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まつお正秀の一般質問
2009年07月02日

新型インフルエンザ対策について


4月24日にメキシコとアメリカで最初の感染が確認され、メキシコで多数の死者がでた新型インフルエンザは世界各地に広がり、国内でも近畿地域を中心としながらも全国的に広がりました。当初は外国での発症ということから空港などの検疫強化での封じ込め対策が取られましたが、ここに人員を集中した為に国内の検疫がおろそかになる側面もありました。このような危険性が以前から指摘されていたにもかかわらず、全国の検疫官は2005年に367人だったものが現在は348人に減らされ、医療関係者などの応援でやっと800人体制にすることができたところですが、人員不足の問題点が改めて浮き彫りになりました。その後、海外へ渡航暦の無い人も国内ではすでに感染が広がっていることが確認されましたが、主に国内の感染拡大を防ぐ対策としての発熱相談の中心を担う保健所の数は1997年には全国706か所あったものが2008年には517か所に減らされ、ここでも24時間対応などで人員が不足なまま、この体制が続いたらみんな体が持たないという声などもきかれました。幸い西宮市には保健所があったことや他部局から応援体制もとったために窓口機能を果たすことはできましたが、一時は実務をできないほどの電話対応に追われる状況もありました。このことは、この間の毎年2200億円社会保障費削減などの「小泉構造改革路線」の問題点の表れとして指摘をしておきたいと思います。

こうした中、西宮市でも感染患者の確認と共に5月18日から24日まで学校園の休校や各種施設の休所などが行われる事になった為、日本共産党西宮市会議員団は5月18日、市長に対し、日本共産党西宮芦屋地区委員会との連名で

  1. 情報提供や必要な物品の確保 

  2. 患者に対する支援 

  3. 医療体制の充実 

  4. 相談体制の強化 

  5. 学校や保育所などの休みに伴う親の職場の休暇取得での企業への協力要請 

  6. 保育所や学童保育の別途相談体制 

  7. 介護施設利用者へのフォロー体制 

  8. 福祉施設などの経営上の支援 

  9. 感染拡大防止とともに国・県に対する支援要請、


以上の9点での申入れを行ないました。
その翌日には市として、特に5番目の市内事業所における従業員の休暇取得での協力については商工会議所を通じて申入れをしていただきました。

こうして国民の警戒感も強まるなか、簡易検査キットやマスク、消毒液の不足で、インターネットで不当に高い価格で販売されるケースも出てきました。また、このたびのインフルエンザワクチンの開発が急がれているところですが、今回有効とされたタミフルやリレンザなどの処方薬の不足も懸念されたところです。また、学校や保育所、介護施設や障害者施設などが休みとなったために、その対象者だけでなく家族や職場にも大きな影響を与えました。特に子どもを保育所に預けて仕事をしている人たちなどは、やむなく仕事を休まざるを得ない事態や、仕事を休めず両親などに預けるところもない人達が、保護者同士で子どもの預かりあいをする事例もありました。特に病院で働く看護師などが子どもの保育所が休みのために病院を休む、あるいは早く帰るなどで医師の負担が大変だという声も聞かれました。さらには、介護施設や障害者施設では利用する人たちの家族が困ったという声とともに、施設にとっても収入減となり経営を圧迫する要因ともなりました。その後、結果的に日本の場合は気温の上がる夏に向けての時期であったことも影響して今回は症状も比較的軽く、早期の回復も見込まれたことから大きな混乱もなく済みました。しかし、感染が北半球中心から、これから冬に向かう南半球での感染がひろがりつつあり、WHOは6月11日パンデミックを宣言し、その警戒水準をフェーズ6に引き上げたことは皆様もご承知の通りです。この間西宮市としても対策を講じ、担当職員は日夜わかたぬ奮闘をされてきたことに敬意を表するところですが、今回の対応からの教訓を引き出し、秋から流行が予測される事態へ備えておく必要があると考えます。

<質問>

  1. 今回の対応のなかでの西宮市としての教訓をどのようにくみとっているか

  2. WHOがフェーズ6へ引き上げたことに対する市としての見解としては「新たな対応はとらないが、秋の流行に向けて万全の対策をとる」とありますがどんな対策が検討されているのか

  3. 今回のインフルエンザ対策が以前の鳥インフルエンザのような強毒性を想定したマニュアルしかなかった為に的確な対応ができなかったといわれていますが、新たなマニュアルはいつごろをめどに作成されるのか。

  4. 特に保育所が休みとなったことによる混乱はなかったかどうか。また、病院で働く医療関係者などのこどもについては、拠点の保育所を開設するなどで預かってほしいという声もあるが、その点についての当局の見解はどうか。

  5. 介護施設や障害者施設などが休みになったことで、西宮市内の事業所などでの休業補償をすべきと思うがどうか。また学校の給食食材などの納入ができずに損失をだした業者への補償はどのようになっているのか。