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佐藤みち子の一般質問
2010年03月05日

保育所待機児童解消について


 2010年3月1日現在の保育所待機児童数は963人になっています。「子育てするなら西宮」の看板に偽りありというような大変な事態です。今年の4月には、保育所の新増設で225人の定員枠が増えますが、4月の待機児童数は、2009年4月の223人を上回ると予想されているところです。

 国は、2008年?2010年度の期間限定で安心子ども基金を創設しています。総額国費で2500億円の予算規模でしたが、さらに2009年度第2次補正予算で、待機児童の解消のため、小規模な認可保育所(分園等)の設置に係る施設整備、賃貸料、改修費、家庭的保育の実施場所の改修費や賃貸料の補助率の引き上げ等、予算を200億円追加しました。市でも今年度、安心子ども基金を使って、民間保育所建設補助事業に4億4760万円。賃貸物件による保育所整備補助事業に4875万円の予算額となっています。2011年は津門川町、浜町、他2か所に保育所新設が予定されていますが、待機児童解消には、ほど遠い実態です。

 そんな中、民主党政権は、4月から認可保育所の定員を超えて子どもを受け入れられる上限を撤廃することを決め、2月17日付で各都道府県に通知しました。保育所の定員を超えた子どもの受け入れは「待機児童の解消」という名目で1999年に認められました。年度当初は定員の115%、年度途中は125%までの範囲で子どもの詰め込みを認めてきました。今回の通知で115%、125%という上限を取り払います。

 自民・公明政権は保育所を新設するなどの待機児童解消の抜本的対策をとらず、詰め込み保育で対応してきましたが、認可保育所でも事故が増えるなど、子どもの安全・安心が守られていません。「保育所に入りたい」という保護者の願いは切実です。保護者たちは、認可保育園なら安全で、子どものためにもいいと信じて入園を希望しているわけですが、これではますます保育の質が保証されなくなります。待機児童をここまで増やしたのは、保育所を新設するなどの抜本的な対策を打たずに子どもの詰め込みで対応してきた結果です。国はそのことを反省し、まず保育所を増やして、整備を進めていく方向に改めるべきです。このことについては、市からも国に対して強く要望していただきたいと思います。
 
<質問>

  1. 保育所の待機児童数が2月1日現在で854人になっています。今年4月、新たに225人の入所枠が増えます。代表質問では、4月の待機児童数は、昨年の223人を上回ると答弁されていますが、4月の待機児童数は何人になる見込みか。お聞きします。
    市長は人口増に対して街に活気がでると手放しで喜んでいましたが、小・中学校は教室不足、保育所待機児童は年々増え続けるなど、子どもに犠牲を強いることになっています。この事態をどのように考えているのでしょうか。見解をお聞きします。
  2. 2011年度には市有地を活用して、津門川町に認可保育園が新設開園されますが、市有地を活用しての他の保育所整備計画はどうなっているのか。また、2011年以降の市有地を活用しての保育所整備計画についてもお聞きします。
  3. 2010年度は安心子ども基金を活用し、賃貸物件を活用しての保育所整備事業の予算4875万円が計上され、2010年度中に開園をめざすとしていますが、入所人数は何人か、開園はいつになるのかお聞きします。また、安心子ども基金は2010年度で終わりますが、さらに延長するように国に要望すべきではないでしょうか。見解をお聞きします。
  4. 安心子ども基金でも、公共施設を活用して分園設置の促進が言われています。厚生労働省が通知している「保育所分園の設置運営要綱」で、設置経営主体として、本体となる保育所を設置経営する地方公共団体、社会福祉法人等となっています。東京都では、公立の分園を整備している区もありますが、待機児童解消のために、市でも公共施設を活用して、公立保育所の分園整備はできないか。お聞きします。
  5. 厚生労働省から弾力運用の上限を撤廃することを決め、各都道府県に通知したとしていますが、現在のすし詰め状態がさらに悪化する恐れがあります。市としての考えをお聞きします。