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2011年度予算要望書
2010年08月26日

総合企画局


  1. 社民党、国民新党の3党連立で鳩山政権が発足したが、後期高齢者医療制度の廃止は先送り、沖縄普天間基地の問題、政治とカネの問題等の公約破りで国民の期待を裏切り、わずか8カ月で鳩山首相が退陣した。さらに、7月に行われた参議院選挙でも民主党が惨敗し衆参ねじれ国会となった。国民は民主には期待外れ、自民にも戻りたくないと、政治への模索が続いている。民主党政権は、地方との関係では地域主権改革と称して、国から地方、官から民へと規制緩和を強行しようとしている。
    市長は、所信表明でこれまでも、指定管理者制度、PFI、民間委託など様々な手法により民間活力を用いてきたをあげ、今後もPFIなど対象範囲を拡大し、さらに民間活力で市民満足度の向上を図るとしているが、今後は、生存権を認めた憲法25条や勤労の権利を認めた27条等、西宮市として憲法を市政のすみずみに生かすよう行政姿勢を改めるべきである。
    よって、以下のことを求める。
    1. 業務の民間委託や民営化などは、経費削減を目的としているため、労働者の賃金削減につながり、官製ワーキングプアを生み出している。行政として、このようなことはあってはならないことである。直ちに見直すこと。

    2. 指定管理者制度については、安上がりを最大の目的にしている。(1)指定期間の満了後も同じ団体が管理者として指定を受けられる保障は全くない、(2)管理者が変更した場合はほとんどの職員が入れ替わってしまう、(3)指定期間が2年?5年程度と短期間で正職員を配置することが困難、(4)人材育成が極めてむずかしくなり、職員に専門性が身につかない等、問題点が指摘されている。市の方針は公募を基本としているが、学童保育所など人を対象とする事業は、指定管理者制度はなじまない、非公募とすること。
      また、指定管理の従事者については、市が責任をもって実態調査をすること。

    3. 「市場化テスト法」が成立し全国に広がっている。戸籍謄本、納税証明書、住民票等の窓口業務などに、国民健康保険の窓口事務や地方税や国保の保険料徴収事務などが新たに追加されている。しかし、これらは、住民のプライバシーにかかわるものであり、民間事業者に任せるべきものではない。公共サービスを切り捨てる「市場化テスト」は導入しないこと。

  2. 市は、市民及び専門家の目線を加え、透明性を高めた事業点検を行う「西宮方式の事業仕分け」を2011年度はモデル的に実施し、事業の再構築、職員の意識改革につなげるとしているが、市民サービスを切り捨てることにつながるような「事業仕分け」は行わないこと。

  3. 2009年度から「第4次総合計画」がスタートしているが、すでに財政計画が破綻をしている。市は2013年度に「4次総」の中間見直しを行うとしているが、市長が変わり行政方針も変わっている。根本的に見直すこと。

  4. 「西宮市参画と協働の推進に関する条例」が制定されたが、市政全般に生かされていない。条例について市職員に徹底しさらに市民への啓発を行うこと。

  5. 男女共同参画社会とは憲法24条に基づき、男女が対等なパートナーとして社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が保障されるとともに、性別にとらわれることなく、政治的、経済的、社会的および文化的利益を受けることができ、かつともに責任を分かち合える社会を指している。男女共同参画センター(ウェ?ブ)は開館10年を迎えたが、さらに、男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場となるよう次のことを実施するべきである。
    1. 男女が協力して働き続けられるよう育児休業、介護休業、保育制度の充実を望む声が圧倒的に多くなっている。市の保育所待機児童は8月1日現在で503人という大変な状況になっている。健康福祉局まかせでなく、全庁あげて待機児童対策に取り組むこと。

    2. 夜間・休日は外部委託の管理会社職員が対応しているために利用申し込みもできないなど、登録グループ等の活動に支障をきたしている。夜間・休日にも利用申し込みができるよう職員の勤務時間の変更も含めて早急に具体化すること。

    3. 登録グループで企画、運営している講座や講演会(いきいきフェスタ)の予算は1企画あたり2万円程度であまりにも少ない。早急に増額すること。

    4. 登録グループ、団体が設置目的に沿って日常的に使用する場合、減免があるとはいえ原則有料となっている。使用料は原則無料とすること。

    5. DVや児童虐待が増えている。また、職場での差別、セクシャルハラスメントなど複雑な問題に対応するには、専門職の力量が必要である。昼・夜とも電話相談に対応できる正規職員の配置を行なうこと。

    6. 男性・女性問題、男女共同参画に関する図書等を充実させること。

  6. 市民だれもが自由に文化を創造し享受できるよう、以下の施策に取り組むべきである。
    1. 市として市内の芸術文化団体を育成、支援すること。

    2. 市民が低廉な料金で文化・芸術の鑑賞ができるよう助成制度をさらに拡充すること。

    3. フレンテ西宮やプレラにしのみやは、ホールの使用料が高いので引き下げること。また映画上映に際しては映写機等の使用料は無料とすること。文教住宅都市であり、市民文化向上の観点からも市内の個人や団体が非営利で文化活動をするときは、減免できるようにすること。

    4. これらのことを実施するためにも、文化振興についての予算を大幅に増額すること。

  7. 5月に国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれ、全会一致で採択された最終文章で「核兵器の完全廃絶にむけた具体的措置を含む核軍備撤廃」に関する「行動計画」にとりくむことで合意した。とりわけ核兵器保有国にたいし、核兵器廃絶への「いっそうのとりくみ」「具体的な進展」を求めている。これらの確認は核兵器廃絶の重要な1歩になっている。西宮市は、県下で一早く平和非核都市宣言をし、今年8月1日付で平和市長会議に加盟するなど平和行政を推進している。
    以下のことに取り組むこと。
    1. 8月1日付で「平和市長会議」に加盟したことを広く市民にアピールし、これを機会に市役所前公園を“平和公園”と位置づけること。

    2. 平和資料館(川添町)は面積が狭小でその機能が果たせていない。移転も含めて早期に拡張すること。展示内容については、日本の近現代史についての関心が大きく高まっている現状からも、戦争に至った経過、日本の加害の事実や戦時下での市民の不自由な暮らしなどが小・中学生にわかるよう改善すること。
      また、世界的にも核兵器廃絶の機運が高まり、市も平和市長会議に加盟したこともあり、「核兵器のない世界を」の署名用紙を置き、来館者がいつでも署名できるようにすること。

    3. 原水爆禁止西宮市協議会と連携を強めるとともに、補助金も増やし、原水禁大会への派遣を大幅に増員すること。

    4. 非核宣言を県に、非核三原則の法制化を国に求めること。市として日本非核宣言自治体協議会に加入すること。

  8. 昨年は、佐用町で集中豪雨が発生するなど自然災害はいつおこるかわからない。被災者再建支援法は、住宅本体の再建に公的支援が盛り込まれ、自然災害により住宅が全壊するなどして「被災世帯」と認定されれば100万円、建設・購入200万円、補修100万円、賃貸50万円支給と、住宅本体の建て替えや補修が支給の対象となった。そこで、以下の項目に(1)から(3)については国に、(4)は県に要望すること。
    1. 住宅本体の建築費や補修費などの支給額は低額であり、増額すること。

    2. 生活再建支援の対象に、その事業を生活の基盤としている中小の店舗や工場等の事業所も加えること。

    3. 被災者生活再建支援金は、当面の生活維持や住宅再建を含む生活基盤回復に最低限必要なものとして、1000万円を上限として支給できるようにすること。また、きびしい所得制限、年齢制限などを撤廃すること。

    4. 居住安定支援制度を補完するものとして兵庫県独自の事業があるが京都府等と比べても金額が少ないので増額すること。

  9. 2011年7月で地上デジタル放送に変わりアナログ放送が終了するが、市でも独居高齢者、高齢者世帯等「テレビ難民」になる人が出てくると思われる。「相談窓口」を国任せにせず、市に地上デジタル放送に関する「相談窓口」を設置すること。