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野口あけみの代表質問
2009年03月03日

生活保護行政


生活保護制度は憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」との理念を具体化した制度です。生活保護法では第1条で「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と、国の責任を明記しています。「最低限度の生活」を強いられている人は、誰でも申請でき、要件にあっている場合には「無差別平等」に受けることができる制度です。
派遣切りや、失業、倒産が増大し国民の生活悪化がすすむなか、セーフティーネットの最後の砦である生活保護制度はますます重要になっています。現に政令指定都市と東京23区では昨年12月の申請数は前年同月比で3割増しと報じられています。
ところが、この制度が現場では十分に機能せず、深刻な権利侵害も多数発生しています。2007年7月、北九州市小倉北区で「オニギリ食いたい」との日記を残して餓死した男性が発見された事件は記憶に新しいところです。日記には、働けないのにはたらくことを強要されたこと、生活保護の辞退届けを無理やり書かされたことなどもつづられていました。
こうした違法・不当行為が横行していることと同時に問題なのは、この間保護制度そのものの改悪があいついでいることです。自公政権によって「老齢加算」「母子加算」の廃止が強行されました。市では夏冬の見舞金や水道料金基本料金免除がなくなりました。さらに生活扶助の基準引き下げや国が費用の4分の3を負担しているものを3分の2に引き下げることなどがねらわれています。
憲法25条の精神、生活保護法の本来の姿にそって生活保護制度を改善させ、適用する行政姿勢が強く求められています。
年末・年始に注目を集めた「年越し派遣村」では村民約500人のうち生活保護を希望した272人全員が受給できました。少し前まで働いていた、はたらく能力のある人、家を失い住所がない人たちです。これまでからも法どおりに適用すれば、当然保護開始できるのに、多くの場合してこなかったような事例です。
派遣村からは1月15日、これは「特別扱い」「超法規的なもの」などではなく、生活保護法の「本来の姿」を示したものという、声明が出されました。この声明では、「今、現に住まいを失った人々の生存を守る制度は生活保護しかない以上、適正かつ積極的な活用によって生存を確保することが切実に求められている」。今後もますます失業者が増える中で「生活保護の窓口を閉ざせば自殺や餓死などの悲劇が生じかねない」として、厚生労働省に対しては全国の福祉事務所に派遣村での運用こそスタンダードであると通知することを求め、各地の福祉事務所には通知を待つことなく、適正かつ積極的な生活保護行政を実施することを求めています。

<質問>
  1. 西宮での保護申請の最近の動向、今後の見通し

  2. 「働く能力がある者は、特に若年者は生活保護を受けられない」という誤解があるが、働く能力があり、それを活用しようとしても働く場が得られない場合は生活保護を受けることができるというのが、生活保護法の精神だと考えるが、実際はどうなっているか。

  3. 「いわゆるテント生活者など住所がない人は受けられない」というのがこれまでの例だったが、今後はどうか。ホームレス対策とあわせてお答えください。