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上田さち子の代表質問
2010年03月01日

財政について


 2010年度西宮市行政方針で山田市長は、昨年8月の総選挙結果による「歴史的な政権交代は、地方自治体の運営に大きな影響を及ぼすものです。地域主権改革をはじめとする今後の取り組みに注視しつつも、本市のまちづくりの基本的な方向は堅持してまいります」と述べられました。

 総選挙では、長年続いた自公政権による、弱者切り捨ての「構造改革路線」が批判を受け、暮らしや雇用を守る政治への転換を願った国民が、政権交代を実現させました。

 ところがいま、公約としてきた「後期高齢者医療保険制度の廃止」は先送り、「労働者派遣法の抜本改正」は、常用型派遣が「禁止の例外」とされるなど抜け穴だらけ等々に加え、鳩山首相自身の政治資金や小沢民主党幹事長の「政治と金」をめぐる問題、沖縄の基地問題等々で右往左往の状況となり、政権交代を実現させて、期待をしていた国民が「こんなはずではなかった」と、愛想づかしを始める事態となっています。

 しかしこの間も、国民を取り巻く深刻な不況は、くらしそのものを破壊し続けており、「政治を変えたい」との思いは一層大きくなってきているといわなければならず、山田市長にはこの声に真摯に向き合い、くらし最優先にリーダーシップを発揮されるよう、最初に求めておきたいと思います。

 さて2010年度は、前年度比2.1%増の2757億9200万円の予算案で、「子ども手当」関連経費が伸びの大きな要因となっています。歳出では昨年の市長選挙直後のばらまいた予算と打って変わり、民生費中心の予算になっています。内容は (1)昨年より中学3年生までの子ども医療費無料化が実施され、今年7月からは通院費も無料となること、待機児童対策として新たに4か所の保育所開設や、賃貸物件活用での受け皿づくりなどの予算、学童保育所の時間延長など子育て支援 (2)特別養護老人ホーム200床の新設など、高齢者対策 (3)地球温暖化対策として太陽光パネル設置の戸建住宅に対し10万円の助成措置の決定 (4)バリアフリー化の要望も大きい、阪神甲子園駅周辺整備と、不要不急事業である阪神西宮駅北側駅前広場整備事業の予算が消えたことなどが反映されたものです。

 民主党政権の目玉である「子ども手当」や「高校授業料無償化」については、財源問題などが国会で論議の真っ最中ですが、財源が足りないからと、扶養控除などの廃止による増税や、消費税増税などを庶民に押しつけたり、あるいは、地方自治体に負担を押し付けたりと問題が山積しており、手放しで喜べるものではありません。

 一方歳入では、不況の影響で市税収入が約30億円の減となっているものの、地方交付税と臨時財政対策債の合計で143億円と、前年度に比し22億円の増、さらに基金の取り崩しは49億円で、次年度以降に30億円を残すゆとりもあります。一般財源が今年も1078億円と、全体として、危なげない予算案となっています。
これらを前提に、以下質問を行います。
 
<質問>

  1. 「西宮市の財政を考える?-2」では、2013年度末実質収支は98億8000万円の財源不足としていますが、2009年度からの、今後5年間の決算剰余金は約100億円見込まれます。ムダな開発など排除すれば、市の堅実な収入構造を勘案すると、財源不足は優に解消され、反対に黒字計上で見通しは明るいと思いますが、見解を聞きます。
  2. 民主党政権は「子ども手当」や「高校授業料無償化」実施による財源不足の解消として、所得税や住民税の扶養控除の廃止、特定扶養控除の縮減を強行しようとしています。これにより、市民は増税となるだけでなく、国民健康保険料や保育所保育料、市営住宅使用料などにはねかえり、大変な負担増となってしまいます。この点についての市の見解と対策についてお聞きします。
  3. 多くの行政課題を解決していくためには、財源確保を図らなければなりません。「子ども手当」では、市への私立幼稚園就園奨励金の国庫補助金が減額されたり、高校授業料無償化実施では、市独自で実施している授業料免除措置相当額は、国からの交付金で減額調整されると聞いています。本来であれば、新政権の新施策であることから、責任をもって地方に100%財源措置すべきものです。これらの本市の影響額はどうか。
  4. 盤滝トンネル有料道路事業に関して質問します。これは西宮市の南部と北部を結ぶトンネル整備で、兵庫県道路公社が昭和62年から4カ年で実施した事業です。このとき、有料道路事業費81億円の15%、12億1500万円を西宮市が貸し付けました。貸し付け条件は無利子で、料金徴収期間満了の日に一括償還となっています。ところが、平成12年度から南伸計画が追加されたとして、引き続き料金徴収がされ、いまだに償還が実現していません。財政確保という点からも直ちに償還を求め、同時に利用者の大きな負担となっている通行料を廃止し、無料とすべきです。答弁を求めます。