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まつお正秀の一般質問
2008年12月09日

次期介護保険事業計画の見直しについて


3年ごとの見直しで西宮市でも来年度から介護保険の新たな事業計画が策定されます。この間2003年と2006年の二回の見直しでの介護報酬がそれぞれマイナス2.3%、マイナス2.4%と連続して引き下げられ、2006年度は認定の在り方なども含めて国の制度そのものが改悪され、利用の制限とともに、もともと低い介護労働者の賃金や労働条件がますます劣悪になり、さらに人材が集まらない職場となって悪循環におちいっている業界となっています。そのような中で今回の見直しで介護報酬を3%引き上げるという政府の方針は、介護の現場の改善を求める国民の声に配慮せざるを得ない中で打ち出されたものです。しかし、厚労省社会保障審議会介護給付費分科会の医師代表が新聞紙上で「まだまだ焼け石に水」と語っているように、報酬引き上げ分が介護労働者の賃金などにそのまま上乗せされる保証もないなども含めて、この間の制度改悪もあわせて「保険あって介護なし」といわれる介護保険制度の根本的な解決には程遠いという内容です。また、介護報酬が上がるということはその分保険給付費全体が引き上がり、保険料値上げの要因になるという制度の問題もあります。しかし、そのことと共にもともと必要な給付の制限がなされてきたために基金として保険料が余ってきて、全国の自治体の6割が保険料を使い切らずに黒字であり、その要因として、介護保険を使って長期入院できるベッドを減らした分のお金を在宅サービスなどに使うべきなのに、在宅サービスが使いにくくなってお金が余っているとマスコミでも指摘されているところです。そもそも保険料は、介護の必要な人が適切なサービスを受けたらこれだけかかると算定したはずで、残るのがおかしいのです。2期目の見直しのときに日本共産党市会議員団は、9億円以上もたまった基金は被保険者から集めたお金であり、当然還元すべきだと取り崩しを要求し、その時には基金の半分を取り崩して保険料据え置きの大きな役割を果たしてきました。しかし、3期目の見直しでは残念ながら西宮市も全国的な値上げに追従する形になりました。

この西宮市でもまもなく3期目を終わろうとしていますが、4期目の事業計画では低所得者への配慮なども含めて充実した保険制度にしていくことを求めて、この9月議会でわが党の野口議員が介護保険での質問を行っています。保険料を払いながらも特養に入れない待機者が6月1日で1708人に上っている問題では、今までも検討してきたけれども、次期計画で整備する方向だと答えられています。そして、強く要望した低所得者の減免対象を増やすようにという点では、次期計画では保険料の現状の7つの段階をさらに増やし減免対象者を拡大する方向で検討すると答えられています。また前年度末で7億7700億円の基金についても、どの程度取り崩すか検討したいとも答えられています。さらに、前回の制度改悪によって一般福祉で行われていた紙おむつの支給や配食サービスが介護保険制度に組み込まれてきたために保険料上がる要因にもなっている点や、病院の待ち時間や散歩など被保険者の症状改善に効果的とされるものが保険の対象外になっているという問題点も指摘してきたところです。

<質問>
  1. 今年度末の基金残高予定とともに、保険料引き下げのためにも全額取り崩すべきだと思うが次期計画ではどのようになる予定か。

  2. 第4期の事業計画で具体的な保険料はどのくらいになるのか、値上げになるのであれば一般会計からの繰り入れで補てんすべきと思うがどうか。

  3. 国の税制改悪の影響での激変緩和措置が今年度で終了するが、そのことで急激に保険料が上がる人への対策や、減免対象者の拡大はどのような検討がされているか。

  4. 特養については第4期事業計画で整備するということですが、どのような計画が検討されているのか

  5. 今まで一般福祉サービスでやっていた紙おむつの支給や配食サービスなどを市の負担として実施してはどうか

  6. 介護サービスの後退で、現状では介護保険の対象になっていない病院の待ち時間や散歩などについて、東京渋谷区や千代田区では自治体の負担で独自のサービス(本人負担はもちろんありますが)を行っているが、西宮市でもこうした制度を実施すべきではないか。