昨年9月12日、コープこうべが、正式にフレンテ西宮のコープデイズ西宮を閉店することを表明してから、半年が経過しようとしています。コープこうべは、今年3月末でコープデイズを閉店し、フレンテ西宮の地下1階から3階までのコープ所有床を全て売却するとしています。
この間、市当局はコープデイズ問題対策チームを立ち上げ、水面下でのコープこうべとの協議、交渉を継続してきました。2月に入って、協議、交渉の状況について市議会にも報告がありました。
その内容は、地下1階と1階の営業継続を条件に、コープこうべ所有床のうち、市として採算性の低い2階、3階を、西宮市都市整備公社を通じて購入する方針を決め、1月23日に、都市整備公社名でコープこうべにその旨を打診、2月2日付でコープこうべから営業継続の前提条件を満たしていないと、時間切れを理由に、拒否の回答だということでした。その後、2月26日、市は、購入価格を提示し、再度営業継続を求めています。
現時点で、コープこうべからの回答もコープ所有床がどこかに売却されたとの報告はありませんが、これまでの経過から、3月末撤退は避けられない事態が迫っています。
私は、仮にコープデイズが閉店となると、主に4つの点で、大きな問題が生じると思います。
第1に、西宮市の正面玄関とのいうべきJR西宮駅前の商業施設が、核テナントの撤退で、ゴーストタウン化、空洞化してしまう。
第2に、西宮市施行の再開発ビルに入居している地権者を含めたテナントの経営が危機的な状況にさらされている。
第3に、第3セクターである西宮市都市管理株式会社が倒産する可能性がある。
第4に、これまでコープデイズで買い物をしていた近隣地域の高齢者が非常に困る。
この4点は、西宮市のこの地域のまちづくりが失敗したことを意味するものです。
フレンテ西宮は、総事業費約441億円2棟のマンション住宅を含めた西宮市が施行した「JR西宮駅南知久第1種市街地再開発事業」によるものです。つまり、西宮市のまちづくりによるものだということです。同時に、震災後、市内に大型店出店が続き、フレンテ周辺はとりわけ乱立、市の再開発事業によるショッピングセンターの核テナントの売上が半減する事態になったことは、商業政策という点でも失敗したことを意味します。
私は、市としてこのことをふまえた上で、今後取り組むべきだと思います。
<質問>
- コープデイズの撤退問題は、西宮市が施行したJR西宮駅南地区再開発事業が事実上破たんしたことを示すものです。また、民間活力の導入とした第3セクター方式も、完全に破たんをしています。さらに、大型商業施設の出店を野放しにしてきた商業政策の失敗も意味する。市として、まちづくりの失敗だと、明確に認めるべきだと思いますが。
- コープこうべとの交渉の際、コープデイズの2階から3階までのコープ所有床を取得する方針を市は決めていたわけですが、財政出動はどの程度までを考えていたのか。評価価格については、鑑定していたのか。利用目的は明確になっていたのか。
- 当面の問題として、3月末でフレンテ西宮は、核テナントを失うこととなれば、地権者など他のテナントの経営への打撃は避けられません。地権者などテナントの救済策はどうなっているのか。
- 今議会「仮称フレンテ西宮商業活性化委員会」を立ち上げ議論していくとしていますが、市長は昨年9月議会に「言うなれば、あのフレンテは、西宮市の正面玄関にございます立派な施設でございます。単に商業施設として活用していくのか、あるいは総合的なまちづくりの観点からより活性化したものをつくり上げていくのか、こういう点も含めまして真剣に検討をしてまいりたいというふうに思っております。」と答弁されました。48万都市西宮市の表玄関とも言うべきJR西宮駅前が、いわゆるゴーストタウン化することは避けなければならないと思いますが、市として、事業の失敗を認めたうえで、になるが、今後、本気で責任をとるつもりはあるのか。お答え下さい。