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野口あけみの一般質問
2009年09月07日

住宅用火災警報器の普及促進について


 建物火災による死死者の9割が住宅火災によるもので、そのうち6割が逃げ遅れによるものです。このことから、平成16年消防法が改正され、これに伴い市火災予防条例も平成17年9月、住宅用火災警報器を全世帯に設置することを義務付ける改正がおこなわれました。18年6月1日以降の新築住宅については、確認申請時に設置を確認するという方法がとられ、全戸に設置されていることはほぼ間違いありませんが、問題は既存住宅です。経過措置期間を5年間おき、23年5月31日までに全戸への火災警報器設置を進めることになります。罰則規定のない義務化、ということで事態は簡単ではありません。

 設置場所は寝室として使用する部屋、台所、避難経路となる階段部分となっていますが、すべての部屋に設置すればさらに安心、と、消防局のホームページにはあります。さらにホームページでは天井取り付け式や壁掛け式、熱式など写真付きで、1個5000円から1万円、ねじ留めで簡単に取り付けれる、ガス会社がガス漏れ警報器といっしょにリースすることもある、など具体的に紹介しています。

 市消防局では一生懸命に広報に努めているつもりのようですが、実際には「住宅火災警報器設置が全家庭に義務化されている」ということ自体、なかなか知られていません。身近な数人に聞いてみましたが、「知らない」人がほとんどでした。まして、知ってはいても台所だけでなく、寝室、階段にもつけること、実際につけているという人はありませんでした。
 犠牲者を出さないために住宅用火災警報器100%設置に向け、当局のいっそうの努力が求められます。

<質問>
  1. 条例改正後、消防局としてどんな努力を積み重ねてきたか。

  2. 火災警報器の普及率など普及の状況、とくに犠牲になる確率が高い高齢者世帯の普及状況、についてお聞きします。

  3. 法改正の直後にも独自で警報器を支給する自治体がありましたが、昨年から今年にかけての景気対策の国の交付金事業を活用して給付事業に取り組む自治体も少なくありません。20年10月22日には、消防庁予防課長名で普及促進に地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金を活用せよという通知が出ています。市ではこの通知を受け、検討したか。今後、給付に取り組むつもりはないのか。また、どのようなとりくみで100%設置を目指すのか

  4. 福祉局に聞きます。今市には、65才以上の一人暮らし及び高齢者のみの世帯を対象に火災警報器、自動消火器、電磁調理器などを給付する「西宮市老人日常生活用具給付等事業」があります。これは火災予防条例改正よりずっと以前からあった事業ですが、設置義務化後はこの制度の利用も当然増えてしかるべきだと思いますが、利用実態はどうでしょうか。高齢者との接点が多い介護保険課、高齢福祉課などが、消防局とも連携して、高齢者から犠牲者を出さないように高齢者全世帯への設置に向け、努力協力すべきでないでしょうか。お聞きします。