HOMEへ
まつお正秀の一般質問
2008年12月09日

西宮での大型店の出退店のあり方について


この11月26日に阪急西宮ガーデンズがオープンしました。グランドオープン初日から6日間で58万人の入場者との報道もありました。この間、震災前からではフレンテ、震災後はアクタ、エビスタ、マルナカ、ららぽーと甲子園等の大型の商業施設が次々と出店してきました。特に臨港線沿いはこれでもかといわんばかりの商業施設の出店ラッシュとなっています。こうした状況にも市長はにぎわいができたと歓迎をされていますが、一方で商店街は疲弊し、閉店・廃業を余儀なくされる業者さんも後を絶ちません。さらに少し性格は違いますが、来年3月にはららぽーと甲子園にキッザニアのオープンも控えています。西日本一の規模といわれる阪急西宮ガーデンズだけでなく、ららぽーと甲子園やキッザニアも市外の来場者を大幅に予測商圏と設定した施設になっています。阪急西宮ガーデンズに客を奪われまいと伊丹のイオンモールがすでにリニュアルオープンし、尼崎でも来年大型の商業施設キリンガーデンシティもオープンする予定です。すでに西宮ではオーバーストアといわれる事態と同時に、アメリカのサブプライム問題を発端とした金融危機が日本にも広がり、大幅な消費減退の様相が各マスコミなどで報じられ、すでにフレンテ西宮の核店舗であるコープこうべのディズ西宮が来年3月での撤退を表明しています。今後もさらに同業他社での客の奪い合いが相次ぎ、大型店や核店舗のさらなる撤退、あるいは共倒れということにもつながりかねません。

この間アメリカの圧力による規制緩和路線の中で、もともと大型店の出店規制の効果に疑問があった大規模小売店舗法が2000年に大規模店舗立地法に改悪され、今まで行われてきた国や県の出店についての指導や調整が実質的に何もできなくなりました。大型店が出店して、地元の商店をつぶし、採算が合わなくなれば撤退をしていくやり方に、福島県では「商業まちづくり条例」を制定して大型店の出店に歯止めをかけるやり方が全国で注目をあびたのは2005年のことです。この前年の2004年6月にわが党のたてがき初男議員が、北口球場跡地開発について、今の阪急西宮ガーデンズですが一般質問を行っています。車の渋滞問題と合わせて大型店の出店規制をしてはどうかという質問に対して、当時の岸本市民局長は「当該商業施設に関する指導について一定の方向を出していく」と答えられ、その後同年の11月1日から「良好なまちづくりのための商業環境形成指導要綱」いわゆる商業立地ガイドラインが制定されて施行されています。出店野放しという今までの状況から見れば前進とはいえますが、しかしその中味は出店に当たっての市からのお願いという範疇で、なんら規制の効果をもたらすものでなかったことは現在の西宮の状況を見れば明らかです。

<質問>
  1. 大型店の新たな出店に対して今の要綱よりも厳しい「商業まちづくり条例」を制定する必要があると思うがどうでしょうか

  2. フレンテのコープが撤退表明していますが、撤退するときの条件や事前通告の在り方などの取り決めにはどのようなものがあったのか、また現在もあるのか

  3. 今後、商業施設のテナントの交代などが頻繁に行われたり、空き店舗のままという状況が生まれかねないが、そのようなことを想定した対策を考えているのかどうか。たとえばコープの後に商業施設が入ることになれば同じような撤退を許さない条件をつけるべきではないかお聞かせください。

  4. 今年の9月議会でわが党の上田さちこ議員がフレンテのコープ撤退について決算議案質疑を行いましたが、市長はコープの撤退について「厳しい状況があることを認識しているがコープと最善の解決策を模索していきたい」しかし、万が一のときには「西宮市の正面玄関の立派な施設だからそれにふさわしいあり方を真剣に検討していく」というふうに答えられています。そこで現在の検討状況はどうなっているのか伺っておきます。