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まつお正秀の一般質問
2009年07月02日

農地の保全について


農地の果たす積極的役割について否定する人は少ないと思います。食料自給や洪水をはじめとした防災機能、二酸化炭素吸収などの温暖化防止、レクレーション機能なども合わせた精神安静化など、様々な効果が謳われながらも、全国的に農地の減少が進み、西宮市でも例外ではなく農地が宅地や駐車場に変わる現象が多々見られます。ここのところ門戸や甲武地域などでも農地が宅地になったり、ドラッグストアができたりしています。私の住んでいる地域に能登運動場がありまして、その隣に田んぼがありましたがここも駐車場になりました。現在の都市計画法や建築基準法においては、この間の政府の都市計画が人口増を前提としたものであった為に、市街地では宅地や駐車場を増やす方向になっているともに、税制の問題点としても、市街地農地を宅地並み課税することによって相続税が払えず、農地を手放す人達、農地の切り売りや物納も増えています。また生産緑地指定基準が500平方メートル以上という広すぎる問題とともに、相続した生産緑地は死ぬまで農業をしなければいけないという過酷な縛りがあり、所得の保証もないのにそこまで約束できないと手放す人が多いというのが現状です。
 一方で、昨年来の食の安全を脅かす事件が相次いだことなどから、最近のテレビや雑誌などのマスコミでは、地産地消の取り組みや無農薬や有機栽培などの安心安全の農業、また近郊野菜でケーキを作るパティシェが評判になっていることなどを含め、こだわりの農業や農産物、そしてそうしたものを調理加工した独創的な食(食べるほうですが)についての報道が多くなっています。また、東京のマンションが林立する中にあえて棚田を作り、田植えをした子どもたちが収穫したおコメで作ったおにぎりを秋に食べる予定になっているなど、レクレーション機能や食育としても農業に注目が集まりつつありますし、本市でも今年度からコメ作りの体験農園事業が実施をされています。西宮市は阪神間にありながら北部を中心として農地のまだまだ豊かな自治体です。せっかくある農地が減少していく様は、私自身見るに耐えかねます。

<質問>

  1. 都市部における農地の役割についてどのように捉えているか

  2. 相続した生産緑地で営農ができない場合には市が買い取ることができますが、この制度ができて何件くらいの申し出があったのか、また、そのうち買い取ったケースがあったかどうか。さらに、近隣農家へのあっせんに至った場合で合意に至ったケースは何件あったか。

  3. 国に対し生産緑地要件500平方メートル以上の要件緩和を求めるべきと思うがどうか。