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2010年度予算要望書
2009年10月19日

総合企画局


  1. 2009年8月30日投開票で行われた衆議院選挙では自公政権が大敗し、歴史的な政権交代がおこり、9月16日民主党、社民党、国民新党の3党連立で鳩山政権が発足した。国民に格差と貧困を広げた「構造改革」路線に、国民がきっぱりとノーの審判を下した結果である。
     山田市長は、「構造改革」路線にのって指定管理者制度など、効率最優先の「行政経営改革」(2004年?08年度)を進め、市民生活や福祉を切り捨てる行政運営を強行してきた。今後は、総選挙結果を尊重し「構造改革」路線と決別すること。そして、生存権を認めた憲法25条や勤労の権利を認めた27条等、西宮市として憲法を市政のすみずみに生かすよう行政姿勢を改めること。
    よって、以下のことを求める。
    1. 民間委託や民営化などは、基本的には経費削減を目的とし、賃金の削減につながり、「安かろう、悪かろう」とワーキングプアを生み出す土壌となっている。行政として、このようなことはやってはならないことである。直ちに方針転換を行なうこと。
    2. 指定管理者制度については、(1)指定期間の満了後も同じ団体が管理者として指定を受けられる保障は全くない、(2)管理者が変更した場合はほとんどの職員が入れ替わってしまう、(3)指定期間が2年?5年程度と短期間で正職員を配置することが困難、(4)人材育成が極めてむずかしくなり、職員に専門性が身につかない等問題点が指摘されている。市の方針は公募を基本とし、数年で事業者が変わり、その度にコストが減額するなど、利用者と従事者にとって不安がつきまとい、「ワーキングプア」の温床ともなっている。現在市直営のものは堅持するとともに、学童保育所などなじまないものについては、直営または非公募に戻すこと。
    3. 「市場化テスト法」が成立し、2007年度から本格的実施となり、戸籍謄本、納税証明書、住民票等の窓口業務などに、国民健康保険の窓口事務や地方税や国保の保険料徴収事務などが新たに追加されている。しかし、これらは、住民のプライバシーにかかわるものであり、民間事業者に任せるべきものではない。公共サービスを切り捨てる「市場化テスト」は導入しないこと。
  2. 西宮市は、2008年度末には321億円の財源不足が生じるとして、第3次行財政改善実施計画(05年度?08年度)を強行した。日本共産党議員団が当初から指摘してきたように、つくられた『財政危機』であったことがあきらかである。しかし、2008年度決算では、基金が140億円になり、その差が461億円にもなった。 
      よって、以下のことを求める。
    1. 10年度以降、市民サービスを切り捨てるような新たな行革は実施しないこと。
    2. 市財政の改善は大幅にすすんでおり、第3次行財政改善実施計画のうち、市民サービスを切下げたものは、直ちに施策を復活させること。
  3. 2009年度から「第4次西宮市総合計画」がスタートしている。国では政権交代が起こり、新政権は2020年度までに温室効果ガスの25%の削減等、様々な事業の見直しを行い始めている。西宮市は、2013年度に「4次総」の中間見直しを行うとしているが情勢に合わない。即刻見直しをすること。
  4. 「西宮市参画と協働の推進に関する条例」が制定されたが、当局でも条例の趣旨が理解されていない。公立幼稚園廃止問題では、保護者や地域の人たちに説明もせず先にパブリックコメントを実施しているが、参画と協働の精神に反している。条例について、市職員に徹底すること。また、市民への啓発とともに、引き続き市民、議会の意見をよく聞き、条例の見直しについても、「5年以内」にこだわらず、必要に応じて実施すること。
  5. 男女共同参画とは、男女の差別なくあらゆる面において男女が平等で、かつ男女の性差にとらわれず、真に男女平等の社会を実現しようというものであり憲法24条に基づくものである。男女共同参画センター(ウェ?ブ)が男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場となるよう次のことを実施すること。
    1. 夜間・休日は外部委託の管理会社職員が対応しているために利用申し込みもできないなど、登録グループ等の活動に支障をきたしている。夜間・休日にも利用申し込みができるよう職員の勤務時間の変更も含めて早急に具体化すること。
    2. 登録グループで企画、運営している講座や講演会(いきいきフェスタ)の予算は1企画あたり2万円程度であまりにも少ない。各グループが十分な活動ができるよう予算を早急に増額すること。また、自主性を尊重し、行政が不当な介入を行なわないこと。
    3. 登録グループ、団体が設置目的に沿って日常的に使用する場合、減免があるとはいえ原則有料となっている。使用料は原則無料とすること。
    4. DVや児童虐待が増えている。また、職場での差別、セクシャルハラスメントなど多種多様な女性の悩みに気軽に相談できるよう夜間にも面接、電話相談できるように早急に職員配置を行なうこと。
  6. 市は第3セクターの経営問題で、経営検討委員会を立ち上げたが非公開としている。全面的に公開すること。
  7. 市民だれもが自由に文化を創造し享受できるよう、以下の施策に取り組むこと。
    1. 市として市内の芸術文化団体を育成、支援すること。
    2. 市民が低廉な料金で文化・芸術の鑑賞ができるよう助成制度をさらに拡充すること。
    3. 他の施設に比べてフレンテ西宮やプレラにしのみやは、ホールの使用料が高いので引き下げること。また映画上映に際しては映写機等の使用料は無料とすること。文教住宅都市であり、市民文化向上の観点からも市内の個人や団体が非営利で文化活動をするときは、減免できるようにすること。
    4. これらのことを実施するためにも、文化振興についての予算を大幅に増額すること。
  8. 9月24日開かれた国連安全保障理事会(15カ国)は、核軍縮をテーマに首脳が出席するという初めてづくしの会合だった。「『核兵器のない世界』に向けた条件を構築すると決意する」とした決議が全会一致で採択された。鳩山首相は「日本は核兵器による攻撃を受けた唯一の国家であり、核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ。それこそが唯一の被爆国としての道義的な責任、日本が非核三原則を堅持することを改めて誓う」と述べている。西宮市は、平和非核都市宣言として昨年25周年を迎えた。憲法9条を守ろうとする国民が過半数を超えるなど、平和を守る声が年々大きくなっている。この機会にあらためて平和行政を推進、アピールするため、以下のことに取り組むこと。
    1. 平和行政を強くアピールするためにも、市役所前公園を“平和公園”と位置づけること。
    2. 平和資料館(川添町)は面積が狭小で十分その機能が果たせていない。移転も含めて早期に拡張すること。それまでの間、日本の近現代史についての関心が大きく高まっている現状からも、戦争に至った経過、日本の加害の事実や戦時下での市民の不自由な暮らしなどがわかるよう展示内容を改善すること。
      また、「核兵器のない世界」の署名用紙を置き、来館者がいつでも署名できるようにすること。
    3. 原水爆禁止西宮市協議会と連携を強めるとともに、補助金も増やし、原水禁大会への派遣を現在の2名を4名にし、さらに大幅に増員すること。
    4. 原水爆禁止世界大会参加の親子バスツアーの参加要件を緩和し、対象者を広げること。
    5. 非核宣言を県に、非核三原則の法制化を国に求めること。市として日本非核宣言自治体協議会や平和市長会議等に加入するなど、全国的、国際的な運動にも積極的に参加すること。来年5月にニューヨークで行われるNPT(核不拡散条約)会議に参加すること。
  9. 被災者再建支援法は、2007年12月に改正され、住宅本体の再建に公的支援が盛り込まれ、自然災害により住宅が全壊するなどして「被災世帯」と認定されれば100万円、建設・購入200万円、補修100万円、賃貸50万円支給と、住宅本体の建て替えや補修が支給の対象となった。そこで、以下の項目に(1)から(3)については国に、(4)は県に要望すること。
    1. 新たな支給となった住宅本体の建築費や補修費などの支給額は低額であり、増額すること。
    2. 生活再建支援の対象にもっぱらその事業を生活の基盤としている中小の店舗や工場等の事業所も加えること。
    3. 被災者生活再建支援金は、当面の生活維持や住宅再建を含む生活基盤回復に最低限必要なものとして、1000万円を上限として支給できるようにすること。また、きびしい所得制限、年齢制限などを撤廃すること。
    4. 居住安定支援制度を補完するものとして兵庫県独自の事業があるが京都府等と比べても金額が少ないので、増額すること。