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2010年度予算要望書
2009年10月19日

総務局


  1. 9月16日に発足した鳩山政権は、子ども手当、高速道路の無料化、公立高校授業料の無償化、生活保護の母子加算の復活などの公約を実現するための財源づくりとして前政権が決定した補正予算の見直しを進めている。また、4年間は消費税の引き上げは行わないとしているが、将来的には、基礎年金の財源に消費税を引き上げようとしており危険な動きは見過ごせない。
      大企業や大金持ちの応分の負担やムダな公共事業、軍事費の削減などを行えば財源は生まれてくる。国民への負担増は認められない。
      このようなもとで、市民生活を守るために、以下、国に強く求めること。
    1. 地方交付税については、制度本来の財源保障・調整機能の充実と、住民福祉を保障するため総額を確保すること。
    2. 社会保障費2,200億円の削減はやめ、直ちに元にもどすこと。福祉や教育など国の責任をあきらかにし、国の補助負担金を増額すること。
    3. 消費税増税はせず、食料品は非課税とすること。
  2. 「2008年度末321億円の財源不足なる」として、市は大宣伝し、「行革」を強行した。しかし、2008年度決算では約17億円の黒字を計上し、基金も約140億円程度の積立となり、2004年の試算より461億円も乖離している。日本共産党議員団が指摘をしたように、支出を多く収入を低く見積もった「つくられた財政危機」だったことは明白となっている。これを教訓とし、今後は、市の財政状況を正確に議会や市民に知らせること。
       市財政については、以下のことを求める。
    1. 財政情報については、普通会計の他、企業会計、公社、第3セクターなど含め、詳細でわかりやすいものを開示すること。特に、総務省通達に基づいて、第3セクターのあり方が問われ、経営検討委員会が設置された。(株)西宮都市管理、(株)鳴尾ウォターワールド、(株)西宮コミュニティ放送、土地開発公社については、詳細な資料を議会に提出すること。
    2. 財政健全化法により、これまで以上に意図的に「財政危機」がつくりだされる可能性が生じる。財政危機をあおり、市民サービスを切り捨てることがないよう、正確な財政状況を示すこと。
    3. 全ての市職員に、正確な財政状況を徹底すること。
  3. 不況が続く中、政府は大企業や大金持ちには減税をしながら、庶民増税を強行し、そのことによる生活苦が生じている。その対策として、以下のことを取り組むこと。
    1. 市独自の市民税減免措置を拡充すること。
    2. 税を軽減するため、障害者控除や寡婦控除など、該当者に対し確定申告を積極的に周知徹底すること。特に、年金から、介護保険料や後期高齢者医療保険料の天引き対象となっている高齢者で、税の軽減対象になる人には、確定申告を促すよう文書を送付すること。
    3. 10月から、65歳以上の公的年金から市民税の天引きが実施されることになったが、国に対して直ちに中止を申し入れること。
  4. 高利率地方債の借り換え(利下げ)および、地方債残高の償還期限の延長等、条件変更について可能となるよう法令の改正を国に要望すること。
  5. 固定資産税について、不況が続く中、税の負担に苦しんでいる市民に、以下のことを実施すること。
    1. 固定資産税を引き下げること。さらに、減免制度を拡充すること。
    2. 戸建住宅であれば、私道でも固定資産税減免の制度がある。一方、分譲マンション内の同様の通路には適用がなく不公平な扱いとなっている。公道につながる敷地内通路を公衆用道路あつかいとし、免除対象とするなど課税の見直しを行なうこと。
  6. 西宮市は都市基盤整備が成熟した街といえる。都市計画税については、負担軽減へ税率の見直しを行うこと。
  7. 市発注の公共事業は、市民生活の向上と地元中小零細企業の育成の観点からも生活密着型に切り替え、以下の施策にとりくむこと。
    1. 工事の指名競争入札参加資格が経営事項審査結果通知書の総合評点にもとづいて行なわれるようになったが、特に中小企業については市内に本店を有する市内業者を優先すること。
    2. 公共工事、物品購入、委託等については、分離分割発注し、市内中小業者を優先すること。
    3. 特定業者との癒着につながりやすく、受注の独占化になりかねない一括単価契約はやめること。
    4. 工事の元請け業者が下請け業者をつかう場合には、「公共工事適正化法」及び付帯決議にもとづき、元請、下請けの契約書と支払い領収書の提出を引き続き元請けに求めること。
    5. 市発注の一定金額以下の工事等に、市の競争入札参加資格のない市内業者に直接発注する「小規模工事等契約希望者登録制度」がある。しかし、市からの発注数そのものが少なく、制度を生かし切れていない。制度の活用を広く庁内に徹底し、市全体として、中小業者の仕事づくりを進めること。また、金額については、09年4月より所管課契約の金額を50万円未満に引き上げられた。さらに150万円未満に引き上げること。
  8. 公共事業において、「安かろう、悪かろう」や「ワーキングプア」を作り出してはならない。公共工事・サービスの質の向上と従事労働者の適正賃金など処遇の改善が求められており、千葉県野田市では9月議会で全国初の公契約条例が、全会一致で採択された。市でも公契約ルールの確立をはからなければならない。以下のことに取り組むこと。
    1. 市からの工事、管理、委託などすべての受注業者に対して労働組合法など労働三法を契約書に明記し、遵守するよう周知徹底するとともに点検すること。
    2. 入札について、簡易総合評価方式が導入されている。労働者の賃金・労働条件を保障する「評価基準」を設けた総合評価型入札制度を導入すること。
    3. 高齢者や障害者を多く雇用している事業者との契約については、雇用確保の観点から、一定配慮すること。
    4. 公契約条例について、今年中にプロジェクトチームを作って研究を始めるとしている。早期に条例制定すること。
  9. 西宮市は、2008年4月1日の中核市への移行により、県より600以上の事務委任がされており、そのために、正規職員が13人増員されたが、健康増進課、障害福祉課等で超過勤務が増え、市全体でも超過勤務が増えている。福祉・暮らしや教育などの市民サービスに支障をきたしてはならない。「全体の奉仕者」として住民サービスを担うという観点から、職員を増員すること。
     また、嘱託調理員、嘱託介助員、嘱託看護師、老人ホーム嘱託職員、嘱託司書などの常勤的非常勤職員は、労働時間数に違いがあるだけで労務内容は正規職員となんら変わりがない。待遇は正規職員と均等にすること。特に、給与面では、兼業の必要がないよう、生活の成り立つ額に改善すること。
  10. 土地開発公社がかかえている土地は、2009年3月末時点で、1万9,671?、取得金額43億7,200万円(甲子園浜下水道用地5万5941?、50億9070万円を除く)となっており、いわゆる“塩漬け土地”が今なお相当残っている。市では保育所や特養などが不足している。市民に役立つ施設の用地に活用するなど、早期に対策を取ること。
  11. 職員人事について
    1. 職員の能力や指導力に応じた適材、適所で公平、公正に行なうこと。また、労働組合活動を理由とした昇進、配置などの差別は絶対行なわないこと。
    2. 2009年4月1日現在で、西宮市の事務職員における女性の比率は25.6%となっている。係長級以上の管理職での女性の占める割合は15.8%で、前年より3.4ポイント上昇しているが、極めて低い。特に上級の管理職をふやせるよう環境作りや女性管理職の育成などに取り組み、積極的に登用すること。
    3. 障害のある人の雇用を広げすすめること。特に視力障害者の採用についてはまったく積極性にかけている。早急に職域の開発を行うこと。
    4. すべての職員に、研修の機会を均等とすること。
    5. 今後も団塊の世代が定年退職をむかえる。なかでも管理職の相当数が退職することになるので、特に技術職などの人材育成を早急に進め、市民サービスに影響が出ないようにすること。
    6. 職員の在職死亡や長期にわたる病気休業が見受けられる。特に、メンタルケア
      の必要なケースも多い。職場環境の点検を行なうとともに、人的配置や人事管理を適正に行なうこと。また、職場への復帰支援も十分におこなうこと。
  12. 市施設について
    1. 耐震診断を含め、全ての市の建物について、耐震化を早期にはかること
    2. エレベーターの設置をはじめ、スロープや手すりの設置など、全ての施設のバリアフリー化を早急に取り組むこと。
    3. 市役所庁舎の北東の出入り口(国保、年金等の窓口の近く)は、一階では唯一自動ドア未設置となっている。直ちに改善すること。
    4. 昨年、「庁舎管理規則」が制定されたが、市民を排除する厳しいものとなっている。市民に対して強権的とならないよう、柔軟に運用すること。
    5. 東館公共駐車場について、市役所利用者は現行30分無料だが、時間が短すぎる。1時間無料とすること。