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いそみ恵子の一般質問
2009年03月10日

学童保育所の指定管理者制度の問題点


クリックで大きな写真を表示学童保育問題の2点目は、指定管理者制度の公募の問題です。
ここでも「官から民へ」の流れの一つとして導入されたのが指定管理者制度です。西宮では2005年9月議会、学童保育に指定管理者制度を導入するための条例改正案が可決され、2006年からの2年間は、非公募で西宮市社会福祉協議会が指定管理者となりました。昨年、保護者や関係者の強い反対をおしきって41ヶ所の学童保育所のうち、4ヶ所が非公募から、公募となり、津門・瓦木・広田の3ヶ所は、他の非公募の37ヶ所の学童保育所と同じく社会福祉協議会が、そして用海の1ヶ所のみが神戸YMCAにそれぞれ2年間の指定管理となりました。
その後1年間が経過し、様々な問題が出ています。公募となった学童保育所では、その運営を独立採算で行はなければならないため、経費の削減が叫ばれ、子どもの教材費や指導員の研修費がけずられ、救急・救命訓練さえ出来ないというありさまです。また、市の指定管理の運用指針では、期間の基本を5年としているにもかかわらず、学童保育は、2年と言う短期間にしたため事業の安定性・継続性が保たれず、指導員の雇用が極めて不安定になっています。特に、指定管理者が公募される中で当局が強調したのは、「公募によってサービスが向上する」ということでした。その目玉として行われたのが学童保育所の利用時間を現行、午後5時を午後6時まで延長することでした。そのための必要な予算も出さず、現場の合意がないまま、学童指導員のシフト勤務が導入され、正規指導員の半数が午後1時から5時まで、一方の半数が午後2時から6時までとなり、抜けたところは、臨時指導員を当てるというものです。そのため1番大事な子どもたちの問題での引き継ぎができないため、結局、指導員は、出勤時間よりも早く出たり、うちあわせのために残ってサービス残業をせざるを得ないという事態です。利用時間の延長は、公募された4ヶ所の学童保育所、津門・瓦木・広田・用海で利用料金無料のモデル実施を行い、2009年4月、つまり今年4月から当局は、全学童保育所で一斉に行おうとしていました。
ところが2月13日の厚生常任委員会の所管事務報告で学童保育所の利用時間延長について、モデル実施した4学童であまり利用実態がないこと。全体のアンケートでむしろ保護者の希望としては、午後7時までの延長を望んでいること等がわかり、今年の4月からの午後6時までの利用時間延長の一斉実施を見送り、一年間かけて再検討したい旨の報告があったところです。

<質問>
  1. 公募された学童保育所の指導員のシフト勤務によってサービス残業が行われていると聞いています。この違法状態をこのままつづけるのか。是正すべきと思うがどうか。

  2. 2年ごとに管理者が変更となる公募では、保育の継続性を保つことはできません。41か所の学童保育所の質についても同一性・公平性が保てません。学童保育所の運営は、そもそも指定管理者制度になじみません。少なくとも、非公募とし、全施設とも社会福祉協議会を管理者とすることを求めます。ご答弁下さい。

  3. 学童保育所の利用時間の延長について、保護者の願いは、午後7時までの延長を希望している。午後7時までの延長について指導員の人的配置も含め、十分な予算もとって市が責任を持って実施すべきと考えるがお答えください。