今年10月から、市県民税と国民健康保険料の特別徴収、いわゆる年金からの天引きが西宮市でもはじまります。すでに、所得税、介護保険料、後期高齢者医療保険料は、月額1万5000円以上の年金の場合、天引きされており、新たに天引きが加えられることになります。
年金天引きの問題は、第1に、税金にせよ保険料にせよ、年金収入に比べてその負担が重すぎると言う点です。所得税や住民税は、定額減税が廃止されるとともに、老年者控除が廃止され年金への課税強化のために、高齢者に大変な増税が課せられてきました。また、介護保険や後期高齢者医療保険、国民健康保険は、高齢化が進む中で基本的に保険料負担が増え続ける仕組みになっています。現時点でも、税金と保険料の負担が重すぎるのですが、今後も間違いなく負担増が続くのです。取りはぐれがない徴収方法で、負担増を強いることになります。
第2に、これまで普通徴収だったものが、自らの意思にかかわらず、強制的に年金から天引きされる、先にひかれて残りの額が年金として支給されるのです。年金が月額1万5千円以上ならば、有無を言わさず、天引きとなります。
「現代の姥捨て山」といわれるほど、制度そのものに問題がある後期高齢者医療保険制度では、国民的に批判がつよまり、一部見直しがはかられ、口座振替が可能となっています。しかし、集める側からすればとりはぐれのない徴収方法が基本であり、介護保険料や住民税は変わっていません。
市としては丁寧な納付相談に力を尽くすとともに、国は強制的な年金天引きを、ただちにやめるべきであります。
<質問>
- 特別徴収、いわゆる年金から天引きに対して、高齢者の怒りはいまだ続いている。現在、65歳以上の高齢者からは介護保険料が、75歳以上の高齢者からは後期高齢者医療保険料が年金から天引きされている。年金からの天引きに対する怒りについての、市当局の見解をお聞きします。
- 今年の10月から、市県民税と国民健康保険料があらたに年金からの天引きがはじまりますが、徴収方法に対する市民の選択権は、市の裁量などを含め、具体的にどのように実施されるのか、説明願います。
- 年金からは、所得税、市県民税、介護保険料、国民健康保険料または後期高齢者医療保険料が、天引きされることになります。この間の高齢者への増税と、上がり続ける介護保険料や医療保険など、の負担によって、残りの年金額が生活保護世帯並みになる場合もあります。年金天引きは、その人の生活実態とかかわりなく、先に税や料を取り上げてしまうため、生活が成り立たなくなるケースも生じます。それぞれ、縦割りで天引きするのではなく、トータルに生活実態を見てどうするのか判断できるように、連携、調整できる措置が必要ではないか。納付の困難な市民に対して、現在は、住民税や国民健康保険料では、分納制をとるなど、かなり丁寧な納付相談を行っていますが、引き続き継続すべだと思いますが。