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佐藤みち子の一般質問
2009年07月02日

フレンテ西宮問題について


JR西宮駅の再開発ビル「フレンテ西宮」は、西宮市施行による「JR西宮駅南地区第1種市街地再開発事業」により整備されたショッピングセンターです。当時の資料によると、「この地区は、都市計画街路、駅前広場の未整備などから、道路、宅地は不整形で狭く、住・商・工が混在しているうえに老朽木造家屋が密集し、環境上も劣悪なところとなっている。そこで駅前広場、街路等の公共施設を整備し、住環境の改善、商業・業務機能の充実を図るため市街地再開発事業に着手すること」とし、1986年(昭和61年)に都市計画決定され、事業費として国が63億7千万円、県が3千万円、市が94億5千万円、新たな床の売却(保留床)が282億円となり総事業費約441億円という大事業でした。
「フレンテ西宮」は核テナントを「コープこうべ」に、51店舗の専門店が入り1994年4月にオープンし、西宮都市管理株式会社が運営しています。
西宮市は都市管理株式会社に、フレンテ西宮駐車場を取得するに当たって行った長期借入金の繰り上げ償還のために、2000年から毎年、無利子で貸し付けを行ない2006年度から利子を徴収しています。2009年度は9億9千万円の貸し付けを行っています。また、3月末から専門店の退店が続き、敷金返済等で市から新たに1億5千万円の貸し付けをしています。日本共産党西宮市会議員団は、貸付については、「コープなど他の出資会社も責任の分担をしあうのが筋であること、市の貴重な一般財源を毎年約10億円も使うことは直ちにやめるべきだ」と、予算、決算で反対をしてきました。都市管理株式会社自体のあり方が問われていますが、今回は指摘にとどめておきます。
また、今年の3月議会で、わが党の杉山議員がコープデイズ撤退問題を取り上げ、街づくりの失敗、商業政策の失敗だと厳しく批判をしました。都市局長は「コープ撤退問題は、コープこうべ自らの経営上の問題、駅前の広場等の公共施設や住宅棟の整備をすることによりまして、安全に快適に便利にという生活を営むことができる環境づくりができた。街づくり全体の失敗であるとの認識はしていない」と答弁しました。しかし、開店からたった15年で核テナントが撤退するという状況になるのは、市施行で多額の税金を使っておこなった街づくり、そして商業政策のあきらかな失敗です。このことも再度指摘をしておきます。
さて、6月4日に開かれた市民文教常任委員会で、「フレンテ西宮」の核テナントのコープデイズ西宮が地下1階、1階で営業を続けることを条件に、2、3階を当初は市の外郭団体の都市整備公社が金融機関から融資を受けて買い取り、市が借り上げたうえで新たに募集するテナントに貸す予定だったのが、「公社が借り入れた融資を、市が損失補償をすれば法的に問題が生じる恐れがあること。また、公社が購入した場合不動産取得税や金融機関への融資手数料など、8600万円に加え、金利3億3千万円(20年返済)がかかることなどから市が直接購入することに変更した、財源は基金を取り崩す」との説明がありました。
市は、5月29日から7月10日を〆切にテナントの募集をしています。募集の中身は、2階約819坪、3階約1006坪を一括賃借できる大型専門店を対象。複数店舗(2者まで)による連合体。1フロア(2階または3階)のみの応募も認め、家賃は希望賃料にすると説明。契約期間は本契約締結日から最低5年以上と定め、5年間は撤退できないことになっています。
市内では、この数年で、北口アクタ、ららぽーと甲子園、阪急ガーデンズと次々と大型商業施設ができ過密状態になっています。このような状況で第2核テナントの誘致ができるのでしょうか。
電車に乗れば30分以内で着く梅田では、阪急百貨店の1期棟の建て替えが終わり、阪神百貨店、大丸百貨店の改装、三越伊勢丹の進出で、ますますにぎやかになるようです。「フレンテ西宮」が商業で活性化できるのかと、多くの人が思っているところではないでしょうか。

<質問>

  1. 第2核テナントの募集をしていますが、市内には大型店が多数出店し過密状態になっています。そんな中で集客力のあるテナントが応募してくるのでしょうか。

  2. 約1825坪の面積の店舗を営業できるのは個人ではなく大手の企業です。家賃は希望賃料にするとしていますが、大企業に便宜をはかることになり問題ではないでしょうか。8億円で買い取るに当たって適正な賃料はいくらになるのでしょうか。

  3. 8億円で市が買い取りますが、その活用を市が主体的に考えるべきではないでしょうか。7月10日まで第2核テナントの募集をしていますが、10日で応募がなければどうするのですか。

    その時点で、早急に公的利用に方針を変えるべきだと思いますがどうですか。