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2011年度予算要望書
2010年08月26日

市民局


  1. 本庁窓口業務および証明書発行業務について
    1. 本庁窓口業務におけるワンストップサービスの充実が進められているが、死亡届けなどを含めてさらに範囲を拡大し、市民サービスの向上を図ること。

    2. 住民基本台帳ネットワークは、個人情報保護にたいして不安が多く残されている。拡大、推進に当たっては、個人情報保護を最優先にしながら慎重にすすめること。とくに、今後拡大される「コンビニにおける住民票の写し等の交付」について、個人情報管理の上で問題が起こらないよう、厳格、慎重に対応すること。

  2. 地域の集会施設について
    1. 地区市民館は、障害者なども含めて誰もが使いやすい施設となるよう改善を進めること。また、甲陽園、八ツ松市民館ではトイレが男女共用となっている。これらも改善すること。

    2. 地区市民館では、甲陽園市民館の日曜日開館の要望がある。開館日と開館時間を、地元との話し合いを重視しながら、全市同一基準で運営されるよう、市当局のイニシアチブを発揮すること。

    3. 葬儀もできる地域集会所の設置要望は強い。現在14団体が、設置の要望を出しながら、多額の自己資金を確保しなければならないという補助要件が満たせないために、要望が実現されない。また、たとえ要件を満たしていたとしても、予算が少ないため、すみやかに設置されない。補助要件を緩和するとともに予算を増額すること。

  3. 労働問題とセーフティネットの体制強化について
    1. 労働法制のあいつぐ改悪により、高い失業率、「派遣切り」の横行など雇用情勢は、ますます深刻の度を深めている。そういうなかで、「人間らしい労働」、「雇用は正社員があたりまえ」の社会を求める国民の世論と運動はひろがり、労働者派遣法の抜本改正など、労働法制の強化が迫られている。しかし、民主党政権は、この国民の要求を無視し、労働者派遣法の改正において、製造業派遣と登録型派遣の原則禁止を空洞化させている。市は、国に対して、労働者派遣法の改正にあたっては、抜け穴のない製造業派遣と登録型派遣の原則禁止、派遣労働者の保護をもりこんだ改正法となるよう抜本的な改正を求めること。

    2. 失業者に対するさまざまなセーフティネットが有効に働いていないという重大問題が起こっている。そこには、制度の複雑性と、制度が知られていない問題がある。この状況を解決するために、労働問題にも対応できる総合的な相談窓口の設置が求められる。このほど、市において「福祉連携担当者」が設置されたが、政府関係機関などとも連携しながら、労働問題にも対応できる相談窓口を設置すること。

    3. 市としてのさまざまな就労支援活動を強化すること。

  4. 中小企業勤労者福祉共済は、市内で事業を行っている常用従業員が300人以下の事業所を対象にパートタイマーも加入できるようになっているが、未加入事業所が多く残されている。300人超の事業所についてもパートタイマーについては加入できるようにすること。また、市の予算を引き上げ、共済事業の内容を魅力あるものにし加入を促進すること。

  5. 勤労会館、青少年ホーム、サンアビリティーズの3施設は、直営を堅持するとともに、受付を一元化すること。

  6. 消費者行政について
    消費者被害が複雑、多様化し、その解決が迫られるなかで、この間、国民の声が消費者問題に関連する法令等の整備に反映し、市でもとりくみが強化されてきた。しかし、悪徳業者の手口が一段と巧妙になるなど消費者環境は依然として深刻な状況にある。よって、次の点について取り組みを強化するよう要望する。
    1. 消費生活センターそのものについての広報活動を強化するとともに、一般の啓蒙活動の強化はもちろんのこと、教育委員会とも連携し、学校教育のなかでも学習できるよう、啓蒙活動を強化すること。とくに、高校教育のなかで、多重債務問題の学習や各種セーフティネット案内など、実施できるように働きかけること

    2. 相談内容の複雑化や多様化、さらに、関係法令のさまざまな改定により、窓口業務と相談員の業務が量においても質においても増大している。消費者環境が悪化しているという客観状況に対応できるよう相談員を増やすなど、体制をいっそう強化すること。

    3. 改正貸金業法が完全実施されたなかで、多重債務問題は新たな段階を迎えている。自治体でも、この変化に応じた、多重債務問題へのとりくみの拡充が求められている。市では、独自の相談窓口や「対策協議会」が設置されているが、とくに、公共料金の徴収や各種相談をつうじての多重債務者の発見を重視し、各部局との連携を強化し、問題解決にその機能を十分発揮できるようにすること。

  7. 第3次『行革』で廃止した障害者や母子家庭・父子家庭・遺児らに給付されていた市民福祉金は、該当者の生活を支える貴重な制度である。復活させること。

  8. 医療保険制度がある諸国では、窓口負担がない(無料)のが当然となっている。国の制度として、少なくとも75歳以上の高齢者と、中学校卒業までの子どもの医療費負担を無料化するよう求めること。また、県に対しても、同様のことを要求すること。

  9. 福祉医療費の助成制度について
    1. 2009年7月から改悪された県の福祉医療助成制度を、改悪前の元に戻すよう県に求めること。

    2. 市が実施している中学3年生までの子ども(乳幼児等)医療助成制度は、所得制限をなくすこと。

    3. 75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を無料にするための福祉医療助成制度を市として創設すること。

    4. 老人医療費助成制度は、一部負担額が限度額を超えると申請により払い戻され高額償還払いとなっている。限度額を超える部分について、窓口での支払いを不要とする受領委任払い制度について、医療機関の協力も求めて実施すること。

  10. 後期高齢者医療制度について
    後期高齢者医療制度の廃止が2013年へと先延ばしにされ、しかも、廃止後の新制度では医療制度の年齢差別を65歳へと拡大する内容となっている。後期高齢者医療制度はただちに廃止するよう国に求めるとともに、後期高齢者医療制度が廃止され、一旦、旧老人医保建制度に戻したあと、新しい高齢者医療制度を創設する際には、高齢者が安心して医療にかかれる制度となるよう、市民の意見・要望や担当者からの意見等も集約し、国に届けること。

  11. 国民健康保険制度について
    国保財政の困難は、国が果たすべき責任を縮小、放棄してきたために起きている問題である。政府は、その責任をいっそう縮小するために、国保の広域化を推進しようとしている。この方向に進んだら、国民の負担がますます増えてゆき、制度そのものの存続が危ぶまれることになる。誰もが安心して医療にかかれる国民健康保険制度をめざし、以下のことに取り組むこと。
    1. この間減らされている国民健康保険への国の補助率を元に戻すよう働きかけるとともに、他府県と比較しても少ない県の補助金を増額するよう求めること。

    2. 国民健康保険料は、住民要求を受け入れ、2008年度から3年間、年間2億5000万円の一般会計からの繰り入れなどで一定程度抑制されている。また、2011年度以後の一般会計からの繰り入れについての議会でのわが党の質問にたいして、国保料については引き続き抑制に努めるとの新市長の答弁を得ている。いまの国保料は、抑制されたとはいえ依然として高く、よりいっそうの引き下げが求められている。保険料抑制及び減免拡充のための一般会計からの繰り入れを継続するとともに、「払える保険料」まで引き下げることをめざして、繰入額を増額すること。

    3. 現在の保険料賦課計算は未収分が上乗せされて保険料が決定されている。未収分は市の責任であり、その分は一般会計からの繰り入れで補てんすること。

    4. 保険料の減免制度を以下のように拡充すること。
      1. 所得激減減免を前年所得金額の5割以下から7割以下とすること。

      2. 09年度から低所得者の保険料について、所得の2割を超えた分の4分の1を減免することにしたが、所得の2割を超えた分については全額減免とすること。

    5. 窓口一部負担金の減免制度は利用しやすいよう条件を緩和し、さらに周知徹底を図ること。

    6. 総合健康診断(人間ドック)の受診費用に対する助成対象から排除されている分納誓約履行者にたいしても、助成対象とすること。また、現在、中央病院、健康開発センター、北口保健福祉センターの健診に限定されている助成対象を、それ以外の医療機関にも拡大すること。

  12. 75歳以上の総合健康診断(人間ドック)受診費用に対する助成制度を創設すること。

  13. 地域経済の活性化と中小零細企業(業者)対策について
    1. 県において「大規模集客施設の立地にかかる都市機能の調和に関する条例」が施行されているが十分とは言えない。国や県に対して商業調整ができるよう、大規模店舗立地法の抜本改正を求めること。

    2. 商業施設の開発についての「要綱」がつくられたが、用途地域によれば事実上床面積で青天井を許すような内容となっている。これは都市計画の特別用途地域とも整合性がなく、市内の商業育成につながらない。ららぽーと、阪急ガーデンズなど市内各地で大型商業施設が出店し、小規模商店や商店街は不況ともあいまってその影響を受け、打撃を受けている。市内にこれ以上大規模商業施設は必要ない。この要綱は抜本的に見直し、規制する方向を明確に打ち出すこと。

    3. 商店・市場の振興策としての共同施設・設備などの新設・改修に対する補助を、小規模施設については1000万円に引き上げるなど、小規模小売業者の意見も聞き、振興策をひろげ充実させること。

    4. (4)現在実施されている中小企業を対象にした融資制度について、無担保、無保証人融資の限度額の引き上げ、利率の思い切った引き下げ、信用保証料の市負担分について融資額300万円を500万円に引き上げるなど、借り入れ希望者が容易に借りられるよう制度の改善を図ること

    5. 市内の中小零細事業所の営業状況は、引き続き深刻である。営業を続けていくために、無担保・無保証人・限度額500万円の市の直接融資制度を早急に創設すること。また、同時に別枠として、仕入れなどにも緊急利用できる小口(30万円まで)の直貸し制度の創設を行うこと

    6. 市内業者の仕事起こしのために、マンションを含む自宅の修繕・補修・改修・外壁塗装などの工事をする市民に対し、市内業者を利用した場合に工事費の一部を助成する「住宅リフォーム助成制度」を創設すること。

    7. 地域経済を守り発展させるために、市内業者の意見や要望を十分に反映させた地域経済振興条例を制定すること。

  14. 市内都市型農業の育成について
    1. 市内で生産している軟弱野菜は、ほとんど地元で消費されずに市場などを通じて他市に出荷されている。国の食育推進計画でも2010年までに学校給食への地元産使用率30パーセントの目標が掲げられている。学校給食を中心に農産物の地産地消を進めるとともに、食材提供農家に対し市場出荷分に見合う価格保障を行うこと。

    2. 南部で直販所を開設するとともに小規模直販農家の情報を市民に提供すること。

    3. 各自治体で特色ある産物づくりが進められつつある。西宮でも鳴尾イチゴが注目されたが、農業振興や後継者づくりという点からも特産品の開発や支援を行うこと。

    4. 農業への理解・関心を高め、また農地を存続させるためにも、希望が多い市民農園を拡充すること。

  15. 西宮市が施行したJR西宮駅南地区再開発ビル「フレンテ」の管理を行う、第3セクター・西宮都市管理株式会社の存廃については、経営検討委員会の提言を受け9月議会に市の方針を明らかにすることになっている。これまでの市議会の論議を踏まえ、いま以上の税金投入をせず、市からの貸付金については全額回収することを前提に方針を決定すること。
  16. 西宮市において「同和」と称する事業は無くなったが、改良住宅と一般市営住宅との間で逆差別とも言うべき実態がなお残されている。また、逆差別を残す「同和」行政や啓発はやめるべきことであり、それを「人権」と称して「継承・発展」させることは時代逆行であり、「人権」に関する啓発は、それ自体独自の重要問題として、あらゆる分野と場面で強めること。また、行政当局において「地区」「地域」という表現や扱いが残っている。ただちに是正すること。