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まつお正秀の一般質問
2009年12月11日

生活保護行政について


この間、NHKでセーフティネットクライシスという特集番組が放映されています、先日はその第3回目が放映され、子どもの格差と貧困問題の具体例として、東大阪の高校の先生が学費を払えない生徒にアルバイトを勧めるという場面の映像にショックを受けました。昨年の5月に放映されたこの番組の第一回目では、日本のセーフティネットといわれる制度である、健康保険、介護保険、年金、生活保護の4つの角度から、それぞれが機能を果たさなくなっている現状を告発していました。特にセーフティネットの最後の砦といわれる生活保護行政のあり方が今大きく問われているところです。日本では11年連続で自殺者が3万人に上っており、そのうちの4割が経済苦によるものだといわれています。また、昨年のリーマンショックを引き金にした金融危機によって、首都東京のど真ん中にまで派遣村ができてマスコミの注目を集めました。他の先進資本主義国では見られない事態が日本では発生し、住宅を失った人達に対する生活保護行政のあり方について、この3月議会の代表質問でわが党の野口あけみ市会議員が当局のあり方を質しましたが、その後も景気は悪化しており、最近の円高とともに、今年の年末には昨年を上回るような派遣村が現れる可能性すら出てきている中で、生活保護相談窓口の充実が求められています。

生活保護の申請をされるまでにはそこにいたる理由や経過がありますから、深刻な状況になるまでに色々なシグナルが出てきているはずです。たとえば、国民健康保険料の滞納や市営住宅の家賃滞納、また、多重債務相談者などはその例ではないかと思います。しかし、現実は行政の縦割りによって国民健康保険料や多重債務は市民局、市営住宅の家賃は都市局、生活保護は健康福祉局とバラバラになっている為に、その連携がうまく行われていない側面があるようにも感じられます。また、生活保護法の趣旨での運用に疑問を持たざるを得ないような対応があるということも聞きます。たとえば少しでも預金があれば追い返す、生命保険を解約してから又来なさいなど、その人の置かれている現状を正しくつかみ、その人に何が優先的に求められているのかの対策を講じる、あるいはアドバイスするという業務がきちんと行われていないのではないでしょうか。

その理由のひとつとしてケースワーカーの人員不足があると思います。その例として、大阪市では配置基準を高齢者は350人に対して一人にし、一般の方は70人に一人と、就職活動などの支援が必要な人への対応に力を入れるという体制を組んでいますが、決定的なのはマンパワーの不足であります。サンケイ新聞11月30日付の夕刊では、大阪市が来年度の採用に向けて100人のケースワーカーを募集すると報じていますが、この問題とともにケースワーカーが短期間で人事異動になったり、人手不足を解消するために経験の浅い人が多数配置されるケースも多いなど、経験を蓄積できにくい体制になっていることも全国的な問題になっています。さらに、最近は不況の影響で申請者がたくさん来られるので待ち時間も長くなっていることと、面接する場所も手狭で部屋の数も足りないという問題も指摘をしておかなければなりません。

<質問>

  1. この一年間で生活保護の窓口に相談に来られた人数とともに、生活保護の申請を受け付けた数と認定した人との比率について伺います。
  2. 本市では現在のケースワーカーの配置基準に対する充足率はどのような数値になっているか
  3. この間のケースワーカーの経験年数の平均数値はどのようになっているか。また社会福祉士は何人配置されているか。
  4. 厚生課でワンストップサービス窓口にすべきだと思いますがいかがでしょうか。
  5. 面接室については部屋を増やすあるいは部屋のゆとりを持たすなどの改善をすべきと思うがどうか。