野口あけみの一般質問/* --項目挿入-- */?>
2008年09月09日
第4期介護保険事業計画について2002年以来毎年続いている国の医療、年金、介護などの社会保障費の削減は、国民に耐え難い負担増と給付減を押し付けています。特に高齢者は狙い撃ちにされ、老年者控除廃止や、年金課税強化などの増税、さらに投機マネーによる原油価格高騰で、食料品などの物価値上がりが追い討ちをかけ、「年寄りははよ死ねといわんばかりだ」と怒りと怨嗟の声が広がっています。 そうしたなか、今2009年度からの西宮市第4期介護保険事業計画づくりが始まっています。この計画は、2009年から3年間の介護サービス提供量=保険給付量を見込み、国が決める介護報酬とで介護保険料を算定していく重要な計画です。今回の計画策定にあたっての国・県の基本指針では、第4期計画は2012年度から始まる次々期、第5期計画までの中間段階としての位置づけとなり、第3期すなわち、介護保険法改正後の現制度をほぼ引き継ぐものとなります。 2006年4月施行の介護保険法改正は、介護予防重視と持続可能な制度への転換を進めるとしながら、実際は保険給付費削減と、被保険者の負担増によって制度存続を図ろうとするものでした。具体的には、2005年10月から特養など施設入所の際の部屋代食事代を保険から外して自己負担とし、翌年4月からは「介護予防」給付を導入。要支援1・2の要支援者にはホームヘルパーなどの利用時間や回数が大幅に減らされ、また、要介護1以下の軽度の高齢者への、車椅子や介護ベッドなど福祉用具貸与への保険給付が原則なくなりました。このような介護とりあげに関係者の苦難は広がっています。 今後このまま社会保障圧縮政治が続けば、第5期に大きく見直される予定の介護保険は、なおいっそう高齢者受難の計画となる恐れがあります。老老介護の解消、介護の社会化など介護保険の目的に沿った、真の改善が求められます。 さて、第4期計画での市民の関心事の1つは介護保険料がどうなるか、です。3年ごとに決められる西宮市の介護保険料について、これまでの経過を振り返りたいと思います。なおここでいう介護保険料は、すべて65才以上の1号被保険者の介護保険料です。 2000年に介護保険制度が導入されましたが、西宮市の介護保険料は基準額2,934円でスタートしました。介護報酬など国が決めるべき詳細がぎりぎりまで明らかにならない中でその給付量の見込みなどは困難を極め、実際とは大きく食い違い、結果として集めすぎた保険料は、基金として積み立てられました。その額は3年間で9億1300万円にも上りました。 第2期は党議員団も市民も強く求め、この基金の約半分、4億6200万円を取り崩して保険料は据え置かれました。保険料が高く設定され、徴収されすぎたのですから、返していくのは当然の話です。その後、介護サービス給付は全国的にも市でも伸びを示し、第3期を迎える時には基金も底をつき、保険料は平均36%の値上げで、基準額3993円になりました。少しでも低所得者の負担を軽くするために所得に応じた保険料の段階設定が保険者=自治体ごとに決めることが可能となり、市では、それまでの5段階を7段階としました。そこに、先に述べた2006年の法改正。保険給付は大幅に減少し、基金(集めすぎた保険料)は現在相当額になっているはずです。 そしてむかえる第4期です。高齢化がすすみ、給付が増えていくのは間違いありません。また、これまで過去2回の介護報酬はマイナス改定となっており、介護労働者の劣悪な労働条件、介護の人材不足、深刻な経営難のもとになっています。第4期の介護報酬は引き上げ改定が多くの関係者の望むところです。 しかし、介護報酬や保険給付が大きくなれば、それが保険料の値上げの要因になるというのは介護保険制度の最も大きな矛盾です。この矛盾を解決しなければ介護保険制度は国民本位の制度にはなりえません。その真の解決は国の負担を増やす以外にありません。国に対し、負担割合を増やすことと、介護労働者の待遇改善が着実におこなわれるよう、それを保険料に転嫁させることのないよう、求めるべきです。 <質問>
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