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野口あけみの一般質問
2009年09月07日

公立幼稚園統廃合問題


 今市では、8月10日から9月10日までの期間で「西宮市立幼稚園教育振興プラン(素案)」に対するパブリックコメントを実施中です。
 プランの基本的考え方として、「公私立幼稚園間における保護者負担格差や就園環境地域間格差の是正、市立幼稚園の活性化や幼稚園教育の振興、多様化する保育ニーズへの対応などを図りつつ、全市的立場で施設の有効利用を図る必要があるため改革を行う」としています。
 具体的には、1.幼稚園教育の多くを私立幼稚園に担ってもらってきたが、公私間の保護者負担格差を縮小し、より広い選択肢を提供する。2.公費で設置運営している市立幼稚園は、全子育て家庭に支援をおこなうべきであり、また公私幼稚園教育全体の質的向上を目指すため、保育実践の研究開発などを進める総合的な「幼児教育センター」機能を有する市立幼稚園を整備していく。3.これらを進めるには、体制と財源が必要なため、市立幼稚園の統廃合を含めた適正配置や適正規模などの見直しを行う。というものです。
 そして、公立幼稚園の総受け入れ児童数は維持したうえで、4歳児、5歳児とも複数クラスを編成することを基本とする。市内7ブロックを設定し、ブロック内の未就学児童数、幼稚園・保育所数などを考慮し、各ブロック1?3園を配置する。これらが、「適正規模」「適正配置」ということでしょうか。そのために、23年度末より順次、公立幼稚園6園を廃止。26年度には現在の21園体制から15園体制に縮小する、としています。廃止される公立幼稚園は、24年度に、用海、越木岩、鳴尾北の各幼稚園。25年度は今津、浜甲子園、26年度に高須西幼稚園で、24年度廃止の3幼稚園は保育所に転用するとしています。また、保護者負担の公私間格差の縮小は2倍以内を目標に廃園による削減額を原資として22年度より就学奨励助成金の増額をはかる、としています。
 また、多様化する保育ニーズへの対応という点では、現在公立では2年保育のみですが、研究園(子育て総合センター付属あおぞら幼稚園)において3年保育を22年10月募集より導入し、研究を進める。公立で取り組まれている特別支援教育の充実へ、検討を重ねると同時に、私立幼稚園での障害児受入れを進めるため私立幼稚園をまじえて検討していく、預かり保育は早急には実施しない、などとあります。

 さて、素案を繰り返し読んでみるものの、私にはなかなか理解できませんでした。西宮の幼稚園教育の現状がどうなっているか、がまずわかりません。そして、市民のニーズが何か、ニーズに照らし合わせた時に何が問題・課題で、それを市教委はどういう方法で解決しようとしているのか、などなどがこの素案からはストレートに伝わってこないのです。そして、結論は「公立幼稚園6園廃止」です。
 なぜ、幼稚園教育が大切、期待されているといいながら、また、素案の文面にもあるように「これまで保護者のみならず、地域にも守り支えられ、親しまれてきた市立幼稚園が、地元からなくなることに対する感情は十分に理解するところ」であるにもかかわらず、公立幼稚園を、今、急いで、数年の間に、廃止、縮小するのか。このことを、中心に質問したいと思います。

<質問>
  1. プランの眼目のひとつに、公立幼稚園の適正規模を目指す、というものがあります。市内21園の規模を見ると、4歳児、5歳児各1クラスずつ、全体で2クラスが8園、4歳児1クラス、5歳児2クラス計3クラスが8園、4歳5歳各2クラス、計4クラスが1園、4歳2クラス、5歳3クラス計5クラスが、4園となっています。素案では、各年齢で複数クラスがあってはじめて「集団」であり、教員の研鑽や幼稚園の活性化の面からも複数クラス編成を基本とする、とのべています。各年齢1クラスづつでは小規模すぎて不適切との判断で、廃止統合するという結論を導き出していますが、では、幼稚園教育全体を見渡したときに、どうあるべきと考えているのでしょうか。
     私立幼稚園は、それぞれ独自の理念「『私学の自由』にもとづく建学の精神によって運営」されており、法的にも幼稚園の全体規模に規制や基準はないため、市がどうあるべきかを、押し付けることはできないとは思います。しかし、教育要覧によれば20年5月1日現在、市内で一番の大規模幼稚園は3年保育で17クラス、496人、約500人です。鳴尾北小学校(市内最大規模)の1?3年生で19クラス628人、香枦園や南甲子園で同じく1?3年生、15クラス、485人、457人ですから、就学前の幼稚園ですでに、小学校並み、またはそれ以上の規模となっています。幼稚園教育における適正規模についての市教委としての考え方を改めて示してください。

  2. 次に、公立幼稚園の活性化とは、どういうことでしょうか。先ほど述べたとおり各年齢1クラスでは小規模であり、この規模では活気がない、また、5歳児は35人を超えたら複数クラスとなっているため1クラス20人程度2クラスという幼稚園もあります。だから「活性化が必要」という問題意識のようです。公立幼稚園の空き教室をできるだけ活用し、複数クラスにして活性化をはかるなら、廃園するのでなく、むしろ今でも抽選となっている4歳児の受け入れを増やすべきです。公立での受け入れ総数を増やすという方法のほうが市民のニーズにも合い、活性化できると思います。どうかんがえますか。

  3. なぜ、今回の6園(用海、越木岩、鳴尾北、今津、浜甲子園、高須西)が廃止対象となっているのか。

  4. 突然の公立幼稚園統廃合案の発表で、市民の反響も大きいと思いますが、現時点でどんな声が寄せられているか。また、「市民参画と共同」を引き合いに出すまでもなく、パブリックコメントで終わりとせず、該当幼稚園の保護者や地域住民に十分説明し、意見を聞くべきだと考えるが、どうとりくむか。