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佐藤みち子の一般質問
2008年12月09日

保育所待機児童解消と民営化問題について


 西宮市内には公立保育所が23か所、民間保育所26か所、分園3か所があり4月1日付で定員4,250人に対して、弾力運用で4,723人の子どもたちを保育しています。今年11月1日の時点で待機児童数が438人。昨年の同時期の待機児童数が294人ですから、144人も増えています。市内の就学前児童数はわずかに減っている中で、保育所へ入所を希望する人が増え続ける背景には女性の社会進出が進んでいること、構造改革で子育て世代にも格差と貧困が押しつけられ、夫婦共働きでないと生活が維持できない実態があります。この傾向は今後とも続き保育所入所を希望する人は増えていくばかりではないでしょうか。同時に、西宮市では市長が進めてきた人口増政策に、保育所整備等の基盤整備が進んでいないことも大きな原因になっています。また。政府はいっこうに減らない保育所待機児童に対して「新待機児童ゼロ作戦を」発表しましたが、その中身は保育ママや保育所分園を増やすなどが中心で、真剣に待機児童を解消しようとしているのかと思うようなお粗末な内容になっています。今こそ子育て予算を大幅に増やし、誰もが安心して子育てできるようにしていくのが政治の役目ではないでしょうか。中核市の市長として国に対して、子どもの予算を増やすようにぜひ発言もしていただきたいと思います。市としても今一番しなければいけないことは、保育所の待機児童をゼロにし、希望する子どもはすべて保育所に入れるようにすることです。

 さて、公立保育所民間移管計画ですが、関係者との協議が進まず事実上破たん状態になっています。6月議会で我が党議員団の一般質問の答弁では、「民間移管の保護者への説明状況は4月以降、説明会が開催できていない、その理由として待機児童数が134人と急増したことでこの対応を優先させてきた。」また、「民間移管計画を撤回せよ」との指摘に対して「待機児童解消計画が市の緊急課題となっており、民間移管計画を含めた待機児童解消計画を作成していく必要がある」と答弁しています。市は今年の8月25日に公立保育所23園の保護者に「西宮市立保育所民間移管計画(案)について」の文章を出しました。その中身は、民間移管のスケジュールを具体的に定めていたが、関係者との協議が整っていない。引き継ぎ保育及び移管手続きに必要な期間などを勘案し6月定例市議会で手続きに必要な関係条例の改正案を見送った。と書かれています。その後5団体で構成される「ゆたかな保育をすすめる会」と10月29日に協議の場を持ち、市は、「来年4月の鳴尾北保育所の民間移管はありません。待機児童解消を進めているので待機児童がある間は民間移管はしない」と発言しています。2009年4月に鳴尾北保育所、2010年4月に朝日愛児館、今津文協保育所を民間移管する計画(案)は関係者と協議が整わず、スケジュールも完全に破たんしています。現在でも形の上では残っているため、きっぱりと白紙撤回すべきです。また、保育所待機児童解消計画と民間移管はまったくの別問題であり計画に含めることをやめるべきです。

<質問>
  1. 市長のマニフェストにも、女性の社会進出の進展や子育て世代の転入などにより、保育所入所の待機児童が増加しており、解消するために、保育所の新設や分園の設置などに取り組み、受け入れ枠を拡大し待機児童の完全解消を目指します。とあります。民営化のことはありません。最優先は待機児童解消だということです。待機児童解消計画はいつまでに作成されるのでしょうか。市が考えている待機児童解消計画の中身についてお答えください。また、12月補正予算に東山台に分園の土地購入費、北名次に分園の設計委託費等があげられていますが、土地の面積、分園の定員は何人か。公募はいつからするのか。開所時期等具体的にお答えください。

  2. マニフェストですが、民間保育所の保育サービスの充実を図るため、保育士配置基準を見直すとともに、分園設置を促進するための新たな補助制度を創設します。とあります。現在、公立と民間保育所で保育士の配置基準が違うのが1歳児で、公立保育所が子ども5人に保育士が1人、民間保育所が子ども6人に保育士が1人になっています。この配置を公立保育所の配置と同じようにするということなのでしょうか。また、新たな分園の補助制度の考え方について具体的にお答えください。

  3. 11月1日現在の保育所待機児童数は438人です。保育所待機児童を解消するためには潜在的な保育所需要数がどれくらいあるかを調査する必要がありますが、市としてその把握はできているのでしょうか。