎年ケースワーカーの増員を行い、平成20年度にも4名の増員を行いました。この9年間で18名の増員となりましたが、なお一層の実施体制の整備に努めてまいります。
      なお、面接相談員、ケースワーカーは社会福祉主事の資格を有することが義務づけられております。

  10. 市民が困窮状態に陥った時に活用できる市の制度は援護資金しかない。生活実態と見合うよう貸付額を増額し、保証人、民生委員の証明は求めないこと。
    また、県社協の生活福祉資金の貸付について、条件緩和、手続きの簡素化、貸付までの期間短縮を求めること。

    (回答)
    援護資金の貸付限度額につきましては、平成2年度に改定し現在に至っておりますが、貸付相談等の状況から現行の貸付限度額で概ね対応ができていると考えております。
    また、貸付制度は他からの資金の利用が困難な世帯に無利子で資金を貸し付け、長期間での元金均等償還方法である等により、貸付要件として保証人及び居住の事実確認のための民生委員の証明は必要と考えております。
    また、県社協が実施主体となっております生活福祉資金のうち、離職者支援資金については平成16年8月1日から貸付条件等が緩和され、事務手続きについても貸付決定通知等の交付について簡素化が図られました。貸付までの期間短縮につきましては、市社協から県社協に意見書を提出するまでに、校区民協、地区民協及び生活福祉資金調査委員会に諮る必要があり、期間短縮は困難であると聞いています。
  11. 一人親家庭支援について
    1. 国は、母子家庭に支給されている児童扶養手当を、08年4月から最大半減するとしていたが、反対の世論と運動により、事実上「凍結」している。しかし就業意欲が見られない人については「削減対象」とし、割り出すために証明書の提出や市町村での相談等を求めている。これらについては煩雑な手続きや金銭的負担を強いるやり方でなく、柔軟に対応すること。あわせて国に「凍結」でなく中止を求めること。

      (回答)
      児童扶養手当の一部支給停止措置は、平成14年の「児童扶養手当法」及び「母子及び寡婦福祉法の改正により単に「手当中心の経済的支援」から「就業自立に向けた総合的な支援」への母子家庭対策の転換がなされたことによるものです。
      一部支給停止を受けないためにさまざまな証明書の提出などを受給者に求めております。相談件数や手続きにかかる事務等は増加しておりますが、母子の自立に向けたより一層の支援を必要に応じて実施し、今後もきめ細やかに行ってまいります。手続き方法につきましてもでき得る限り煩雑とならないよう対応してまいります。
      従いまして、一部支給停止を安易に中止する方策ではなく、母子の生活安定を確保するため、引続き就労支援などを通じて母子家庭の自立実現に努めてまいります。
    2. 専門技術取得を支援する母子家庭自立支援給付金事業があるが、その利用は少ない。周知を図り利用を促進すること。

      (回答)
      母子自立支援給付金事業としましては、自立支援教育訓練給付金と高等技能訓練促進費があります。
      自立支援教育訓練給付金につきましては、平成17年10月より実施され、平成17年度の講座指定件数は6件、平成18年度は26件、平成19年度は18件、平成20年度は12月末現在で12件です。
      高等技能訓練促進費につきましては、実施初年度の平成18年度は2件、平成19年度は8件、平成20年度は12月末現在7件の申請があります。
      申請件数、相談件数ともに増加傾向にあり、関心の高さが表れていますので、市の広報による周知、児童扶養手当受給者への通知の際に案内文の同封、母子福祉センター来館者への啓発等を通じ、利用促進に努めてまいります。
    3. 母子生活支援施設は、老朽化している。早急に建てかえること。また、母子生活支援施設からの自立を促進するため、市営住宅への優先入居など、何らかの支援策を講じること。

      (回答)
      母子生活支援施設につきましては、老朽化への対応として平成7年度から平成8年度にかけて設備、外装関係の大規模改修工事を行い、翌平成9年度以降も随時、補修改修工事等により利用者の処遇向上を図っております。
      本施設は保育所及び児童館との複合施設であり、建て替えには多額の財政負担が生じ、建て替え中の代替機能の確保など困難な問題が伴います。関係部間で連携して施設整備のあり方を検討し、利用者の処遇の向上を図ってまいりたいと考えております。
      市営住宅への優先入居については、現行の優先枠として「被災者」「高齢者」「障害者」「母子(父子)世帯」「多子世帯」「子育世帯」6種類の優先枠があります。いずれも限られた募集戸数の中での世帯状況による優先枠であるため、特定の施設からの優先入居は難しいと考えております。
      母子生活支援施設からの自立促進にあたっては、公営住宅への入居優先枠の拡大及び低額家賃民間住宅への入居における、個々の施設入所者の世帯状況に応じた処遇の向上を図ってまいりたいと考えております。
    4. 父子家庭への支援策は母子のそれと比較しても圧倒的に少ない。父子家庭への児童扶養手当の支給など必要な対策を講じること。

      (回答)
      父子家庭に対する支援制度といたしましては、父子医療制度や低所得世帯への教育関係の支援制度として就学奨励制度、奨学金制度、授業料の免除制度などがあります。また、子どもを一時的に預かる支援制度としてファミリーサポートセンターや子育て家庭ショートステイ制度がありますが、母子家庭に比べると支援制度としては少ない状況となっています。
      父子家庭への児童扶養手当の支給については、近畿市長会をはじめ、兵庫県副市長会阪神・丹波ブロック、近畿ブロック都市福祉事務所長連絡協議会阪神ブロック等において国及び厚生労働省へ要望しているところであります。
      今後も父子家庭への必要な支援策が講じられるよう引続き要望してまいります。

  12. 市では子育て世帯が急増しており、それに伴って子育てに悩んでいる親や、また児童虐待など、問題を抱えている子どもも増えてきている。市は「子育てするなら西宮」を標榜しているが、それにふさわしい施策や施設整備が求められている。以下の点に取り組むこと。
    1. 子どもの権利を守り、行政や市民全体で子育てをすすめるための「子ども条例」を制定すること。

      (回答)
      平成17年3月に策定した西宮市次世代育成支援行動計画では、「子どもが輝くまち・人にやさしいまち西宮へ?子育てするなら西宮?」を基本理念に掲げ、次代の西宮を担う子どもたちの健全な成長やすべての家庭の子育てを地域全体で支えるための環境づくりを市民とともに進めていくことをめざしております。平成21年度には、西宮市次世代育成支援行動計画の後期計画の策定を行うことにしておりますが、引き続き、総合的に子育て支援を進めてまいりますので、現在のところ、「子ども条例」を制定する予定はございません。
    2. 児童虐待が急増している。適切に即応できるよう子どもセンター(児童相談所)の増設や専門職員の増員を国、県に求めること。また、中核市として市立児童相談所を設置すること。

      (回答)
      児童問題の専門職員の育成確保や相談員を設置するための財源措置を図ることなど、引き続き、国、県へ要望してまいります。
      また、市立児童相談所の設置につきましては、中核市程度の人口規模(30万人以上)を有する市は、個別に指定を受けることにより児童相談所を設置できるとなっておりますが、財政的にも巨額の負担が必要なことから、現在、設置できておりません。しかし、児童虐待に関する相談・通報が増加し続ける状況であり、虐待の早期発見や未然防止のための家庭支援対策等とあわせて、市が果たすべき役割について研究してまいります。
    3. 市では児童館、児童センター9館の管理運営のあり方についての検討を行っているが、「子育て支援の拠点」として児童館、児童センターを位置づけるのなら当然「直営化」すべきであると考える。あわせて、偏在の解消、増館についても検討すること。

      (回答)
      児童館、児童センターにつきましては、西宮市社会福祉審議会児童福祉専門分科会において運営主体のあり方の検討を行い、3年程度は現在の運営主体のまま運営を継続し、子育て支援事業が定着した時点で再度見直しを行うこととなっております。また、移動児童館等の拡充に取り組むなど、既存の施設等を利用した子育て支援施策を実施し、偏在の解消をめざしたいと考えております。
    4. 地域での子育て支援を進めるため展開されている子育て総合センターの各種事業が好評である。全市に1ヶ所では不足しているので増やすこと。

      (回答)
      子育て総合センターは、現在、市内に1ヶ所ですが、児童館や児童センター、市内32地区33カ所で開催している地域サロン、公私立の幼稚園、保育所などにおいてさまざまな子育て支援事業が実施されています。

  13. 保育所について
    今、政府では公立保育所民営化、規制緩和による企業保育所の参入に加え、「直接契約(直接入所)」方式への変更や、施設などの最低基準の撤廃なども検討され、保育制度の大幅な改変がもくろまれている。これらは保育に対する公的責任が後退させられ、市場化が進むことにつながる。この動きを許さず、在家庭の子どもたちの支援などもふくめた、保育に対する公的責任を果たすよう、以下の項目を実施すること。
    1. 2009年度から10年度にかけて、鳴尾北、今津文教、朝日愛児館の各公立保育所の民営化計画(案)は、関係者との協議すらまともにできず、事実上破たんしている。市民や関係者が反対している民営化はおこなわないこと。

      (回答)
      平成19年7月に西宮市立保育所民間移管計画(案)を策定し、対象園の保護者等への説明を行ってまいりましたが、平成20年4月1日現在の待機児童数が134人と急増したことに伴い、保育所の待機児童解消が緊急課題となりましたので、民間移管計画を含めた待機児童解消計画を作成すべく現在作業を進めております。この新たな計画案に基づき、保護者等との協議を行ってまいりたいと考えております。
    2. 保育所待機児童解消では、民間保育所の新増設や、子どもたちの保育環境悪化にもつながっている定員の弾力化で対応しているが、なお解決していない。希望するすべての子どもたちが入所できるよう、計画的に分園を含めた保育所の新増設をすすめること。

      (回答)
      保育所待機児童の解消は、最優先の課題と考えております。引き続き、保育所の新設、分園の設置など、待機児童の解消に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
    3. 耐震診断を実施し耐震化を進めるとともに、老朽施設については計画的に改善を進めること。

      (回答)
      公立保育所の耐震化につきましては、「西宮市耐震改修促進計画」に基づき耐震診断を実施し耐震化を進めてまいります。また、老朽施設については、全庁的な施設維持にかかる中長期修繕計画に基づき、順次補修工事等を行ってまいります。
    4. 公立保育所の1歳児クラスの保育士配置基準は今までどおり5対1を守ること。また、私立保育所についても5対1に改善すること。

      (回答)
      公立保育所と民間保育所の1歳児の保育士配置基準の格差解消に向けて今後検討してまいります。
    5. 虐待や生活荒廃の影響を受けている子どもへの対応は特別の配慮が必要とされる。専門知識を持った職員を配置するとともに、正規、非正規を問わず全保育士への研修を強めること。

      (回答)
      虐待・DV等リスクの高い子どもへ対応するために保育所事業グループに嘱託職員1名を配置しており、ニーズに応じて公立保育所を巡回し、該当する子どもやその保護者のケア等に努めております。また、引き続き専門家を講師に迎えて専門的な研修を職員に行うとともに、各公立保育所で副保育所長を中心として集中的な連続講座に参加し、その結果を保育所内で研修することにより職員の資質の向上を図ってまいります。
    6. 自園調理の実施やアレルギー除去食への対応等で給食調理員の過重負担がある。給食内容をいっそう充実させるために調理員の増員をはかること。

      (回答)
      食物アレルギーによる除去食については、子どもの健康に関わることであり、主治医の指示に基づいて除去の程度、範囲を決めています。主食、副食、手作りおやつ(市販のおやつも含む)、牛乳については、除去並びに代替食を保育所で実施していますが、手作りおやつの食材、アレルギー用粉ミルク、調味料については、アレルギー用食材専門店や薬局で購入しています。
      アレルギー症状は、成長にともなって軽減される例が多いので、定期的に状況を把握しながら現体制のなかで改善を進めてまいります。
      今後とも、自園調理やアレルギー除去食については、献立内容や調理方法を工夫し、保育所給食の向上に努めてまいります。
    7. 障害児保育や一時保育をすべての保育所で実施すること。

      (回答)
      障害児保育につきましては、平成20年12月現在、公立保育所は拠点11か所(うち2か所は未入所)、拠点外保育所8か所、民間保育所は15か所(うち1か所は未入所)で実施しております。
      一時保育につきましては、民間保育所10か所で実施しております。
      今後につきましては、地域のニーズ、利用状況、建物の条件等を考慮したうえで、事業の拡大実施について検討してまいります。
    8. この間民間保育所への助成金が削減され、経営を圧迫している。安定した運営ができるように人件費等の助成金を増やすとともに、交付の際の運用については、各保育所の実情に合わせ、柔軟に対応すること。

      (回答)
      民間保育所に対する補助金につきましては、平成18年4月1日付で「西宮市民間保育所助成金交付要綱」を制定し、法人の自立的経営のもと、園の独自性や工夫が反映されるように定員の弾力化、子育て支援等の助成を新設するなど変更を行いました。今後も本要綱に基づき補助を行ってまいります。
    9. 待機児童解消策の一環として、市内法人保育園に土地建物無償貸与、5年間の期限付きで分園を開設させている。分園も事実上独立園として運営されており、現行の助成基準では不十分である。改善すること。

      (回答)
      民間保育所の分園運営に対し、国の補助基準のほかに、市単独の補助として分園を設置するための職員加配に対しても補助を実施しており、今後も配慮してまいりたいと考えております。
    10. 安井保育園の分園の安井さくら園は、設置から5年を超えてなお必要性があり、存続されているが、その施設はプレハブに多少の手を加えたものであり、子どもたちや保育者にとってあまりに劣悪である。08年度予算で最低限の改修をするが、将来を見据え、思い切って建て替えること。

      (回答)
      安井さくら保育園につきましては、平成20年度に、保育環境の改善を図るための改修工事を行っているところです。現在のところ建替えの予定はありませんが、保育園舎内及び園庭改修工事等を行うことで、保育環境の改善を図ってまいります。
    11. 新たな保育所設置にあたっては、株式会社の参入は認めないこと。

      (回答)
      新設保育所の運営主体につきましては、平成17年6月に西宮市社会保障審議会から受けました答申に基づき、社会福祉法人に限定することなく、株式会社を含め、今後とも広く運営主体を募ってまいります。
    12. 認可保育所を希望しても入所することができず、やむなく無認可保育所を利用せざるを得ない事態がある。各地でずさんな経営による犠牲者が出ているが、適切な指導監督を行なうこと。

      (回答)
      児童の健やかな成長が確保されるよう国の規定する「認可外保育施設指導監督基準」に基づき引き続き指導監督を実施してまいります。
    13. 負担能力を超える高い保育料で、滞納も増えている。保育料の引き下げと減免制度の拡充を進めること。

      (回答)
      保育料につきましては、社会保障審議会の答申に基づき、低所得者層に配慮した応益負担方式を基本として改定をすすめてまいります。
      また、減免制度につきましては、平成20年度より、これまでの保育所や幼稚園、認定こども園に加えて、特別支援学校幼稚部や知的障害児通園施設等を利用している児童も算定対象に含めた多子軽減の拡大を図っております。
    14. 西宮浜には現在、私立保育所が1ヶ所あるのみで、ここに入所できなかった子どもは、橋を渡って他の地域の保育所に通っている。これは子どもにとっても親にとっても大変な負担であり、西宮浜に早急に保育所を新設すること。

      (回答)
      保育所の新設につきましては、待機児童の早期解消を最優先の課題として実施しております。今後とも周辺地域との調整も含め、入所枠の拡大に努めてまいります。

  14. 認定こども園では、直接契約制度、保育料の自由設定方式が導入されており、これは国と自治体が責任を負う公的保育制度の「解体」に道を開くものである。また、幼稚園・保育所双方の認可基準の切り下げや、認可外施設の公認化をすすめるとして懸念が広がっている。市内ではつくらせないこと。

    (回答)
    認定こども園は、保護者が働いている、いないにかかわらず、就学前の子どもを受け入れて教育、保育を一体的に行う機能と地域における子育て支援を行う機能を備え、認定基準を満たす施設を兵庫県知事が認定する制度で、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、特定認可外保育施設型の4類型がございます。兵庫県では、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」に基づき、認定基準を条例で定めております。
    多数の保育所待機児童を抱える本市におきましては、認可保育所が就労の有無にかかわらない受け入れを行う保育所型の認定こども園の設置は現時点では選択しにくい類型ですが、待機児童の状況を勘案しながら、引き続き、本市に適した認定こども園のあり方を検討してまいります。
  15. 家庭保育所について
    1. 家庭保育所は、産休明け保育の大部分を担い、市の保育行政の中で重要な役割を果たしている。しかし市は、運営助成費や保育補助費を月ごとの入所人数によってしか支給せず、水光熱費なども部分支給で運営に支障をきたしている。また、多くの家庭保育所は施設を賃貸し、保育士を雇用して運営しているが、市の運営・助成要綱は自宅において家族による保育を前提としたものとなっており実態に合わない。家庭保育所の運営を改善するために要綱を抜本的に見直し、市の責任をはたすこと。

      (回答)
      家庭保育所は30年以上にわたり、市の保育行政に多大なるご協力をいただいてきております。これまでも運営助成費や保育補助者助成費などの改善を図ってまいりましたが、今後とも運営改善の検討を行っております。
    2. 保育所待機児童解消のために、たけのこ家庭保育所など条件のある保育所で定員増を行うこと。

      (回答)
      保育所待機児童解消のための定員増につきましては、民間保育所分園や保育ルームの新設等により対応してまいります。
    3. 保護者負担になっている給食や延長保育に助成を行うこと。

      (回答)
      現行の「家庭保育所の運営・助成要綱」の成り立ちからみて、給食は家庭からの弁当持参による方式が前提となっていますが、実態を的確に把握したうえで検討してまいります。
    4. 家庭保育所の卒園児を希望の認可保育所に入所させること。

      (回答)
      家庭保育所卒園児の保育所への入所につきましては、選考基準のうえで考慮をし、入所選考にあたっております。
    5. 保育ルームでは、1名の補助員をつけることになっている。実行するよう指導すること。

      (回答)
      保育ルームの運営につきましては、「家庭的保育等事業(保育ルーム)の運営・助成要綱」で保育補助者をつけることを定めており、現在、運営されている施設においては遵守されていることを確認しております。

  16. 学童保育(留守家庭児童育成センター)について
    学童保育所は、ただ単に子どもを預かる場所ではなく、異年齢集団の中で遊びと生活を通して子どもの成長発達を保障する場であり、放課後の子どもの居場所である。また、指導員には子どもの安全を守り、適切な指導で発達を保証する重要な役割がある。
    1. 市は、学童保育所の運営に指定管理者制度を導入し、これまで長きにわたって委託してきた社会福祉協議会を非公募で指定管理者としてきたが、2008年度から4ヶ所の育成センターについて指定管理者を公募するとして、関係者の理解・納得を得ることなく、07年8月公募を強行し、現在、3か所は社会福祉協議会が、1か所はその他団体が運営している。
      公募によれば、数年ごとに管理者が変更されることになる。これでは保育の継続性を損なう。また全市41センターの保育の質についても同一性、公平性が保てない。そもそも学童保育所の運営に指定管理者制度はなじまない。少なくとも、非公募とし、全施設とも社会福祉協議会を管理者とすること。

      (回答)
      留守家庭児童育成センターの指定管理者につきましては、公募により選ばれた指定管理者の運営状況を検証しながら、今後も原則として公募により指定管理者の選定を行ってまいります。
    2. 春・夏・冬休みおよび休校日の開所時間については、関係者の意見もよく聞いた上で延長すること。その際、料金加算は行わないこと。

      (回答)
      平成20年度より公募対象となった4育成センターで利用時間が午後6時まで延長のモデル実施をしています。さらに、7月には全保護者を対象にした利用時間延長に関するアンケートを実施しました。これらモデル実施における利用実態とアンケート結果を踏まえて、利用時間の延長について今後の方針を検討してまいります。なお、アンケートの中で、要望の多かった春・夏・冬休み及び休校日の利用時間の延長につきましては、今後、実施に向けた課題整理を行ってまいりたいと考えています。また、延長に伴う利用料金につきましては、受益者負担の観点から、利用料金を徴収する方向で検討中です。
    3. 待機児童がでているセンターは、希望する子どもをすべて受け入れられるよう、対処すること。

      (回答)
      待機児童の解消を目的に、毎年数か所の増改築を実施しております。引き続き、待機児童の早期解消のため、適切な対策を検討し、希望する子どもをすべて受け入れできるように努めてまいります。
    4. 定員の弾力運用で、子どもたちは施設の中ですし詰め状態である。特に、雨の日は居場所さえない。早急に改善すること。

      (回答)
      弾力運用により、児童一人当たりの育成面積がせまくなっていることは認識しておりますが、施設整備につきましては、待機児童解消を最優先にしております。
    5. 高学年学童を自主運営している父母団体に補助制度をつくること。

      (回答)
      児童数が増加し、待機児童が出ている現状から、小学校1年生から3年生及び障害児受入れを優先する必要があり、4年生以上の高学年を対象にした自主学童保育への助成は困難です。
    6. 「全児童対策事業」については、現行の学童保育(育成センター)事業とはまったく役割や内容が異なっている。現行の学童保育(育成センター)事業を後退させないこと。

      (回答)
      国や県の動向を見守りながら、「留守家庭児童育成センター(放課後児童健全育成)事業」と「全児童対策(放課後子ども教室推進)事業」の適正な役割分担について、教育委員会と研究してまいります。

  17. 総合福祉センターは市の福祉活動において重要な役割を果たしているが、洋式トイレや駐車場の不足など、施設整備の面では遅れが目立つ。引き続き、利用者の声をきいて改善にとりくむこと。

    (回答)
    総合福祉センターでは、アンケート調査を行い、利用者からの意見を聞く取り組みをしております。それらの意見を参考にしながら、今後とも、利用者の方が快適に利用できるよう、設備改善に努めてまいります。
  18. 障害児は増加し、その障害も多様化し、複合化している。わかば園では本来の肢体不自由児療育だけでなく、精神発達障害児の療育も引き受け、市の障害児療育の中心的役割を果たしており、今後ますます重要である。
    1. 施設は増築を繰り返し、大変狭隘であり、建て替えは「待ったなし」の課題である。わかば園を含めた総合療育センターの整備は2009年度からの第4次総合計画の課題としているが、関係者の意見も聴き、早期に計画をたて実現すること。

      (回答)
      わかば園の建物が狭隘であり、老朽化が進んでいることから、建て替えが必要であると認識しており、平成21年度から始まる次期総合計画期間中に、建て替えをし、充実した施設となるよう努めてまいります。
    2. 現在、内科・小児科医師は1名のみで、休暇取得もままならず診療にあたっている。療育センター整備も見据え、専門医師を早急に増員すること。

      (回答)
      わかば園の充実を図るためには、ハード面の整備に加え、医師などのスタッフの増員も必要であると考えており、医師の確保に全力で取り組んでまいります。

  19. 名塩・塩瀬地域に総合的な病院の設置を具体化すること。

    (回答)
    医療法に基づく兵庫県保健医療計画では、病院の設置につきまして、2次保健医療圏域(本市においては西宮市、尼崎市、芦屋市の3市で構成する阪神南圏域が該当)での整備を基本としており、圏域での基準病床数が定められておりますことや、名塩・生瀬地域の医療需給動向及び医療経営等から勘案しまして、病院の設置は困難な状況であると考えます。
  20. 内科、小児科の第1次救急医療をになう応急診療所は、順次診療時間も拡大され、市民の命を守っている。子どもが急増している中、ますますその役割は重要であり、さらに充実を図ること。

    (回答)
    第1次救急医療としての応急診療所は、開設以来、開設日を順次拡大し、現在に至っています。平成18年度からは、指定管理者制度を導入し、管理運営の効率化、充実を図っておりますが、近年その運営に不可欠な後送病院の確保において、困難な状況となっております。今後も当施設の安定運営を行うため、後送病院の確保に努めるとともに、医師会及び薬剤師会と協議を行いながら、内容の充実を図ってまいります。
  21. 保健所について
    1. 相変わらず食の安全に対する不信が強まる重大な事件がおこっている。内容によって管轄外の事案
      もあるが、市民は食の安全に関する厳しい指導監督を保健所が行うべき、との強い期待がある。この期待を受けとめ、日常的な衛生管理への指導や抜き打ち検査の実施、食品表示の実態把握など、迅速で厳しい対応と情報公開をおこなうこと。

      (回答)
      食品の安全については、毎年、食品衛生監視指導計画を策定し、食品等営業施設の監視指導及び食品の収去検査等を実施しています。
      立ち入り検査は通常、事前通告をせずに実施しており、施設及び食品が食品衛生法等に定められた規格、基準に適合しているか、食品の表示は適切か、原材料の品質管理は適切に行なわれているか、施設の衛生の確認等を行います。
      また、17時以降に夜間のみ営業を行っている施設についても監視指導を行う予定です。
      衛生不備や違反を発見した場合は、ただちに改善指導し、違反食品等が営業上使用又は販売されないよう、必要に応じ回収・廃棄等の行政処分を行い、違反食品等の流通、重大な健康被害・事故等の発生防止のため関係機関等と連携し、適切な措置を講じ、食の安全確保に努めます。
      なお、食品衛生に関して健康被害が発生した場合は、厚生労働省や他の関係機関と緊密に連携をとり原因究明を行い、その状況については迅速に公表し被害の拡大や再発の防止に努めています。
    2. 妊婦健診への公的助成の重要性が言われ、市でも5回分実施しているが、多くの自治体のように14回分実施すること。

      (回答)
      国におきましては、妊婦が費用の心配をせず、必要な回数(14回程度)の健診を受けられるよう、公費負担の拡充を行うことといたしました。これは、すでに地方交付税措置がされている5回分に加え、残り9回分について、平成22年度までの間、必要な経費の2分の1を国庫補助により都道府県に造成する基金で措置し、もう一方の2分の1についても新たに地方交付税措置を講じることで、市町村における助成制度の拡充を促進しようとするものです。
      本市におきましては、現在、県の助成制度を活用し受診5回で22,700円を助成する制度を実施いたしておりますが、国や県の講じる新たな制度の趣旨に沿った拡充策を検討してまいります。

  22. 食育は、食を通じて健康的な生活をめざすものであり、食育基本法に基づく食育を推進するために「西宮食育推進計画」の作成が急がれる。例えば農業体験をした子どもたちが食べ残しをしなくなりごみ減量にもつながる例など、食育は健康福祉局にとどまらず、教育委員会や環境局、市民局などが連携してとりくむ必要がある。当面健康福祉局が中心となり、食育推進会議を立ち上げ、「推進計画」を策定すること。

    (回答)
    食育の推進につきましては、市民一人ひとりが健全な食生活を営む力を培っていくために必要であり、重要な課題になっています。
    本市においては、食育推進計画を平成22年3月に策定する予定で、庁内食育推進連絡会議を設け、学校保健グループ、学校教育グループ、農政課、保育所事業グループ、保健サービス課、食品衛生グループ及び健康増進課の担当者等により食育推進計画の素案作成等の検討を進めているところです。
    また、平成20年度末には食育推進会議を設置予定で、食育の推進に関する重要事項について審議し、施策の実施を進めてまいります。
    この会議の運営等につきましては、庁内関係部署及び庁外関係団体や学識経験者等など構成メンバーや組織、運営など詳細を、今後決定いたします。
  23. 災害援護資金貸付金の県への償還期限は06年法令改正により5年間延長されたが、少額償還も多く、最終償還までには相当期間がかかるものと思われる。引き続き国に対し、償還期間の延長と償還免除の適用範囲の拡大等を求めること。

    (回答)
    市から県への貸付金の償還期限は平成23年度に延長となりましたが、延長期限後もなお、少額償還等の完済困難分は未償還金として残る見込みです。
    また、今回償還免除規定の拡大については、認められませんでした。そのため、この未償還金につきましては、被災各市町共通の課題として、さらなる償還期限の延長と償還免除規定の拡大について引続き国に対して要望してまいります。