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野口あけみの一般質問
2010年03月03日

西宮市立幼稚園教育振興プラン(素案)の再検討について


 2011年(平成23年)度からの公立幼稚園6園の廃園=統廃合計画を含む「西宮市立幼稚園教育振興プラン(素案)」は市民の大きな批判反発を呼びました。

 このたび、市教育委員会はパブリックコメントや議会の意見、陳情などを踏まえ、「成案作成は困難」としてプラン素案を再検討することにしましたが、この判断は当然のことです。
教育委員会は新年度に、健康福祉局とともに外部委員を含めた検討委員会もしくは審議会を設置し、幼児教育全体の視点に立った仮称「西宮の幼児教育のあり方」の策定に着手する、この中で「公立幼稚園振興プラン(素案)」も並行して、少なくとも1年以上かけて再検討するとしています。

 検討委員会もしくは審議会での検討課題は2月10日の市民文教常任委員会でもいくつか挙げられています。公私の保育料負担格差、市立幼稚園の複数学級編成、3年保育、預かり保育、認定子ども園、施設の有効活用などです。幼児教育全体を視野に、福祉局とも連携するとなれば、当然その他の課題、たとえば、保育所待機児童解消や児童虐待などもあげられると思います。幼稚園教育に関しては、公私問わず園の適正規模も課題の一つに挙げるべきです。多岐にわたる課題があり、その課題もお互いに関連しています。「あり方」を「策定」するとのことですから、具体的施策も示される、その際には次世代育成支援行動計画との整合も図る必要があります。

 いづれにしても「幼児教育のあり方」という大きなテーマで検討されるのですから、まずしっかりと現状や実態、市民のニーズを把握し、課題を整理して、日本国憲法や子どもの権利条約の原理に立脚し、一人ひとりの子どもたちの主権者としての人格の完成をめざし、「こどもにとって何が一番いいか、最善の利益」を保証するものにしていただきたいと思います。これは要望しておきます。

 さて、昨年8月から9月にかけておこなわれたパブリックコメントには約1万5000人、2万2000件以上の意見が寄せられその概要は12月議会で報告されています。
また、パブリックコメント以外にも、廃園とされた幼稚園の父母のみなさんが地域団体の方々とともに、PTA協議会、などなどたくさんの要望書が届いたと聞いています。市主催の「タウンミーティング」でも市の意に反して「地域から幼稚園をなくすな」と幼稚園廃園問題が大論議になり、ある青愛協会長さんは「これは幼稚園教育振興プランではなく衰退プランだ」と情報誌上で明言しておられます。

 教育委員会は市民の意見を踏まえて「素案を再検討する」としているのですから、こうした意見をどう踏まえているかが問われています。

<質問>

  1. 「西宮市立幼稚園教育振興プラン(素案)」の再検討はどのように行うか。
  2. 市民の意見で多かったのは、「公私間格差の是正」=「就園奨励金の増額」です。私たちは、教育のすべての段階での教育費負担の軽減・無償化がめざされなければならないと考えます。「あり方」検討の中で「公私の保育料負担格差については方針を明確化していく」としているが、その真意は何か。
  3. 市民の圧倒的な意見は「公立幼稚園を統廃合して欲しくない」です。この声にこたえるべきです。6園統廃合については撤回すべきでないか。